ピンクのガーベラを捧げたい
自然恵み豊かなカロス地方。プリンセスはパートナーであるフラージェス達と共にある場所に向かっていた。
「わあー!すごい‥綺麗!」
木々が溢れる森を越えて、
プリンセス達の目の前に広がる赤や黄、青など色とりどりの花。プリンセス達は今、カロス地方で1番綺麗と言われている花畑に訪れていた。
プリンセスの言葉に共感するように笑みを浮かべ声を上げるフラージェス達。
朝から山を登り、もうすでに昼下がりの今、お腹が空いたプリンセスは、朝作ったサンドウィッチとフラージェス達の好みのポフィンを取り出し腹ごしらえをする。そして花畑にいるフラベベやビビヨンなどと触れ合ったり、フラージェス達と花冠を作りあったりしていると知らないうちに太陽が西へ傾き、夕方の橙色の太陽が眩しくなっていた。
「そろそろ帰ろっか」
プリンセスの声に返事するように声を上げるフラージェス達。
「じゃあまたね、フラベベ達!」
プリンセスとフラージェスはその花畑にいるポケモン達に手を振り別れを告げ、それに答えるようにフラベベ達も「楽しかった」と言うように声を上げた。
「フラージェス達も、だいぶ疲れたでしょう?モンスターボールに入って休憩して」
プリンセスと並ぶ様に歩くフラージェスたちに柔らかい声で問いかけプリンセスは1匹づつフラージェス達をモンスターボールへと戻し、森の中へ来た道を戻っていく。
「‥‥あれ?道間違えてるのかな。全然森から出れないなあ」
来た道を戻っているはずなのになかなか森から抜け出せずにいたプリンセスは困った様に立ち止まり苦笑いを浮かべる。フラージェス達は疲れているだろうと気を使いモンスターボールからは出そうとはしなかった。
ただひたすら辺りがだいぶ暗くなった森を歩くプリンセス。時々聞こえる草をかき分ける音やホー、ホー、と鳴く夜に出るポケモンの鳴き声にビクッと肩を震わせながらもプリンセスは歩き続ける。
「このまま朝まで野宿かな‥」
不安げに木々の隙間から見える月を見上げため息とともに消え入りそうな声で言い、プリンセスはまた歩き出した。
しばらく歩きふと横目に入ったキラキラとしたもの。プリンセスはその目に入ったものに導かれる様にそちらの方へと足を進める。
木々を通り越して見えたものにプリンセスは息を飲んだ。プリンセスの目に映ったのは、青い毛並みに4本のスラっと伸びた足、そして立派に空に向かって伸びる枝分かれした様な大きな輝きを放つツノ。それは月の光によってなのか更に際立って輝いていた。
そのポケモンの月を見上げる姿。あまりの美しさにプリンセスは見惚れるかの様にただ黙ってそれを見ていた。
すると、そんなプリンセスに気配を感知したのかポケモンはプリンセスの方へと顔を向ける。目と目が交わる。プリンセスを見て喉から小さく鳴き声を上げるそのポケモン。
「ごめんなさい‥黙ってずっと見てしまって‥あの‥道に迷ってしまったの‥」
困った様に眉を下げプリンセスは目の前のポケモンに告げる。通じる訳がないと思いながらも、目の前のポケモンがこの森の主な気がしたのだ。
するとしばらく、木々の葉や草が風に揺れる音だけが流れる中、草を踏む音が響いた。そのポケモンがプリンセスの方へ向かって来たのだ。先程よりも近くで見ると迫力の違うそのポケモンにプリンセスは恐怖と共に、それを消し去る為か息を飲んだ。
すると、そのポケモンはプリンセスの横を通り過ぎ、何処かへ向かう様にしなやかに木々を通り越して歩いて行く。
「‥もしかして?」
森の出口まで案内してくれるのかと疑問に思いながらもプリンセスはそのポケモンの後を追う。
そしてプリンセスはそのポケモンと並ぶ様に歩く。それをポケモンは横目で一瞬見ながらも正面を向き歩き続ける。
ちらっとそのポケモンに目を向けるプリンセス。
「あなたは、この森の守り神?‥なのかな」
「今日ね、この森の奥にあるお花畑を見に来たの。あなたも知ってるでしょ?すごく綺麗だった。」
「ついつい楽しくてね、長居し過ぎちゃったかな」
一方的に今日の出来事を話すプリンセス。隣を歩くポケモンはきっとよく喋る人間だと思われてるのではないかなと考える。
しばらくして木々がない、草原が見えて来た。
「!ここ、私がこの森に入る時に来たところだ!」
少し小走りにその草原へと足を踏み入れるプリンセス。そしてここまで案内してくれたポケモンに向かい合う。
「ありがとう!あなたのおかげでここまで帰って来れた!本当にありがとうね。またお礼に来ます!」
その時はもう迷わないよと付け加えプリンセスは満面の笑みを浮かべそのポケモンに手を振りながら帰っていった。そのポケモンはプリンセスが見えなくなるまでその場にいたのだった。
翌日、プリンセスはいつもと同じ様に自身が営むフラワーショップで帰宅が遅かった為睡眠が足りなかったのかあくびをしながらも花に水やりをしていた。
今日もプラターヌ博士がここに訪れるだろう。その時に昨日助けてくれたポケモンについて聞こうとプリンセスは楽しみに待っていたのだった。
「わあー!すごい‥綺麗!」
木々が溢れる森を越えて、
プリンセス達の目の前に広がる赤や黄、青など色とりどりの花。プリンセス達は今、カロス地方で1番綺麗と言われている花畑に訪れていた。
プリンセスの言葉に共感するように笑みを浮かべ声を上げるフラージェス達。
朝から山を登り、もうすでに昼下がりの今、お腹が空いたプリンセスは、朝作ったサンドウィッチとフラージェス達の好みのポフィンを取り出し腹ごしらえをする。そして花畑にいるフラベベやビビヨンなどと触れ合ったり、フラージェス達と花冠を作りあったりしていると知らないうちに太陽が西へ傾き、夕方の橙色の太陽が眩しくなっていた。
「そろそろ帰ろっか」
プリンセスの声に返事するように声を上げるフラージェス達。
「じゃあまたね、フラベベ達!」
プリンセスとフラージェスはその花畑にいるポケモン達に手を振り別れを告げ、それに答えるようにフラベベ達も「楽しかった」と言うように声を上げた。
「フラージェス達も、だいぶ疲れたでしょう?モンスターボールに入って休憩して」
プリンセスと並ぶ様に歩くフラージェスたちに柔らかい声で問いかけプリンセスは1匹づつフラージェス達をモンスターボールへと戻し、森の中へ来た道を戻っていく。
「‥‥あれ?道間違えてるのかな。全然森から出れないなあ」
来た道を戻っているはずなのになかなか森から抜け出せずにいたプリンセスは困った様に立ち止まり苦笑いを浮かべる。フラージェス達は疲れているだろうと気を使いモンスターボールからは出そうとはしなかった。
ただひたすら辺りがだいぶ暗くなった森を歩くプリンセス。時々聞こえる草をかき分ける音やホー、ホー、と鳴く夜に出るポケモンの鳴き声にビクッと肩を震わせながらもプリンセスは歩き続ける。
「このまま朝まで野宿かな‥」
不安げに木々の隙間から見える月を見上げため息とともに消え入りそうな声で言い、プリンセスはまた歩き出した。
しばらく歩きふと横目に入ったキラキラとしたもの。プリンセスはその目に入ったものに導かれる様にそちらの方へと足を進める。
木々を通り越して見えたものにプリンセスは息を飲んだ。プリンセスの目に映ったのは、青い毛並みに4本のスラっと伸びた足、そして立派に空に向かって伸びる枝分かれした様な大きな輝きを放つツノ。それは月の光によってなのか更に際立って輝いていた。
そのポケモンの月を見上げる姿。あまりの美しさにプリンセスは見惚れるかの様にただ黙ってそれを見ていた。
すると、そんなプリンセスに気配を感知したのかポケモンはプリンセスの方へと顔を向ける。目と目が交わる。プリンセスを見て喉から小さく鳴き声を上げるそのポケモン。
「ごめんなさい‥黙ってずっと見てしまって‥あの‥道に迷ってしまったの‥」
困った様に眉を下げプリンセスは目の前のポケモンに告げる。通じる訳がないと思いながらも、目の前のポケモンがこの森の主な気がしたのだ。
するとしばらく、木々の葉や草が風に揺れる音だけが流れる中、草を踏む音が響いた。そのポケモンがプリンセスの方へ向かって来たのだ。先程よりも近くで見ると迫力の違うそのポケモンにプリンセスは恐怖と共に、それを消し去る為か息を飲んだ。
すると、そのポケモンはプリンセスの横を通り過ぎ、何処かへ向かう様にしなやかに木々を通り越して歩いて行く。
「‥もしかして?」
森の出口まで案内してくれるのかと疑問に思いながらもプリンセスはそのポケモンの後を追う。
そしてプリンセスはそのポケモンと並ぶ様に歩く。それをポケモンは横目で一瞬見ながらも正面を向き歩き続ける。
ちらっとそのポケモンに目を向けるプリンセス。
「あなたは、この森の守り神?‥なのかな」
「今日ね、この森の奥にあるお花畑を見に来たの。あなたも知ってるでしょ?すごく綺麗だった。」
「ついつい楽しくてね、長居し過ぎちゃったかな」
一方的に今日の出来事を話すプリンセス。隣を歩くポケモンはきっとよく喋る人間だと思われてるのではないかなと考える。
しばらくして木々がない、草原が見えて来た。
「!ここ、私がこの森に入る時に来たところだ!」
少し小走りにその草原へと足を踏み入れるプリンセス。そしてここまで案内してくれたポケモンに向かい合う。
「ありがとう!あなたのおかげでここまで帰って来れた!本当にありがとうね。またお礼に来ます!」
その時はもう迷わないよと付け加えプリンセスは満面の笑みを浮かべそのポケモンに手を振りながら帰っていった。そのポケモンはプリンセスが見えなくなるまでその場にいたのだった。
翌日、プリンセスはいつもと同じ様に自身が営むフラワーショップで帰宅が遅かった為睡眠が足りなかったのかあくびをしながらも花に水やりをしていた。
今日もプラターヌ博士がここに訪れるだろう。その時に昨日助けてくれたポケモンについて聞こうとプリンセスは楽しみに待っていたのだった。
ピンクのガーベラの花言葉は「崇高美」