※※『宵闇にさようなら』のねたばれを含みます※※


 『宵闇にさようなら』は『千里眼は二千里先を視るか』のハッピーエンドが続いた世界線の物語でした。
 でもあくまで本当の終わりはそうではないので、ちゃんと事実にすり合わせるため、ハッピーエンドの先でも夢主死ぬのが正史のエンドを書こうね……という気持ちで書きました。

 痴情のもつれ、病んだ重い愛情の向かう先がテーマ。
 なのでメインの登場人物マツバ・元カノ・夢主の三人、みんな愛が重いトリオ。ミナキくんは前回に引き続き常識人ポジションです。

 選べる3つのラストのうち、一つだけハッピーエンドを入れたのはオマケみたいなもの。良心が仕事しました! 



以下、元ネタとか要素説明とか。


・各話タイトル

閑話同様に技名縛りのつもりでしたがちょっとむりだったので拡大解釈してねじ曲げました!
最初から「あくむ」「のろい」「おきみやげ」「フラッシュ」「こころのめ」「ゆうれい」「しめつける」「しっぺがえし」「ゴーストダイブ」でした。


・やけたとうのかみかくし/「テキストがよういされていません!」

たしか第二世代のモブ没セリフが元ネタ。後者はソフト開発中のセリフだったかなあ……どこかでたしかに見たんだけど忘れちゃった。


・ホウエン塩

塩好き夢主お気に入りの、ミネラル分たっぷりの料理塩。
サイユウ産はホウエン土産の定番。
おくりびやま産の岩塩は除霊グッズとして一時期大流行したが、最近値段が落ち着いてきた。


・ヒビキくんの別の地方の友だち

別ソフトの主人公たち。
転じて我々。色違いばかり集めていた人は挙手。


・紅葉模様/#繧ッ繝ャ繝9#

元カノの名前。
#で囲ってあるのは名前変換タグの名残。9はベアビヲ9から持ってきた。
エンジュ=京都=秋が観光シーズン=紅葉=その別読み。


・シロガネやまの赤い絵

子宝ジンクスでググったら出てきた『妊婦さんに赤い画材(色鉛筆やクレヨン)で描いてもらった富士山の絵を肌身はなさず持ち歩いていると子宝に恵まれる』というジンクスが元ねた。赤ってところがガチっぽくて怖……っておもいました。元ネタ富士山の験担ぎがある地方では、どうもかぐや姫伝説と結びつきがあるらしい。


・ザロクジュース

ザクロ(妊活)が元ねたのきのみだからザロク選んでジュースにしたら、第三世代でザロクバグとかいうのがあるらしくて戦慄した。体力基礎値を下げることで起きるらしい。詳しくは各自ググってくださいわたしはあんまりよくわかりませんでした。
バグってすげー! よい子は真似するな。


・片方だけの子ども靴

不完全。
元々子どもは乳児設定だったんだので子宝アイテムのベビーシューズの予定だったけど、だんだん良心が痛んできたので五歳くらいに成長させた。その影響でベビーシューズから子ども靴に進化。


・造られた子ども

元カノの骨と血と拾い集めた古い骨、その他やばいものいっぱい混ぜてできた器に、反魂の術で魂入れされた存在。
元カノが消えた五年前に造ったので、五歳。
術が不完全だったために、顔や肉体が崩れている。
中に入っているのは、元カノが流産した水子の魂。


・偽ホウオウ

元カノが『ホウオウがいればわたくしのことも認めてくれるはず』という一心で造り上げた。
これにも元カノの骨肉が使われている。
元ネタは下記のベアビヲ9とコガネ駅産ホウオウ。


・マツバの実家の仏間

マツバの深層意識の核となっている場所。
ここで昔から御先祖様や家の使命と向き合ってきた。


・仏間の襖外の長ーーい廊下

元カノの意識世界。
夢で何度もマツバが行き来したので、結果的に元カノに力を与えることになった。
転じて産道。終わりがない=妊娠できなかった。


・白い水仙

花言葉は『自己中心/報われない恋』
元カノに意識が侵食されている。
だんだん数が減っていくのは、マツバが棄てているから。


・千寿菊

マリーゴールド。
花言葉は『悲しみ/変わらぬ愛/予言』
山のように花瓶に差し込んでいるのは、マツバの夢主への愛情の現れ。本当の結末をわかっているのに目を背けていたい。


・偽マツバの 首を絞める 攻撃

夢主はマツバの首絞め検定一級を持っているので、すぐに別人だと気付けたと同時に、偽マツバが首絞めド素人と看破。
昔の血が騒いで反撃に出る。
※ひとの首を絞めてはいけない


・マツバの夜の趣味

首絞め。独占欲と支配欲の現れ。



※※バグについて※※

怪異・呪い・怪談・異界・都市伝説として存在している。
その多くは禁忌。手順は全て儀式化されているといえる。
儀式化され繰り返されてきたものはそれ自体が強い呪術性を帯びており、怪異足り得る。
ゲーム上でのバグでは最悪、過負荷によってデータが飛ぶけど、それは文字通りバグ=儀式を行った者の消滅、あるいは崩壊を引き起こす。生物は生物の枠を保てなくなり、肉体も魂も総てが変質してしまう。慈悲がない存在。
 
バグポケに関しては初代が圧倒的に存在感大きいので、ほぼそのあたりが元ねた。
よくある多重状態異常は肉体の物理的崩壊に置き換え。
見る人によって見え方が違うのは、バージョンによって表示されるグラフィックが違う点を踏襲。


・ベアビヲ9について

アネ゛デパミ゛の次くらいに人気ありそうなバグポケ(偏見)
データの場所がポケモンではなくトレーナーが並ぶエリアにあるらしく、そこから呼び出されるので、人が材料という呪術に変換されました。
あと化石バグと、西行法師の人間のつくりかたも元ねた。
でも参照されるポケモンのデータはサンダースなので、でんきタイプ。もうこれわかんねーわ。
覚えている技は『ほのおのパンチ』『れいとうパンチ』『かみなりパンチ』『バグ技』の四つ。

ゆうれいグラフィックが有名だけどバージョンによってはモザイク化されたり、ホウオウのグラフィックが表示されるらしい。ふしぎ。
レベル50を越えたあたりでやべえバグ技を覚える。
鳴き声が思ってたより地味だったので、普通にポケモン図鑑説明文から引っ張ってきました。文字化け案も捨てがたかったけど、結果的にこっちで良かったと思います。ありがとう探究心に溢れる偉大なる先人たち。
 

・元カノについて

エンジュ旧家の霊能者一族の一人娘。マツバの二つ年上。
マツバの家より格下だったため、近代以降あまり栄えることなく没落の一途をたどっていた。
御家再興のためにも強い血を欲していたが、生まれつき病弱だったためそもそも世継ぎを産むこと自体、家から望まれていなかった。

どうにか苦心して許嫁のポジションを獲得したものの、当時のマツバはホウオウのための修行とジム以外に関心が欠片もなかったので、嫁という認識すらされていなかった。
あまりにも哀れで出来心から犯され妊娠したが、それは公にはできない妊娠だった。
親からもついに石女と蔑まれて心を病んで行方を眩ませる。
子どもは流産している。
最近急に出てきたのは、造った子どもがとうとう家の者たちをみんな呪い殺して、力の強さを確認したため。

今ならホウオウもいるし子どもも造ったからマツバさまもこれでわたくしのこと認知待ったなしでしょ、と思ったら夢主がいたので激おこ怨霊堕ち。


・コガネ駅のホウオウについて

バグでコガネ駅から、絵をずらして完成させる児童用パズルみたいに地図がバラバラになっているバグ世界に行くことができ、そこでホウオウを釣り上げてゲットすることができる、というバグ技検証記事をたまたま見つけたのが執筆のきっかけでした。
バグってすげー! よい子は真似するな。


・種がない話について

健全なる魂を磨くために健全に修行に励んでいたのに、不健全な行き過ぎた修行のせいで極端に精子が少なくなってしまった。まだ治療次第で希望はあるかもしれない。


・トゥルーエンドの夢主について

バグ=呪術で生み出された存在に殺されたので、魂が変質してしまった。肉を失い、自身の核たる骨をマツバに喰われ、もうそこから動くことはできない。
マツバが気付いて解放してあげない限り往生することはないけれど、魂の位置は現世ではない別次元(バグ世界)にあるのでマツバが気付けるかどうかはわからない。
マツバに執着しているので残留思念のようなものを常にマツバに纏わせている。
明確な殺意はないけれど、マツバが自分を忘れるようなことになったら呪い殺して魂を取り込んでひとつになろうとする。忘却を何よりも嫌う怪異。そのときもしかしたら初めてマツバは知覚できるのかもしれない。


また何かあれば増やします。

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