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 フェストゥムが消えたことを確認してから私は安堵の声を漏らす。
 フェストゥムの来訪が頻繁に確認されるようになってから数日、私はファフナーに乗ることができないからとCDC勤務を自ら申し出て一週間。忙しい日々が続く。



「お先に失礼します」



 CDCに居る大人たちに挨拶をしてその場を後にする。
 アルヴィスの制服を着替えるために一度ロッカーに向かい、着替えてから水中展望室に足を運ぶ。



「・・・・・・」



 誰もいない空間。此処はすごく落ち着く。
 深呼吸してから近くにある椅子に腰を下ろす。
 蒼い世界をぼーっと眺めていると足音が響いてきた。ここの展望室を通って外に出ることはできない。遠回りをするという暇な人間は私以外あまりいない。
 誰だろう、と視線を移すと見慣れた顔が微笑みながら私に手を振っていた。



「お疲れ様一騎くん」
「名前こそ」



 一騎くんはそう言って私の隣に自然に座った。



「私は何もしてないよ、みんなと違って」



 いつもモニター越しに見ている。
 死ぬか生きるかの世界で戦うみんな。何でみんな平気で戦っていられるのか分からない。



「・・・俺は始めは一人で戦えると思っていた」



 一騎くんは静かに口を開く。



「でも、それが違うって皆が教えてくれた・・・・名前がいるから俺は戦える。名前がいる場所に帰ろうって思うから」



 一騎くんの言葉で私は顔が紅くなることが分かった。
 恥ずかしくなって私は俯く。しかし、一騎くんはそれに気が付かないのか平気な顔して私の顔を覗き込んできた。



「どうしたんだ名前?」
「一騎くんうるさい」



 何故そんなに恥ずかしくないのか。私は顔から火が出る思いをしているのに。私は立ち上がって一騎くんに背を向ける。



「一騎くんのせいだから。一騎くんがそんなことを言うから・・・」
「?」



 一騎くんのこと、気になるじゃないか。無自覚にもほどがあると思う。私はその場をごまかすようにして足早に展望室を出ていく。
 後ろで何か一騎くんが言っていたが、それも無視して。


title:tenuto

 
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