
定期的に行われる慰労会。
参加したはいいものの、このところ残業続きでろくにゆき乃に会えていなかった実弥は、乾杯して暫くすると、隣に座るゆき乃の手をそっと握った。
周りはお酒が入っていて宴会状態のため、二人が密着していようが気にしていない。
天元達にはバレていたと後から知るが、ゆき乃に触れてしまえばそんな事はどうでもいいとさえ思っていた。
「実弥先生…」
「なんだァ」
「……二人で抜けない?」
耳元でそんな囁きを受けた実弥が、理性を保てるはずもなかった。
ゴキュッと実弥が喉を鳴らす。
顔を赤いのをアルコールの所為にして、騒がしい宴会場を手を繋いで後にしたのだった。
◇
モノトーンな玄関に漂う甘い香り。
実弥の家の玄関に入るや否や、どちらともなく顔を寄せ合った二人は、外で思うように触れ合えなかったもどかしさから解放されたかのように、熱い口付けを交わしていた。
学校で言葉は交わすものの、やはり生徒の目もあり必要以上に接することはできなかったため、お互いに触れたいという願望が日を増して強くなっていったのだ。
実弥の首に腕を回していたゆき乃は、少し唇を離すと、「ずっと触れたかった…」と熱い吐息と共に零した。
「…っ、これ以上煽んなァ」
「ンンッ…!」
実弥は靴を脱ぎ捨て、ゆき乃を壁に追いやると押し付けるように唇を塞いだ。
舌で彼女の唇に触れれば、まるで誘うかのように開いき、躊躇いもせずに口内へと侵入させた。
すぐに絡め取られた舌に実弥の熱が上がり、一点へと集中していく。
甘美な水音と甘い吐息が混ざり合っていく。
想像以上に官能的なゆき乃を前に、実弥は欲を抑えることなくその体に触れていった。
「実弥、ベッド…連れてって」
「あぁ」
ゆき乃のブラウスの裾から手を入れていた実弥は、それを名残惜しそうに引き抜くと、ゆき乃の体を簡単に抱きかかえてベッドへ下ろした。
アチィ、と言ってシャツを脱ぎ捨てた実弥の体は筋骨隆々で、本当に教師なのかと疑問すら湧いてくる程だった。
そんな彼を下から見上げていたゆき乃は、その実弥の体に手を伸ばし、指先で妖艶に這わせていく。
その小さな刺激に実弥は思わず、吐息混じりの声を漏らした。
「ズルいな、こんな体して」
「何がだァ?」
「誰にも知られたくないし教えたくない…わたしだけのものにしたい」
「…っ、ゆき乃…」
ゆき乃に触れられた所から熱を帯び、全身へと巡っていくような感覚だった。
その手を取り、今度は実弥がゆき乃を服を剥いでいき、露わになっていく度、その綺麗な肌に唇を這わせれば徐々に甘い声が高鳴っていく。
擦り合わせている太腿を割って、甘い香りを放っているそこに指を当てると、すでに潤っている蜜が実弥の指を濡らした。
「もうこんな濡れてんじゃねェか」
「ン……だってぇ…」
「そんな声、俺以外に聞かせんじゃねぇぞ」
顔の横に腕を置きゆき乃の唇を塞いだ実弥は、舌を絡ませながら片手を胸元へと這わせた。
実弥の手に収まる膨らみに、以前ゆき乃がわざと寄せて目立つような服を着てきた事を思い出し、思わず口許を緩めた。
その表情を細めで見ていたゆき乃が、吐息混じりに聞くと、実弥は口角を上げると、「ゆき乃が可愛くて仕方ねェんだよ」と言いながら胸の先を口に含んだ。
実弥の舌が与える快感に、ゆき乃は声を上げ体を反らす。
好きな女が自分の手で、唇で、淫らな声を上げて頬を紅潮させている姿に、集中している熱が更に上がるのを感じた。
ゆき乃の甘美な声が充満する部屋で、彼女の潤いを掻き乱していると、伸びた手が実弥の反り上がった熱に触れた。
思わず小さな声が漏れる。
「…実弥ッ、もう……欲しい…」
「ッ、余裕ねェぞ」
「ん……早くきて…」
実弥はベッドサイドに仕舞っていたゴムを装着すると、艶かしく誘うゆき乃の潤いへとあてがい、ゆっくりと腰を沈めた。
ゆき乃から喜悦の声が上がり、実弥も絡みつく熱に甘い声を漏らす。
大丈夫かァ、と聞くと、ゆき乃は目を細めて頷き、腕を実弥の首に回した。
ゆっくりとし律動を繰り返しながら、実弥はゆき乃の首や胸に舌を這わせて愛撫をする。
徐々に速くなる実弥の動きから与えられる刺激に、ゆき乃はただ声を上げるしかなかった。
「あッ、あッ、ハァン……実弥ぃ…ンンッ!」
「ゆき乃ッ…」
「あッ!や、そこッ…気持ちい……あぁッ…」
どれだけ淫らな声を上げても、与えられる愛撫に乱れても、実弥はすべて受け入れてくれるだろうとゆき乃は思っていた。
だから、我慢することなく実弥の全身から来る愛を受け止め、またそれを同じように実弥に与えた。
二人の重なり合う淫らな水音。
実弥の汗が額から髪に移り、ゆき乃の体へと落ちていく。
そのすべてが官能的で、二人を快感へと導いていった。
「ゆき乃ッ、……愛してる…」
甘く痺れるような快感に溺れていく。
囁き合った愛の音は、二人を優しく包み込んでいた。
零れた吐息はまるで媚薬
(触れただけで、熱くなる)