――忘れられない恋はありますか。
世の中のどれ程の人が、その問いにYesと答えるだろうと考えたことがある。
初恋、禁断の恋、一世一代の恋。その形は様々あると思う。それが永遠に続いているものかどうかは別として、心が燃えるような恋をした人は一体どれくらいいるのだろう。
「一目惚れしたって言ったら、信じてくれる?」
光を反射し輝く金色を靡かせながら、その碧眼を真っ直ぐに向けた彼はそう言った。
幼さを纏うその瞳だったが、向けられた眼差しから伝わる想いは、私の心を熱くさせるのには十分だった。
忘れられない恋。
果たしてそれが恋と呼べるのかも分からない、たった一日だけの関係。もう、四年も前の事なのに、今でも鮮明に覚えている。
声も体温も、あの瞳も。
忘れたいのに、忘れられない恋。