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×××SS_fgo(clap log.アーサーオルタ)

fgo アーサーオルタ(捏造)
メインストーリー2部ネタバレ要素含みます。
夢主がクリプター設定。
過去拍手お礼夢。

誰もが寝静まっているだろう深夜。ひんやりとした空気を肌に感じつつ軽く深呼吸をする。軽装であるも城に展開している魔術結界のお陰か、寒いというよりも今の火照った体には丁度良い。
何気なく視線を下ろすと、契約をしているサーヴァント――反転したアーサー・ペンドラゴンが薄着のまま瞼を閉じて膝枕を堪能している。まるで子どもみたいに甘えてくるアーサーに口元は自然と緩む。手を伸ばしてアーサーの髪に触れると、くすぐったいのか、少しだけ身じろぎをした。ふと、心の奥底から懐かしいものを思い出す。声に載せて歌を紡ぐと、ぴくりと小さくアーサーの体が動いた。

「――それは何の歌だ?」

どうやら歌い終えるのを待っていてくれたらしく、アーサーが問いかけてきた。起こしてしまったかと問うと、アーサーは軽く頭を左右に振る。

「昔、お母さんが歌ってくれた子守唄よ」

幼い頃、寝付けなかった時に今は亡き母が良く歌ってくれた。ただ歌詞は途中までしか覚えておらず、記憶に残っていないところに差し掛かると最初に戻り繰り返すのだが。それでも、この子守唄はクリプターであり魔術師としての自分を支えるに大切なものの一つでもある。歌ってみたのは良いものの、やはり記憶にある母には敵わない。音痴でごめんね、と苦い笑みを浮かべると、ふっとアーサーは微笑む。

「心安らぐ歌だ……何よりマスター――貴様の声が良い」

そう言うとアーサーは腕を伸ばし彼女の頬に触れる。もう一度、とアーサーは紡いだ。

「歌うが良い。マスターの声を、歌を、聞かせてくれ」
「……わかった」

頷くなり再び子守唄を歌う。懐かしさと温かさがふいにこみ上げてきて、いつの間にか涙が頬を伝った。アーサーは何も言わずに指で涙を拭ってくれた。上ずった声が出てしまい歌うのをやめた。
アーサーは体を起こし彼女と向き合うように座る。溢れる涙を自身の手の甲で拭うも止め処なく伝い落ちていく。突然の涙にきっと驚かせてしまっただろう、ごめんと謝った瞬間、アーサーに肩をつかまれるや否や両腕の中に閉じ込められた。

「アーサー……?」
「――たまには、」

さらりと頭を撫でられたかと思うと、やさしい声音でアーサーは囁く。

「全てを忘れて泣けば良い。貴様の全てを受け入れてやろう」

抱きしめる腕の力を強くしてアーサーは結ぶ。
嗚呼、もう――わたしのサーヴァントはなんて冷たくて強かで、それでいて愛しいのだろう。
アーサーの背中に腕をまわし、ありがとう、と伝えると今まで胸の奥底で押しとどめていたパチン、パチンと音を立てて外れていく。全ての枷が外れた瞬間、アーサーの胸に顔を押し当て、声を上げて再び涙を流し始めた。
子どものように泣く自身のマスターを受け入れるアーサーの顔は、まるで温かな陽だまりのように穏やかだった。

慟哭、戻らない戻れない
(わたしが行く道はただ一つ―――貴方とともに歩む、世界に仇名す罪の道。けれども今は全てを忘れさせて、大きなぬくもりで包み込んで――……)
愛子||180803(title=睡郷)

(2019/02/27/BACK)