SS

×××SS_dia(滝川)

diaのクリスくん。
拍手過去お礼夢。

バイト近くにある最寄の駅で人を待つ。何気なく携帯電話を取り出して見ると、後ろに居る、という文字が液晶画面に記される。振り返ると、片手を挙げて微笑む彼――滝川・クリス・優の姿。携帯をもとの場所に仕舞い、クリスの傍へと歩み寄った。

「さっきまでバイトだったんだろう? お疲れ様」
「ありがと。優もお疲れ様。今日も野球をしていたんでしょう?」
「ああ、まあな」

軽く雑談をしながら、適当に見つけた店に入ろうということで、二人は並んで歩き出す。
今日の夜、食事へ行かないかとクリスから誘いがかかった。もちろん断る理由はなく、快く承諾して今に至る。
お互い青道高校の出身で三年間、偶然なのか必然なのか同じクラスだった。その為、話すことも多く自然と仲は縮まり、卒業後もこうして度々連絡を取り、会っている。
唐突に、クリスに名前を呼ばれあることを尋ねられた。

「俺ってそんなに老けて見えるか?」

二、三秒思考は止まり、ぱちぱちと目を瞬く。え? と質問の意味がわからず首をかしげた。

「だから、俺はそんなに老けて見えるかと聞いているんだ」
「……いきなりどうしたの?」

真顔でそう返すとクリスは少し困った色を浮かべつつ、実は……、と話を始めた。大学で先輩たちから年上と思われていたり、敬語を使われたりしているのだという。後輩である沢村栄純や御幸一也にも同じように相談をしたらしく、髪を下ろすと五歳若返るというアドバイスを受け、実は先日から下ろしているのだと結ぶ。本人は真剣に考えているのだろうが、あまりにも可愛らしい悩みに思わずふき出した。
顔を顰めるクリスに、ごめんと謝るも笑いは止まらない。そんなに笑わなくても良いだろうと軽く息を吐くクリスに、だって、と思っていることを素直に伝えた。

「優が髪を下ろしていてもいなくても、格好良いことに変わりはないもの」

突然、クリスは歩みを止める。人通りが少ないため、道の真ん中で止まっても迷惑にはなっていない。振り向き、どうかしたの? と尋ねると、次にクリスはふっと微笑むなり、いや、と頭を横に振る。ゆっくりとクリスは歩み寄ると、立ち止まっている彼女の前まで行く。首をかしげたのと同時に、クリスは少し屈むと、唇に触れるだけのキスを落とした。
刹那、フリーズした彼女の横を通り、行くぞ、と声をかける。一呼吸間を置き、うんっ、と上ずった声で返事をすると、まるでブリキ人形のようにぎこちなく動き始めた。
目を細めると、クリスはそっと手を差し伸べる。顔を真っ赤に染めた彼女は差し伸べられた手をとると、ぎゅっと握った。握った手からでも身体に熱がのぼっているのがわかる。
前に向き直った自分も、胸が高く早く鳴っていた。隠すようにして手を握り返すと、彼女も答えるようにもう一度、強く握った。

きみが愛しいと気づいたから
(ただの親友から、一歩先へ進むチャンスが出来た)
(title=確かに恋だった)

(2018/04/13/BACK)