SS
×××SS_dia(御幸)
diaの御幸くん。過去拍手お礼夢。
朝、登校するなり下駄箱前で別のクラスの女子生徒からある物を受け取った。お互いに面識は無いに等しいのだが、渡された物はなんとラブレターだった。そっちの気はないよ!? と慌てて返そうとしたが、違う違う! と女子生徒。受け取ったそれを、同じクラスの御幸一也に渡して欲しいと言われた。直接渡せば……とやはり返そうとすると、そんなの無理だからお願い!! と強引に託されてしまった。女子生徒は背を向けると、駆け足でその場から離れて行った。面倒くさいと思いつつ、受け取ったラブレターをブレザーのポケットに仕舞った。
そんなこんなで一時間目を終え、小休憩時間に入ると、何気なくいつもの場所へと向かう。向かったのは御幸の前の席で、席の主は今日は休みの為、心置きなく腰を下ろすことができた。
次の授業の準備をしている御幸に、ブレザーにしまっていた例の物を差し出す。首をかしげる御幸に、今朝のことを一部始終話した。御幸は素っ気無く相槌を打ち、ラブレターの封を切る。内容を見せて欲しいと頼んでみると、嫌だと断られた。
「返事、してあげるの?」
「放課後に屋上に来てくれって書いてるし……行くだけ行く」
「ハッ。ついに御幸にも彼女が……!?」
それはない、と御幸はきっぱりと断言した。呼び出しには応じるが、告白には断るつもりだと続ける。残念だなぁ、とぶすーと頬を膨らますと、何でお前が残念がるのかと御幸は肩をすくめた。
「御幸の好みってどんな子なの?」
好みねぇ、と御幸は呟くも一呼吸置いてから、そうだな、と答える。
「理想でいうと大和撫子な清楚系」
「なにそれ絶滅危惧種じゃん」
「つーのは冗談で」
「え。目がマジだったけど冗談なの?」
冗談なんだよ、ともう一度言った後、百歩譲って現実を見て考えると……、とこぼすなり御幸は目の前を指差した。
「まだお前がマシかな。気を使わなくて話せるし」
まさかのことにきょとんとした表情を浮かべる。しかしすぐに、ぺしっと御幸の手を叩いた。
「人を指さしちゃいけません!」
「沢村か、お前は」
普通の女子なら喜ぶはずのところを、まさかの返しに御幸も思わず真顔になる。そういう自分はどうなのかと逆に尋ねると、そうねぇ、と彼女は考えた。
「理想でいうと、白馬に乗った王子様」
「病院行く?」
「ていうのはもちろん冗談で」
冗談かよ、という突っ込みを他所に、ちゃんと現実を見て考えると……、と少し頭をひねった末に結論を出したのか、御幸に視線を向けた。
「御幸、かなぁ。わたしも気兼ねなく話せるし」
ぱちりと目を瞬くや否や、ふっと御幸はふき出す。その時、休憩終わりを告げるチャイムが鳴った。
信頼しきった笑顔
(この時、二人の周りに居た生徒達は思った。"お前達早く付き合えよ……"と)
(title=確かに恋だった)
(2018/04/13/BACK)