SS
×××SS_dia(小湊兄弟)
ダイヤのA 亮介&春市 春市双子設定コールドで練習試合を終え、手配された帰りのバスに乗る為に他校を出た時だった。小湊亮介はふと足を止め、出口の近くに居た人物に目をやる。近くに居た部員に先にバス行ってくれと告げると、亮介は足早に傍へと向かった。
白を基調とした服装の人物は、被っていた麦藁帽子をちょいと上げるなり満面の笑みを浮かべる。同時に勢い良く亮介に抱きついた。
「亮ちゃん! お疲れ様!!」
「いきなり抱きつかない。危ないじゃん」
「会えたのが嬉しくてっ!」
ぎゅうっと抱きつく少女に、まったくと亮介は肩をすくめる。傍から二人を見ていた部員達はあまりに突然のことに動きを止め、目を見張り口を大きく開けていた。後から学校を出た一年生三人は動かない部員達を見て何があったのかと首をかしげる。部員達の視線の先を追いかけるなり、うち二人は同じ表情を浮かべた。
亮介と仲良く話す少女はとても愛らしい人だった。大きな瞳に高い鼻、ぷっくりと柔らかそうなその唇はまるでさくらんぼのように可愛らしい。しかし、部員達は初めて少女を見るはずなのにどこか覚えのある姿にも思えた。さらりと風に揺れる髪は亮介とその弟の春市にそっくりな色をしていた。
えっ、と春市は声を上げると急いで二人の傍へと駆け寄る。亮介の隣に並ぶと、楽しげに話している少女に声をかけた。
「なんで此処に居るの!?」
「ちっ、もう割って入ってきたのねクソ春市」
「口の悪さは相変わらずで何よりだよ」
亮介と話をしていた時と違い、春市を見るなりツンとした表情を浮かべる。春市は苦い笑みを浮かべると小さく息を吐いた。
「母さん達は?」
亮介が問いかけると、少女は満面の笑みで一人で試合を観に来たのだと応える。まさか実家から応援に駆けつけに来てくれるとは思っても居らず、亮介と春市は驚いた。だがすぐに亮介は優しく微笑むと少女の頭を優しく撫でる。少女はとても嬉しそうに頬を染めた。
時間の許す限り三人は他愛の無い話をする。亮介へはまるで天使のような表情と声で接するも、春市に対しては酷く冷たい。百八十度違う態度だが、小湊兄弟は気にせず普段通りだった。
程なくして、そろそろバスが出るころだ、と部長の太田が部員全員に声をかけた。少女はぶすっと頬を膨らませて拗ねたが、馴れた様子で亮介は宥めた。
「また応援に行くね、亮ちゃん」
「楽しみに待ってるよ。けど、その時はちゃんと連絡を入れること。いきなり来たら、俺も春市も驚くからさ」
「あう……ごめんなさい。今度は気をつけます」
「わかればよろしい」
亮介はもう一度、少女の頭を優しく撫でると、それじゃあと区切りをつけ背を向け、先に未だに固まっている部員達のもとへ戻った。亮介の背中を愛おしそうに眺める少女に、それじゃあ僕も帰るよ、と春市。瞬間、少女の色はさっと変わった。
「さっさと行けーバカ春市ーばーかバーカ」
「本当、兄貴のことしか好きじゃないんだから……」
別に良いけどと春市は軽く笑うと、それじゃあ、と踵を返す。数歩進んだところで、春市! と少女に呼び止められた。春市は振り返り首をかしげる。少女はむっとした表情のまま紡いだ。
「今日の代打でのヒット、なかなか良かったわよ。わたしの兄貴としてはまあまあの活躍だったわ」
上から目線での褒め言葉に、いつも通りだなあ、と口の中で呟く。ふんっと鼻を鳴らすと、少女は腕を組んで続ける。
「けど、亮ちゃんの方が凄かった。亮ちゃんの方がすごかった!! ……一応、あんたのこと、これからも応援しておいてあげるから」
じゃあバイバイ、と少女は手を振る。春市は笑みを見せると、ありがとう、と告げ亮介の後を追うかのように部員達のもとへと戻った。
ポイントは時たまデレ
「ちょ、ちょっと亮さん! あの可愛い子いったい誰っスか!? まさか彼女!?」
「春っち! お兄さん!! いったい誰なんですかあの女子は!!」
「俺の彼女」
「「マジで!?」」
「ちょっと兄貴、嘘つかないでよ」
「だって面白いじゃん」
「面白いって……あの、倉持先輩、栄純君。さっき話していたのは僕の妹です」
「亮さんの……妹……!?(亮さんに似ずすげぇ可愛いじゃねぇかっ!)」
「春っちとお兄さんの妹!? あ、なんだ妹かー。てっきり危ないストーカーか何かかと……」
「誰の妹が危ないストーカー?」
「手刀がいつもより痛い!?」
「ストーカーだなんて人聞き悪いこと言わないでよ、栄純君」
「春っちまで!? いつもより手刀が痛いっ!!」
愛子||160811(title=空想アリア)
(小湊兄弟は妹が大好きです)
(2018/02/19/BACK)