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×××SS_fgo(clap log.ハイド)

fgo ハイド
過去拍手お礼夢。


深く眠りに入ったところで表に出るなり、姿だけを彼を真似て部屋を出た。すれ違った職員達は朗らかな笑みを浮かべて挨拶をしてくる。彼のように愛想良く返し、歩みを進める。角をまがるなり、はたっと目的としていた人物と遭遇した。

「わっ。驚いた……――、」

名前を呼びかけて、ぱちりと瞬くなり目を細めた。

「珍しいね、戦闘のとき以外に出てくるなんて。"ハイド"」

今回も騙せなかったことにジキル――否、ハイドは舌打ちする。表に出てきて最初にしたのは、ジキルに化けること。そして自身のマスターである彼女を探し、騙してからかってやるつもりだった。けれども、今回も失敗してしまった。もう少しだった気がするのに、と思う反面、名前を呼ばれたことに口元が緩みそうになるのを堪える。

「今からご飯を食べに行こうと思ってるんだけど、ハイドも一緒にどう?」
「は? ゼッテーやだ」

吐き出すように答えるも、まあまあ! と彼女は笑いハイドの腕を取ると食堂へ向かって歩き始めた。離せ! と言うも、今日のランチはなんだろうねぇ、と話を続ける。聞く耳持たない彼女にハイドは肩をすくめて息を吐く。

「ハイドは何を食べる?」
「食べねぇよ」
「じゃあ何か飲むだけでもどう?」
「いらねぇっつーの!」

強く言葉を発するも、じゃあわたしが決めてあげる! と彼女。だから話を聞けとハイドは項垂れた。ふと、彼女は歩みを止めると腕を離し、くしゃりとハイドの頭を撫でる。くしゃくしゃと手で撫で回すとニコッと微笑む。

「ハイドはやっぱりこの髪型の方が良いよ。ジキルの真似は似合わない」
「好きでやってるわけじゃねぇよ。つか、そろそろやめろっ」

手を払い退けるも彼女は笑い続けた。密かに頬に熱がのぼっていくのを感じる。笑う仕草、呼ぶ声――自分はきっと彼女を……否、考えている以上に想っているのかもしれない。マスターを今度こそ失いたくはないという気持ちは、悔しいがジキルと同じだ。
そっと手を伸ばして彼女の頬に触れてみる。温かくて柔らかな感触に不思議と安心した。首をかしげる彼女と目が合い頬から手を離す。離した手の行方はそのまま彼女の空いている手を乱暴に取り、ハイドは先導するように食堂へと歩き始めた。

「わっ。わ、わっ!? ハイド!?」
「エスコートして欲しいんだろ? だったらついて来い」
「これっ。エスコートとちょっと違う……!」
「あーあー。うるせぇ。黙ってついて来いっつーの」

彼女の手を握りなおし指を絡める。背後で小さな笑い声が聞こえるや否や、まるで応えるかのように彼女はぎゅっと握り返してきた。綻びそうになる口元をしっかりと結ぶも、頬には先程よりも熱く赤く染まっていた。

ハートの裏側
(あいつも俺もこいつを――嗚呼、何も言わなくても良い。すべてわかる。俺も、同じ気持ちだから)

愛子||180507(title=睡郷)

(2018/11/03/BACK)