「マスター。もし良ければ、肩でも叩こうか?」
何気ない提案になまえはぱちりと目を瞬き驚いたものの、是非! とお願いした。わかった、とアーサーは頷くとなまえの背後に回るなり、そっと両肩に触れた。
「それじゃあ、始めるよ」
声をかけ、力をいれずにとんとんとリズム良く叩き始める。ほどなくして、ほわんっとなまえの表情が緩んだところで叩くのをやめ、次は軽い力で肩を揉む。華奢な肩に力を入れてしまうと壊れてしまうのではないかと一瞬、怖くなったが、なまえの顔を見る限り大丈夫そうだ。随分と心地よさそうな色をなまえは浮かべており、アーサーの口元も知らずと綻んだ。
そうして――幸せな時間はあっという間に終わり、さっと両肩を撫でられたかと思うと、おしまい、とアーサーは告げる。ほっと息を吐き礼を言うと、どういたしまして、とアーサーは笑った。
軽く肩をまわしてみると、先程よりも楽になった気がする。何かお礼をしなくては……と考え、ふとなまえは思いついた。腰を上げてアーサーの名前を呼び、にこりと笑顔する。
「アーサー、次はわたしが肩たたきをしてあげるっ」
「えっ。いや、僕は大丈夫」
「そう言わずに。ほら、座って!」
なまえに背を押され、交代するかたちでアーサーは椅子に座らされる。断れなくなり、それじゃあ……、とアーサーは頼むことにした。任せたまえ! となまえは腕まくりし、さっそくアーサーの後ろに立つ。
そっと両肩を撫で、肩たたきを始めようとして、ふと動きを止める。戦闘ではいつも先陣を切り戦い、時には盾となり守ってくれる――大きくて頼りになる、やさしくて温かな背中は見ているだけで心がぽかぽかと温かくなった。軽くアーサーの肩を叩くと、後ろから腕を回してぎゅっと抱きついた。
「……マスター?」
アーサーは驚き二、三度目を瞬くも、どうかしたのかい? と問う。
「いつもありがとう、アーサー」
日ごろの感謝を言葉にのせて伝えると、一呼吸置いてから、アーサーも唇を開いた。
「こちらこそ、いつもありがとう――なまえ」
なまえの腕に触れて撫でると、アーサーは目を細めてそっと寄り添った。
君らしい大好きの表し方
(君の力となり剣となり、そしていつまでも支え続けよう――)
愛子||181123(title=星屑Splash!)