(※霊衣ネタ有。苦手な方はご注意ください)


マイルームでのんびりと過ごしている昼下がり。もう少しだけ休憩をしたら、同期の藤丸立香のところへ行き、シュミレーションルームでちょっとした戦闘訓練でもしないかと誘おうかと思った矢先、突然、扉が開いた。

「やっほーマスター! 突然だけどデートしよー!!」

部屋にやって来たのは、なまえと契約をしているサーヴァントのアストルフォ。何気なく視線を扉の方に向けるなり、なまえは目を丸くした。

「どうしたの、その格好……」

えへへ〜と照れつつ、アストルフォはその場でくるりと回る。アストルフォが着ていたのは現代風の私服だった。なんでも、ずいぶん前に買い込んでいたものらしい。ちなみにパーカーのフード部分はうさ耳らしく、ちょいと被ってはぴょんぴょーん! と口にして笑う。
ぐうっ可愛い……! と心の中で叫ぶも、こほんと軽く咳払いをしてなまえはアストルフォに向き直った。

「外は吹雪だよ? それに、いつ特異点が見付かるかもわからないし……流石に出かけられないよ」
「えー。だめ? どうしても?」

こくりと頷くと、ぶすっとアストルフォはぶすっと両頬を膨らませる。

「こんなに可愛いボクと、マスターはデートしたくないの?」

軽やかな足取りとともにアストルフォは傍へと来ると、両膝を付き上目でなまえに訴えるようにしてちょいと首をかしげる。あまりにも可愛らしく、母性本能をくすぐってくるような表情、姿に、言葉に詰まってしまう。ねぇー、となまえの手を取り良い返事を待つアストルフォに、最後の一押しの"ダメ"が言えなくなった。今日くらいは良いか、と小さく息を吐いた。

「外へ出るのはその、あれ……だけど。カルデアの中で良ければ一緒にデートをしましょう、アストルフォ」

ぱちりと目を瞬き、アストルフォはじっとなまえを見つめる。だがすぐに表情を明るくし、やったー!! と声を上げた。立ち上がり、じゃあさっそくデートしよう! とアストルフォは腕を引っ張ってくる。以前、立香に、サーヴァント達に対して甘すぎるのではないかと言ったことがあるのだが、自分も他人のことは言えないなと反省した。マスター早くー! と急かしてくるアストルフォに、はいはい、と相槌を打つとなまえは腰を上げて立ち上がる。まるで子どものようにはしゃぐアストルフォを前になまえはくすりと微笑んだ。

「それじゃあ出発ー!」

いつの間にか手を握られぐいと引っ張られるも、ちょっと待って、と呼び止めた。

「どうしたの、マスター?」
「デートするんでしょう? だったらこうしなくちゃ」

ちょいと頭を傾けるアストルフォから一度手を離すも、指を絡めて握り返した。あ、と声をこぼし、えへへっ、とアストルフォは頬を染める。

「デートといえば恋人繋ぎだよね。それに、マスターって呼ぶのも変か」

自己解決すると、ぎゅっと手を握り返してアストルフォは言う。

「それじゃあ張り切ってデートに出かけよう、なまえ!!」

初めてアストルフォに名前を呼ばれた気がした。唐突なこともあいまって、普段とは違う雰囲気に思わず胸が高鳴る。なまえ? ともう一度呼ばれ我に戻る。うんっ、と頷くとアストルフォとともに歩みを進めた。


こんな可愛い子に誘われるなんて
(さあ、どこから巡ろうか!)

愛子||180225(title=確かに恋だった)