「起きた?」
心地よい筈の朝の目覚め直後から十秒間固まってしまった。
目蓋を開いた瞬間に見たのは、薄く笑みを浮かべたアッシュの顔。自分の知ってる『少年』の顔だった。
「ゴメン、無茶させたネ」
呼吸を止めて一秒、以下閉口。
昨晩垣間見えた『男』の顔のアッシュが過って顔をシーツと毛布の間に埋めた。
どんな顔をすればいい。向き合って寝ていた故に寝起きの顔すら晒すこの状況、今更恥ずかしいだなんだと発狂するのはカマトト過ぎる。
「怒ってる?」
寝起きの乱れた髪を撫でてくれる手が優しい。乱れた、のは―――髪だけじゃない。
掛けられた声さえ、掠れていて色っぽい。アッシュも寝起きなのか、普段と比べて相当隙だらけだ。
「……怒ってない」
「本当に?」
「しつこいと怒る」
マニキュアを塗った指は思いの外優しかったが、見た目に反して昨夜のその動きは男性的だった。
……思い出さなくていいことまで記憶が甦る。羞恥が刃物の形をしていたら自分は多分今頃死んでいるだろう。頭のてっぺんから足の爪先まで串刺しだ。
「じゃあ、なまえ。キスして」
掠れた声のそんな可愛い要求に、毛布からのろのろと顔を上げる。上げたそのままアッシュの頬に唇を落とした。触れるだけ程度のそれに、アッシュはちょっと不満そうで。
「……もっと色気のあるキスがイイ」
「うっさい。しつこいと怒る」
「そればっかだ……ネ!」
体制を変えて上半身だけ起き上がったアッシュにより、ばさぁ、と毛布が剥ぎ取られた。
毛布はそのままベッドの下に放り投げられ、床の上に広がる。肝心の、毛布の中だったはずの体は―――
「今更、嫌がっても遅いヨ?」
ひやりとする外気と、アッシュの視線に晒されていた。
そのままアッシュが四つん這い状態になり上に来る。
あのアッシュ・クリムゾンが四つん這いになるなんて、そんなこと自分にしか出来ないんじゃないかと心中だけで茶化してみても、早鐘のような心音は全く落ち着かない。
「諦めてよ」
「諦め悪いの」
「知ってた。キミと出逢った時から」
今は、この肌寒い空気の感覚を敢えて楽しむことにしよう。
「……ボクも、諦め悪いヨ?」
最初から、頬の熱はフルスロットルだ。
「………安心してよ、嫌がってないから」
「乗り気だネ?」
「そうは言ってない」
「またまた。」
どうせ、すぐにあつくなる。
終
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古藤様の10万HIT企画に参加させてもらい、いただいてきました。
見事にドのつくくらいにストライクのお話を頂戴しました…!
言葉が、雰囲気が、もうすべてが大人な世界で動悸が半端なかったです。
お陰でニヤニヤが止まりませんでした///
古藤様の10万HIT本当におめでとうございます!!
これからも陰ながらではありますが、応援しています。
本当におめでとうございます!!m(*_ _)m
ありがとうございました!!
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BOUM・BOUM」