クイズ


「荒北ー。」
「んだよ。」

1限目が終わった休み時間。荒北のうしろに座るクラスメイトの名前が声をかけた。

「クイズです。」
「アァ?」
「丸いフォルムで、色は水色、お腹にポケットが付いてるキャラクターはだーれだ。」
「ドラえもん。」
「正解ですが、のび太のママはドラえもんの事なんて呼んでるでしょーか。」
「ドラチャン。」
「せーかーい。以上。」
「ハァ?」

それだけ言って、名前は2限目の授業の用意を始めた。荒北の頭にはハテナが飛んだが、たまに名前はこうやってよく分からない事を言うので、放っておく事にした。

2限目が終わり休み時間になると、また荒北は名前からクイズを出された。

「猫で耳に赤いリボンを付けている有名なキャラクターなーんだ。」
「…キティチャン。」
「せーかーい。以上。」

3限目が終わった休み時間。

「力が凄く強くて、走る時にキーンて言って走るメガネかけたロボットの女の子だーれだ。」
「アラレ…チャン?」
「せーかーい。」
「フルッ!」

荒北はもしかして、今日は1日ずっとこれが続くのかと思った。

4限目が終わって昼休み。

「荒北、オラ…。」
「しんのすけ。」
「みさえはなんて呼んでる?」
「しんチャン。」
「せーかーい。」
「雑だナ。」
「購買行かないと!」

名前は走って行ってしまった。そこまでして何がしたいのだろうか。

5限目が終わって休み時間。次の授業で今日は終わる。

「さくらももこが描く国民的アニメでもある漫画の主人公だーれだ。」
「ちびまる子ォ。」
「たまちゃんはなんて呼んでる?」
「まるチャン。」
「せーかーい。」
「でェ?オメーは何がしてェんだ?」
「待って、次の授業が終わったら最後ね。」

6限目が終わり、担任の授業だった為、帰りのHRがすぐに始まった。
HRが終わると、荒北は呼ばれる前にうしろの名前を見た。

「苗字、最後はなんだよ。」
「この子はだーれだ。」

そう言って名前は、自分を指差した。荒北は、そこでやっと理解した。これを言わせたくて、今日1日こんなクイズを出していたのか、と。

「アー分かんねェなー。」
「えー、やっぱダメかぁ。」

残念そうな顔になる名前が面白い。もっと意地悪してやろうかと思ったが、部活があるのであまり時間がない。荒北は、しょうがないと思い、名前の頭に手をポンと乗せた。

「この子はァ、名前チャン。」
「……せーかーい。」
「また明日ネェ、名前チャン。」

恥ずかしそうに笑う名前を可愛いなと荒北は思っていた。

さて、荒北の恋は始まるのでしょうか。




2020.5.2




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