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あの日は雲ひとつない青い空が晴れ渡っていて、あちらこちらから聴こえるセミの鳴声が印象的だったのをよく覚えている。幼稚園の庭でみんなで遊んでいたときのことだ。ブランコで遊んでいたわたしはあろうことか足を滑らせてしまい、結構な勢いで顔から地面に突っ込んでしまった。強く打ち付けたせいでズキズキと鈍い痛みが広がっていくのを皮切りに、ピリピリと肌をつんざくように滲み出る赤色、周りで叫ぶ声、慌てて駆け寄ってくる先生たち。

力任せに泣き叫んだのと同時に、全身を青い炎が纏い一瞬で傷が消えたのだ。腕や足に無数にあった大小さまざまな傷が全て。何が起きたのかなんてその場にいる誰一人としてわからなくて、傷と共に痛みは消えたのに、底知れぬ恐怖に訳もわからず泣き続けた。

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