お風呂に浸かって、乳白色のお湯をぼーっと見つめる。
疲れている身体が解れていくのが分かるのに、心は重たいままで。

ビョリは、いつも凛としていて、強くて。だけどそれはあくまで取り繕ったステージの上での姿で、本当は脆くて寂しがり。
いつだって彼女と居たいけど、そういう訳にもいかない現実が擬かしい。
そう思っている内に、彼女はどんどん壊れてしまった。過剰なくらい私を縛り付けようとして、私が傍に居られない日は私じゃない誰かと過ごすようになった。

束縛されるのは構わなかった。ビョリに憧れてる子から嫌がらせをされるのも、彼女と居られる為だと思えば我慢できた。
だけど、柔らかい唇が、優しい指が、他の誰かに触れてると考えると、頭がおかしくなりそうだった。
さっき少し不自然なタイミングで切れた電話だって、理由は分かってる。

私を愛してると言う言葉も、その暖かい瞳も、嘘じゃない事は伝わるのに。どうしてこんな事になってしまったんだろう。
こんなに苦しいのに、ビョリの事だって傷付けてると分かってるのに、離れられない。
全てを我慢したらいつか乗り越えられる日が来るんじゃないか、そんな淡い期待が捨てられない私は、馬鹿だ。

ねえビョリ、私なんだって我慢する。苦しくたって良い。だから、ねえ、せめて私じゃないその子には、愛してるだなんて言わないで。