「疲れた、俺はもう寝る」
そう言い出したのが約三時間前。
あの後、晴明は牛車を出し
博雅を屋敷から送り出したのである。
しかし、門で博雅を見送ってすぐ
ふと玲を見つめ、
前に書いたように疲れた、と言う。
玲としては晴明と話に来たのに
今から寝るなど堪ったものでは無い。
故に、何かしらに言い分を探すが
都合の良いものが中々見つからないのだ。
どうしようか、そう考える玲に
鶴の一声ならぬ晴明の一声が聞こえた。
「共に寝るか」
「っか!?」
「あぁ、やましい意味では無いぞ?」
笑いを含んだ声と共にスッと肩を抱かれる。
意識したくなくとも意識してしまう程、
綺麗な胸板が腕に触れる。
なんせ、先程の事の後。
着るのがめんどうだ、と
薄い着物を羽織っているだけの晴明の身体。
仕方無いと言えばそうなるのだが、
これはあんまりである。
index
top