なつみは思わず息を飲む。
「気持ちは凄く嬉しい。でも、俺はやめておいた方がいいよ?」
「…………」
「なつみちゃんには俺みたいな奴より、もっとちゃんとした男と付き合って欲しい」
黙って聞いているなつみに「それにさ」、と品田は続ける。
「もし、俺達が付き合ったとしても俺は名古屋に帰らなきゃいけない。君はこっちにリンクスがあるし、遠距離恋愛になっちゃうでしょ?俺、恋人には近くに居て欲しい我儘な男だから……」
視線を下に落し、悲しげな顔をした品田はそれまで繋いでいたなつみの手をスッと離した。
「ごめん」
それまで、温かかった手が急速に冷えていく。
「そっか、わかった。ごめんね、いきなり変な事言って」
そう言うとなつみは早足に歩き出す。
「あー寒い。早く帰ろう?」
気まずい空気をなんとかしようと、わざと明るく振舞ってみるが、内心は涙を堪えるので精一杯だった。
帰ってすぐに、自分の部屋に直行する。
そして、そのままベッドにダイブした。
勢いあまって告白してしまった。
そして……フラれた……。
告白して、何を期待していたんだろうか自分は。
初恋は実らない……。
どこかで聞いたことのあるフレーズを、不意に思い出す。同時に涙が溢れて来た。
今日はこのまま泣き寝入りしよう。
明日、笑顔で品田に会えるように……。
豪快に鼻をすすると、なつみは布団を頭から被った。
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