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何時からだろうか、アイツの隣にいることに息苦しさを感じるようになったのは。何時からだろう、一人でいることが何よりも楽だと感じるようになったのは。



どうしてだろう、離れたら楽になると思っていた。けれど、それは私の思い違いで身勝手なエゴだった。


良かれと思って離別することを選んだ私は、相手がどういう反応をするかだなんてこの時はちっとも思いつかなかったのだ。





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―『悟、行ってきます!!』


五条は、小鳥遊が任務に向かってから少し落ち着きがなかった。それもそのはず、彼にとってあの子は特別な存在だからだ。そんな中、一緒に任務に着いていたはずの一人が教室の扉から入ってくるのが見えた。何故、彼女が隣にいないのかと聞けば、彼を見るなり真っ青な顔で歪められた表情に嫌な仮説がひとつ浮かんだ。


自分の思い過ごしだろうとその時は特に深く考えていなかったが、いつもよりも重苦しい空気を纏わせた担任である夜蛾が入ってきたことで確信に変わった。


そして、室内にクラスの全員がいることを確認し、やがて自分の方を見るなり口を開いた。そこから出てきた言葉は信じられないもので。到底、はいそうですか。と受け入れられるものではなかった。



「――今、何て?」



「信じられないのも無理はないと思うが、あと一度しか言わないから聞いておけ」



小鳥遊すずが死んだ――



その知らせを聞くや否や、クラスメイトの制止の言葉すら耳を貸さず、瞬時にそこから居なくなった。僅かな風を残して。御守りにと持たせていた腕輪の痕跡を辿って、そこから途切れるまで彼女の足取りを追った。




そして、途切れた先にあったのはバラバラに砕け散った腕輪と見られる部品と大量の血痕だった。まぁ、まずこの血の量では生きて帰れないだろう。この悲惨な現場を見て、処理班は彼女が死んだと結論づけたらしい。



少しずつ周りが彼女の死を受け入れている中、ただ、彼は最後まで認めなかった。彼にはまだ希望が残されていたから。




教室へは先程とは違い、とぼとぼと覇気のない足取りで戻った。その時、夜蛾からお前にはもうひとつ言い残していたが、と濁らせるような言葉に少し光が見えたのだ。




見えただけで、彼女が生きている証拠も何も無いのだけれど。現場には大量の血痕と腕輪の破片が散らばってこそいたが、肝心の亡骸が発見されていなかった。それはどんなに腕の立つ呪術師が捜索に出ても見つからないほどに。


その場で塵となって燃え尽きたにしろ、その現場には少しくらい情報があってもいいのだが、無いのだ。綺麗さっぱり。それが、彼女の死を受け入れられない理由と疑問が小さなしこりとなって、十年経った今でも面影を探している。



そして、あの時にはなかった想いも今でこそ抑えているが本人が生きていたとなれば、きっとその身を腕の中に閉じ込めて離さないだろう。彼女がいかに拒絶しても逃げ出してもどんな事をされても自分のそばに居てもらわないと息がしづらいと思うほどに。



そんな事が万が一繰り返されれば、彼は廃人となってしまうだろうから。