「仗助〜!起きて!今日はちゃんと行くよ!学校!」

ユサユサと、高校生にしては体格の良い全く目覚めようとしない彼を必死に起こそうとするのだが全く起きない。


「ねーえ!遅刻!」


焦って彼の体を少し強く叩くとうめき声が聞こえた。


「ンだよォ〜...##name2##か...一緒に寝ようぜ...むにゃ」

「それはずるいよ仗助!いつもの私だったら入ってた!でもね今日は本当にダメ!さすがに1週間連続で遅刻はダメ!」


そう言うと彼は狸寝入りだったのか眠そうに目をこすって起きるとベッドかは起き上がり着替えを始めた。


「ふぁ〜、寝みィ...俺も昨日は早く寝てちゃんと起きようとは思ってたんだけどよォ...」

「どーせゲームやってて寝なかったんでしょ!電話切るときにもう寝るって言ってたのに!」

そう言うと少しバツが悪そうに目をそらすといそいそと着替え始めた。


彼こと東方仗助とは家が隣の幼馴染だ。私のお母さんも仗助のお母さん朋子さんと仲が良く小さい頃から一緒に旅行に行ったりするぐらいには仲が良かった。


ずっと仲良くしていたけれど、私は仗助に恋心を抱いている。
いつも好き好き言っていたら、なんだか冗談だと思われて最初は照れていたのに今でははいはい、なんて軽くあしらわれるようになってしまった。



「オイ、##name2##なにボーッとしてんだ?具合でも悪りィのか?」


ずっと過去に思いを馳せていたらボーッとしてしまっていたらしく仗助が私の顔の前で手を振っていた。


「いや、今日の仗助の腹筋も素敵だなって!...ってそんなこといってるばあいじゃないや!髪の毛セットするんでしょ?急げー!」


「うお、びっくりした、いきなり大声出すなよなァ〜!おめェは変態なのか真面目なのかわけわかんね〜」


ぶつくさ文句を言いながら部屋を出て行く仗助の後を追いながら私はリビングに向かった。
今週は教師をしている朋子さんが何かの準備だかで朝が早いので朋子から直接仗助を起こしてと朝ごはんを作ってあげてくれと頼まれていた。
のだが、毎朝朋子さんがいないからあんな感じで私をベッドに引き込むせいで昨日まで見事に遅刻していた。
ごめんなさい朋子さん...今日こそは!って言っても今週は今日で最後の学校だけどちゃんと遅刻させないから!


パンをトースターで焼いている間にハムと卵を塩胡椒で味をつけて焼きお皿に乗っければ完成!お手軽朝ごはん!


こうやって勝手に家の中のものを使っても平気なのって幼馴染かつ家族で仲がいい特権だよね...
なんて胸を張っていると仗助がいつもの髪型でリビングに入ってきた。


「今日も髪型キマってるね!飲み物コーヒーで良かった?」

「お〜!ありがとよ!コーヒーで大丈夫だぜ!」


このやり取り夫婦みたいだな、って思ってたらにやけてしまって仗助にキモがられた。


ご飯を食べて食器を片付け家を出るとちょうど億泰が向こうから歩いて来たので声をかけた。

「おォ!?##name2##が仗助の家から出てきたぜェ?何だお前ら一緒に暮らしてンのかァ!?」

「おはよ、億泰。違うよ!私の家は隣!今日は仗助のお母さんに頼まれてラブラブ登校です!」

キャッと言って後ろにいた仗助に抱き着くとやめろって!と引き剥がされた。酷い!


億泰は割といつものことなので私をスルーして歩き出したので私達も歩き出した。

「おはよ〜!じょーすけくんッ!」

出た!!仗助ファンクラブ的な子たち!

ここには私もいるし億泰くんもいるのに!仗助だけにしか挨拶しないなんてまるで仗助しか見えてないみたいじゃない!


「で、あんたはいつまで仗助くんの隣にいるわけ?」


ファンクラブのこのうちの1人が私をキッ!と見つめながら問い掛けてきた。というよりほぼ毎朝だ。

「いいじゃない!幼馴染なんだもん!


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