モズとモズのことが苦手な女の子








「あのー、モズさん?いや、モズ様?」


「ん?何か問題でも?」


「いやー、その、なんと言いますか・・・近くないっすか?」


「お前と俺の仲じゃん。」


「いや、そこまで仲良くなった覚えは特に・・・・・・いえ!すいまっせん!!仲良しです!!!はい!!」


ひいーあっぶなぁい。モズさんの巨体&眼力に殺されるところだったぁあ!もう、なんか圧が半端ないんだよー!圧が!!

私の頭の上に肘を乗っけてくるモズさん。正直言って重い。だが、ただの後宮の小娘である私にそんなこと言える訳もなくー、というか、モズさんはトップオブトップの戦士だし。後宮にいる花のようなキラッキラな美女たちに手を出してるーっていう話をよく聞く。後宮の美女たちはそれはもう女の私でさえ目の保養になるわぁーっていうほどの美女たちばかりだから手を出したくなるのもわかるけども!でもちょっとその女ったらしの性格があまり好ましくない私は出来るだーけ彼の前では目立たないように過ごしてきたのだ。だけどここ最近やけにちょっかいかけられるわ、ちょっかいかけられるわでなんやねんと思っている。



「ねえ、俺のことどう思ってる?」


「え、モズさんですか?そうですね。目付きが怖いひと・・・・・・・・・なわけないじゃないですかぁ!!ええ、もう!!超絶優しい素晴らしい人です!!・・・って痛っ!!」


でた!理不尽!というか、不本意とはいえ一応顔で後宮入りを選ばれてる人の頭に拳骨したりするかな!?普通にやられてたら私なんて即死だから手加減していただいているのは十分に分かるのだけれど、それにしたって痛いものは痛い。


「ほんと君って、変わってるというかなんというか。」


「よ、よく言われます。」


悲しいことに不本意ながら後宮入りしてから言われることはダントツで、名前って黙ってれば可愛いのにね。なんだよぉお!悲しいよ!ほんとに!涙出てきそう。ううっ、てかまだズキズキするんだけど。か弱い乙女だーってこと理解してくれてるんだろうか、この人は。


「それに、ここまで俺に話しかけられておきながら全く期待しないどころかどうにか逃げようとする女の子なんて、珍しくてしょうがないよ。」


「あ、あはは。」


バレてるーー!モズさんから全力で逃げたがってるのバレちゃってるーー!怖ー!やっば。殺されちゃったりする?今まで上手く隠し通せてると思ってたのにー!

ニヤリと妖艶な笑みで見つめられる。いや、なんのフィルターもなしに見たらイケメン!かっこいい!ってなるんだけど、それだけじゃなくてなんかこう、背筋がゾクッとした。怖い怖い。


「あぁ、大丈夫。名前ちゃん、顔は美人だから殺したりはしないよ。」


ぐっと頭を鷲掴みされ、顔を覗き込まれる。近いです近いです!そして、頭がもげる!


「それよかさ、俺ともっと楽しいことしない?」


ね?と耳元で囁かれる。


「・・・・・・い、いやいやいや!他に可愛い子いっぱい居るじゃないですか!」


「そういう所だよね。変わってるとこ。」


私の身長に合わせてかがんでいたモズさんはすくっと立ち上がった。頭に乗っかっていた重しのような手も退けられる。よかった。私への興味を無くしてくれたみたいだ。もうこれでモズさんにちょっかいかけられることもなく私の平穏な生活がスタートすーーーー


「まあ、だから尚更ちょっかいかけたくなるんだけどね。」


あれ?嘘でしょ。


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