「おめでとうございます!!!」
少しだけ食い気味に、でもとても素敵な笑顔で見送られて、私たちはそこをでた
「…んふふ」
車に乗り込み、思わず漏れた笑み
「岡田、だって」
准「ん?」
「夢みたいだなあ、って思って」
准「それはこっちのセリフ」
私の左手の上に、そっと准くんの手が重なった
「窓口の人、びっくりしてたね」
准「まあ、こんな時間だしね…」
「でもおめでとうって、んふふ」
准「みんなにもちゃんと報告しないとね」
「うん、後で電話しようか」
准くんを見れば、私と同じようににこにこしていて、幸せな気持ちになる
「お誕生日おめでとう、准くん」
准「もう聞いたよ、今日そればっかだね(笑)」
「何度でも言わせてよ、…でも、誕生日プレゼントがこれでよかったの?プレゼントとは違う気がするんだけど…」
准「いいの。今年はこれで」
「でもさ…」
准「ありがとう、まりな」
「え?」
准「俺と結婚してくれて」
「こちらこそ、…ありがとう」
重ねられた方の手をくるりと上にして、ぎゅっと握る
「これからも、よろしくね?」
准「だから、それも俺のセリフ」
「んふふ」
准「…なあ、キスしてええ?」
「…いいよ」
甘えたときに出てくる関西弁に愛しさを覚えながら、ちょっとだけ身を乗り出して目を閉じる
11月18日、私は岡田まりなになった