「ただいま〜」


24時間のラジオのあとファッション雑誌の仕事を終え家に帰る。ほんと、世の中のクリスマスムードを実感したのはラジオの中だけだ


准「おかえり」
「…起きてたの?」


准くんもラジオの後撮影だったはずで、だから帰ってるとしたらてっきり寝ているものだと思ったのに。リビングに入ると、准くんがソファに座って台本と向き合っていた


准「お疲れ」
「准くんもお疲れ様」


荷物を置いて部屋に戻ると、いつもどおり手招きされたので素直に隣に座る
さっきまであった台本は既にしまわれてる


「台本いいの?」
准「大丈夫。まりなは眠くない?」
「ちょっと仮眠とったから平気」
准「じゃあさ、お願いがあるんだけど」
「んー?」

准「俺とクリスマス過ごして」

「んふふ、なにそれ(笑)」


お願い、なんていうから何かと思ったら
聞こえてきたのは甘えた声


准「いいやん、たまには」
「たまには?」
准「たまには」
「実はね、美味しいもの作る準備してあるんだ」
准「え?」
「ちょっとだけ、期待してた」


結婚して、はじめてのクリスマス。お互い仕事だってわかってるけど、何かできないかなって、贅沢だろうか


「今日は私の彼氏でいてくれるんでしょ?」
准「…いつでもなったるよ」


准くんの腕が私を抱き寄せた


「遠慮しまーす」
准「えっ…」
「だって旦那様でしょ?」

准「…そうでした」


ふんわり、頭を撫でてくる手に甘えながら顔だけ准くんに向ければ、小さく笑ってる

ああ、ほんと、幸せだ


「ごはん、作ってきていい?」
准「…もうちょっと」
「はいはい(笑)」