西支部予選後
4月に入り、2年生になった彼らは大会があった。
開催は隣町。全国大会出場をかけた大会、結果は泰聖がダブルスとシングルス共に全国大会へ、他にも泰聖とペアの野川先輩や、シングルスでは滝下先輩も全国行きが決まった。
…の、後に新2年生4人が南市の飲食店へ集まったようで。
陽介「ここ薫先輩からおすすめされた店なんだよね」
宏斗「薫先輩って小学生までここ住んでたんだっけ」
陽介「らしいよね。」
彼らの2つ上の先輩、薫先輩が小学生の時に住んでいたのがこの地。陽介が春休みに先輩と遊んだ時に、今回の大会が南市ということを言い、その時におすすめの店を教えてくれた。それがこの、洋食店だったりする。
陽介「ここの店の人の子供が、北宮高校だった岸さんらしいよ。」
泰聖「え、あの岸さん?」
陽介「そうそう!」
どうやら薫先輩の友達の親がやっているお店らしい。先輩は昔からこの店が好きで、何度か帰ってきた時は必ず立ち寄っていたらしい。
泰聖はオムライスを頼み、宏斗はシーフードカレー、陽介はカツカレーで、玲一はミートスパゲッティを頼んだ。
泰聖「そういえばさ、南聖中の近くにあるパスタ屋あるしょ?パスタTimeってとこ」
玲一「あー、人気だよねあそこ」
宏斗「俺この前つぐみと部活帰り行ってきた」
泰聖「え、どんな感じ?」
宏斗「普通に美味かったよ。店内もオシャレだし、店員さんもフレンドリーだった。」
ちなみに宏斗がつぐみと行ったのはつい三日前の話らしい。
陽介「てか今日つぐみと七星やっぱり来たよね」
泰聖「まあ、今回つぐみは強制じゃなかったからね、七星と来たかったろうね」
今回の大会、つぐみと七星も見に来てたようで。
宏斗「つーか玲一にずっと聞きたいことあったんだけど」
玲一「なんすか」
宏斗「お前七星にキスしたってまじ?」
玲一「なんでてめえ知ってんの」
宏斗「本人が言ってた」
玲一「うわー、まじかよ」
どうやら広まってたようで。玲一くん、ドンマイです。泰聖は玲一から聞いていたようで。
陽介「え?なに?話に追いつけない」
泰聖「今言った通りです。」
陽介「は?え?お前やるな。」
玲一「雰囲気に流されんだわ!!」
まあ、玲一本人もしたことに後悔しかないみたいだが。
玲一「でもちゃんと別の日にまた謝ったから!」
宏斗「まあそんな嫌ではなかったみたいだしね」
陽介「うわ玲一顔真っ赤」
玲一「うるせー」
泰聖「宏斗の次はこいつか、恋に悩める男は」
この中では最近つぐみと付き合った宏斗と、半年前から彼女のいる泰聖の2人がリア充だ。
宏斗「てか陽介って川岸先輩からよく話聞いてない?」
陽介「あー、うん、何でだろうね、面白いからいいけど」
泰聖「川岸先輩のほうは玲一のこと気づいてるの?」
陽介「本当に最近薄々と気づき始めてるみたいよ。俺はまだ聞いてないけど、野本先輩が昨日ラインで言ってきた。」
と、陽介は野本先輩とのラインをみんなに見せる。
宏斗「玲一って七星ちゃんのことどう思ってるのか知ってるか聞かれた…だって」
陽介「なんか、春休み入ったぐらいから玲一の様子がおかしいみたいなこと気づいたみたいよ。」
玲一「俺がテンション下がってたのバレバレだったか」
陽介「もしかしてそのキスやら」
泰聖「玲一その次の日からテンション低すぎだから」
川岸先輩も分かりやすいが、玲一も十分分かりやすい男である。っていうのが、今回分かったことだな。
泰聖「てかまず玲一はまだ何も言ってないのに柊弥が、あいつの様子おかしいって思い始めてたから」
玲一「んでその前の日に会うって話柊弥にはしたもんな」
宏斗「決定的な流れだなそれ」
陽介「柊弥も薫先輩並にそういう話大好きだよね、昔っからだけど」
柊弥は人の恋バナには必ず耳を向ける。本人も結構恋愛経験はあるようだし、気づけば兄に続く西星のソフトテニス部の恋愛相談係になっている。あの永井先輩でさえ柊弥には話しているぐらい。
陽介「ところで宏斗さん?」
宏斗「な、な、何でしょうか」
泰聖「付き合ったら付き合ったでラブラブだよね宏斗たちって」
宏斗「ごめんそれ泰聖にだけは言われたくなかった」
玲一「2人とも似たようなもんだろ」
先月つぐみと付き合い始めた宏斗。家が近いからよく互いの家に遊びに行ったりとかしてるみたい。
泰聖「でも宏斗なんかもっと前から付き合ってたように見える」
陽介「あー、表面はいつもと変わらない」
宏斗「なんだよ表面って」
玲一「俺らの見てないところではラブラブしてるから」
宏斗「あ、そういうこと」
たしかに、まだ1ヶ月も過ぎてない。昔から仲良い2人だし、だからなのかも。
陽介「お前らはそういう元から親しい女の人とかいるからいいよね」
と急に言い出す。
泰聖「お前も話す女子ぐらいいるだろ」
陽介「いやみんなどうやって恋愛に発展していってるのか謎だし」
どうやら陽介は告白して振られた経験しかないみたい。
陽介「どーしてみんな積極的に動けるのかなーーって」
玲一「意外と積極性のない陽介くん?」
陽介「俺多分女子の前でヘタレ発揮してるわ」
泰聖「んな今更な」
陽介「いや気づいてんなら先に言ってくれ」
宏斗「振られた経験しかないとこうなるのか…」
陽介「馬鹿にしてんな?告られたことしかない奴が??」
宏斗「付き合う前は告白は俺からだわ!!」
騒ぎながら言った宏斗。結果、赤面。
泰聖「宏斗ってすぐ顔赤くなるね」
宏斗「本当になんでだろうね」
すぐ顔真っ赤にする宏斗くん。
店を出て4人はすぐに電車に向かう。
泰聖「南市での遠征久々だから電車移動も久しぶりな気がする」
陽介「高校入ってからバス移動多いしね」
宏斗「つーか中学以来じゃね?」
西星高校は基本どこの部活も人が多いと学校のマイクロバスを使って移動する。でも今回はバスは卓球部とバドミントン部が使ってて使えなかったみたいで。
玲一「久々に同い年だけで飯ってのもいいね」
陽介「たまにはね、まだ気は楽だし」
基本テニス部は先輩後輩関係なく外出してる。だからこの学年はあまり学年で集まることはない。特にこの、工業科2人もいるということが。
泰聖「って、川岸先輩主将の代が終わるのもあと早くて2ヶ月、遅くて4ヶ月か…」
陽介「その遅くて、にかけたいね」
玲一「インターハイ、」
宏斗「3人とも頑張れよーインハイ予選。」
陽介「宏斗の分も頑張るか」
宏斗も県大会常連選手だし、地区大会でも小谷先輩と組んでベスト4に入るが、実はこの4人の中で唯一、レギュラー入りしていない。
宏斗「つーか俺ら全員、今って先輩と組んでるわけじゃん。引退したらどうなるんだろうね」
玲一「俺は野本先輩、泰聖は野川先輩、宏斗は小谷先輩、陽介は川岸先輩…だね」
陽介「俺のペア誰になるんだろうな*、でもぶっちゃけこの中だと泰聖しか組んだことないね」
宏斗「去年の秋季大会俺と組んだの忘れた?」
陽介「あ、忘れてた、すまん」
この4人中、3人が後衛。前衛は陽介のみ。陽介と泰聖は同じ中学で、普段は違う人と組んでたがたまに組んだことがあったり、中3の国体地区予選では組んで地区優勝したらしい。
今年1年、夏からはこの子たちが部活を引っ張る立場に上がる。何事にも全力で、向き合って、頑張ってほしいですね。