幼馴染トリオ
大会が終わる時に、瑛太は翔に会った。
釜川高校のキャプテン、丸澤翔は中学生になるまではさくら市に住んでいて、そのまま引っ越さずに中学に上がれば第二中だったのだ。
今回の大会には出場しなかったが見に来ていた瑛太は、そこで会った翔と急遽遊ぶ約束をしていたのだ。
翔「で、結局俺がこっち来るハメに」
瑛太「良いじゃん別に」
今日の大会の開催地は翔の住んでる地区だったのに、何故かさくら市にやってきた。
瑛太「つーか、お前さ、どれくらいの頻度で美南に会ってるの」
翔「今は月イチとかだけど、もう受験生だからなーって。」
瑛太「うわ進学校発言出た」
翔「うるせー」
釜川高校は進学校なのだ。
翔の彼女は、引っ越す前の小学六年生の時から付き合ってる美南。かれこれ6年付き合ってるのではないか。彼女の高校は桜樺高校で、これまた二人とも進学校に通っている。
翔「瑛太は進路決まってんの」
瑛太「今のとこ進学だけど、でもまだ迷ってる」
翔「進学するとしたらどこ?」
瑛太「んー、今のとこは西星大の会計」
翔「なるほどねー、」
瑛太「お前は?」
翔「一応希望は教育大の英語科なんだよね」
瑛太「お、英語の先生になるの?」
翔「なりたいなーって」
翔くん、進学校の中でも成績はかなり上のほうで。
瑛太「つーかお前こっち戻ってくんの」
翔「戻るっていうか通うっていうか分からないそれは」
瑛太「翔のとこからだとこっちまで通いづらくない?」
翔「たしかに、高校までも遠いもん」
瑛太が前に、翔の今住んでるところに遊びに行った時、交通の便が悪すぎて時間かかるな、と思ったらしい。南市の中心から遠く離れたところで、たしかに、電車も1日の中でもあまり通っていないらしいが。
瑛太「そうだ、すがぬー彼女できたの知ってるの?」
翔「あいつのツイッター見てれば分かるわ」
瑛太「俺ら3人みんな彼女いる説」
翔「瑛太はともかくすがぬーはびっくりだわ」
瑛太「んっとにな、しかもあいつ隠してたからな。俺が見つけたから広まったけど」
翔「あ、元凶お前か」
瑛太が先月に出かけてる時に、すがぬーこと碧斗が女といるのを見たらしい。
瑛太「噂をすればすがぬーから暇ライン来たわ」
翔「え、あいつ誘お?」
瑛太「そうしようか」
どうやら碧斗は街中にいたらしく、すぐに合流。あら、3人全員部活の格好をしている。
碧斗「翔もいるとか知らねえし」
翔「俺すがぬーに聞きたいこと沢山あるんだけどなーーー?」
碧斗「はいはいわかったからそんな近づかないで」
この3人は小学生の時に同じクラスで気の合った3人。3人とも中学からテニス部に入ってるのも、偶然ではなく、約束があったからなのだ。
元々3人で、中学に上がったらテニス部に入ろうと約束をしていた。
でも中学に上がると同時に翔の転校が決まる。その時に、中学でテニス部に入って、大会で会おうという約束をしていたのだ。まあ、瑛太が怪我で後半ほとんど部活にいなかったため、あまり3人が揃うことはなかったが。翔は中学時代から県大会常連選手だ。
瑛太「つーか俺もすがぬーに会うのあれ以来だから話聞きたい」
碧斗「それ目的で呼んだのかよ」
翔「まあ半分以上はそれ」
でもちゃんと教えてくれるのがすがぬー。
瑛太「俺の彼女がすがぬーの彼女と同じ中学らしいけどヤリマンだったんでしょその子」
碧斗「そうだよ。まあそんなの別に気にしないけど」
翔「そういう君はどこまでいってるの」
碧斗「その噂通りご想像にお任せします」
翔「あ、理解理解」
瑛太「俺ら3人みんな大人になったな」
碧斗「その遠まわしな言い方」
瑛太「まあ翔は中学の時にとっくの間に済んでるけど」
翔「まあ、先輩って呼んでくれ」
碧斗「今じゃみんな変わんないって」
瑛太「それは言えてる」
みんな大人になりましたね。そういう意味では。
でも今まで恋愛なんてする要素もなかったすがぬー。何故付き合うまでに発展したのかを2人は聞く。
碧斗「仲良い女子だったからね、結構2人で遊んだりとかしてたから。家で遊んだ時に色々とノリでしてしまったもので。それで付き合った」
翔「んー、意外なのかお前らしいのか」
碧斗「どっちでもいいわ」
瑛太「なんでもノリなところはすがぬーっぽい」
碧斗「って言われちゃ俺、ノリで生きてるみたいじゃん」
翔「実際そうじゃね?」
碧斗「…何も言えねえ」
とりあえずノリで何とかなってたり、ノリで人生変わったりすることが多々あるのがこの人らしい。
翔「でも幸せそうならなんでもいいわ」
碧斗「まあ、幸せですよ。」
瑛太「ダブルデートとか楽しそうだけど、七葉あいつ嫌ってるもん、すがぬーの彼女」
碧斗「確かに海夏も言ってた。佐伯七葉だけは本当に無理って」
翔「そりゃダブルデートは無理だな」
瑛太「中3の時にクラス一緒で最初は仲良かったけど色々あったらしいよ」
当時七葉が付き合ってた彼氏と、七葉の知らないところで関係を持っちゃっていたらしいのが海夏ちゃん。そこで2人は大喧嘩してそれっきりらしい。元から2人はお互いに思うことあったようで、その時に思ってたことが爆発したみたいだが。
瑛太「だから俺もわりと女友達多いから、そういう心配ばっかされるんだよね」
翔「そりゃ中学の時のことトラウマきてるでしょうね」
碧斗「てか俺その話藍斗に聞いたけど瑛太の彼女のことだったんか。その相手、藍斗の仲良かったサッカー部の人なんだっけ」
瑛太「華月も仲良かったって言ってたよ。俺この話、七葉と付き合ったばっかの時に華月から聞いたし」
女の恋愛トラブルって怖いですね、なんていう結論に達した3人。
翔「俺んとこもテニス部のマネージャーいたんだけど、友達…つーか村澤と仲良かったんだけど、女子部員に村澤の元カノいるんだけど、色々とモメてマネが辞めたってのは去年あった。」
釜川高校のソフトテニス部は学校の部活としては男女分かれていない。だからなのが一番大きかったらしいが。
瑛太「話戻すけど、すがぬーって結局いつから彼女いるんだっけ」
碧斗「2月のねー、推薦入試で学校休みだった日。次の金曜日で2ヶ月になりまっす」
翔「あらおめでとう」
碧斗「ありがとうございますね。」
って言うけどなんだかんだ幸せなすがぬー。春休み中にも、プリクラを撮ったみたい。
瑛太「つーか俺会ったのこの日じゃん」
碧斗「そうだよ、そしてお前がツイートするからバレたし」
翔「それで諦めて自らツイートするすがぬー可愛い」
碧斗「バカにすんな」
春休みの初日に、すがぬーは部活終わりに海夏ちゃんと遊びに行くが、その時に会ったのが瑛太。すがぬーたちが2人で外出するのはこの日が初めてで、それまでは家であったり、夜に会ったりとかしていたらしい。この話、2人と同じクラスですがぬーと仲の良い男の子しか最初は知らなかった。
碧斗「って結局俺の話しかしてないじゃん」
瑛太「いいよ翔が話しても」
翔「瑛太てめえは自分の話しねえのかよ」
瑛太「翔の話聞いてからする」
翔「んっとに、せこいなお前」
こういう時だけずるいことをする瑛太くん。
碧斗「小学生の時から別れることもなく続く人翔しか見たことないけど」
翔「んー、何でこんなに続いてるのか俺もわからないし俺でも凄いと思う」
小学6年生の夏からずっと美南と付き合っている翔。美南も中学からソフトテニス部で、今も桜樺高校の女子ソフトテニス部の主将なのだ。
瑛太「しかもずっと遠距離でよく続くよねほんとに」
翔「んー、遠距離だから続いたんだと思う。でも2人とも携帯持ってて連絡できたからかなーって」
碧斗「携帯電話の利点」
翔「でも俺こっちの大学行きたい理由も美南が進学するからだし、俺も大学からはこっち戻るから。」
瑛太「まさかの同じとこ行くつもり」
翔「学部は違うよ?」
美南の希望学科は国語科らしい。翔は先程英語科を希望していると言っていたが。
碧斗「俺のペアも中3から続いててラブラブでね、続く人は結婚もするのかなーとか思うのよね」
瑛太「翔お前ここで別れるなよ」
翔「大丈夫、大丈夫だからきっと」
碧斗「翔と美南なら大丈夫か」
瑛太「結婚ねー、もう高校三年生だもんなー」
碧斗「瑛太はどうよ?」
瑛太「くそー、俺に話持ってくの早いってー」
そんなに自分の話がしたくない様子の瑛太。仕方ない。
瑛太「んーでも、正直、今はいいけど、高校卒業してからどうなるのかなーとは思う。今は同じクラスだけど、希望進路も違うし。俺自身は続くようにしたいけどね。」
碧斗「彼女の進路どうなの」
瑛太「就職。で、俺が4大行くからさ。」
翔「なるほどそういうことね」
4年はかなりの月日だ。何があるか分からない。2人の身にも。
碧斗「とりあえず、みんな頑張ろうや」
瑛太「すがぬーもね」
碧斗「この中では1番リア充歴短いからな俺」
この後、プリクラ撮ったりご飯食べたりして翔は帰って行った。次は県大会で、会えると良いね。