瑛太の相談






大会2日前の部活なのに、瑛太は部活に最初からいなかった。

瑛太なら遅れる時休む時は必ず司か春太に連絡するし、そもそも今日の部活は昼からだし、朝は春太とラインもしていたから起きてはいるのだ。

瑛太は途中から来るが、今にも泣きそうな、いや、泣いた跡のある顔をしている。



部活終わり、その瑛太の様子に気づいていた優聖が春太のところへ。

優聖「もしかしてあいつ七葉となんかあった?それしか考えられなくね?」
春太「まー、そうだよね。聞いてみるか。」


と、瑛太のところへ行ったこの2人。


春太「瑛太ー、ちょっとー」
瑛太「あ、はーい。今日部活遅れてすまん」
優聖「何かあったの?すっごい辛そうな顔して部活やってたけど」
瑛太「…お前ら流石すぎるわ。」

と、瑛太は突然春太に泣きついた。


春太「いや、本気でどうしたの?!」
瑛太「…振られた」
優聖「部活遅刻の理由もそれ?」
瑛太「そうです、すいません」

と、春太は瑛太の背中をさすった。

そりゃそうだ。瑛太が初めて本気で好きになった女の子で、初めて色々なことを経験して、初めて様々なことでぶつかり、幸せを共有できた女の子だ。


瑛太「マジで今誰でもいいから話聞いて欲しい」
優聖「聞きたいところだけど俺これから予定が…」
春太「可鈴付きで良ければこのあといいよ?」
瑛太「可鈴さえ良ければ是非…」


というわけで、元々春太は彼女と遊ぶ予定だったが、瑛太の話を聞くことになった。


可鈴も部活終わり。東商のバトン部は9月に行われる定期公演で引退だそうで、今は依頼公演と定期公演に向けて部活をしているみたい。


可鈴「んで瑛太はどうしたの?」
瑛太「振られた」
可鈴「はぁ?!なんで?!あんなラブラブだったのに!」
瑛太「表向きはね。でも俺ら結構合わないところばっかだよ。俺はそれでも好きだったけどね。」


7月に入る前に大喧嘩して別れ話になってそのまま、教室でも話さず学校祭も行動せず、このままじゃダメだと思った瑛太は今日の午前に話をしたいと七葉を呼ぶが、結果向こうが瑛太のことを振ったみたい。


春太「てかなんで大喧嘩になったのさ」
瑛太「あいつわりと自己中なところあるからさ正直、我慢しきれなくなった俺が原因さ。本人も分かってはいるけど行動する時は実際無意識だから余計に」
可鈴「いやだから理由は?って」
瑛太「正直言うと異性関係。ってくだらないことだけど。人に女子と仲良くするなって言っといてあいつは同じ中学の男と遊んでるからね。」

ちなみに瑛太はその場に偶然遭遇した身だ。本当は遊ぶ日だった日の夕方、瑛太は司と大会終わりに駅前にご飯を食べに行ったら。智が試合に出れなくなって瑛太が代わりに出ることになってしまったのだ。しかもそれは記念日だったりする日。


可鈴「そりゃあまあ、瑛太の言い分は分かるわ。」
春太「でも異性関係の話は俺も正直思ってたよ、七葉ちゃんのインスタとか見てたらさ」
瑛太「そういところ無意識だからさ。でも好きだから関係は続けてたよ?」
春太「でもなんでそれで瑛太が振られなきゃならないの?」
瑛太「多分これ聞いたらイラってするよ二人とも」
可鈴「そんなひどいの?」
瑛太「酷いっていうか…」


瑛太も言われた時イラッとはしたみたいだが。


瑛太「俺に合わすの疲れたし、俺に我慢させたくないって。」
可鈴「え、それ七葉が言ったの?」
瑛太「まあそうなるよね。」
春太「だって喧嘩とかあんましてないんでしょ?本音言い合えてた?」
瑛太「言い合えてはなかったかな、七葉の話は聞いても俺は話せなかったな。だからそこから合わないとかなとはつくづく感じてはいた。」


瑛太は付き合って1年経った頃くらいから正直心の迷いはあった。でも好きなものは好きだ。好きな気持ちの方が強かったんだろう。


瑛太「んで振られてから俺の思ってたこと全部言ってきた。最初から言ってればこんなことならなかったかなって思ったけどさ」
春太「…まあ、どっちが悪いとかじゃないけどさ、瑛太あんまり自分責めすぎないほうが良いよ。トラウマになって恋愛できなくなるから」
可鈴「これは春太経験談」

春太「でも俺それからあんま自分のミスとかあまり責めないようになったよ?」
瑛太「春太みたくなれるといいなー。って」
春太「ん?」
瑛太「いや。性格変えたいなって」

と、可鈴は突然瑛太のことをはたいた。


可鈴「自分らしく生きろ!その自分をちゃんとわかってくれる人と付き合いなよって!」
春太「まあ実際付き合わねえと分からないけどな。」
可鈴「あとはお互いに歩みあって行けるかじゃない?私と春太だって、中学の時ひどかったよ」
春太「結果互いのことあまり信用してなかったよね中学の時」

春太と可鈴は、中学の時に色々あったからこその今がある。別れて一年半ほど経ってもう一度付き合い、今は喧嘩もあまりなくラブラブなんだから。


可鈴「でもまあ、好きだったんでしょ?」
瑛太「うん。」
可鈴「お疲れ様、しか言えないよ私は」
春太「そうだね。」
瑛太「ありがと。」


話し終わると瑛太は泣き始める。瑛太は人前で泣くことは滅多にない。春太だって、瑛太の泣いている姿を見たのは団体戦で負けた時ぐらいだ。

春太「多分こういう別れ方だと、心は不安定になると思うけど、構わず俺らのとこ来ていいからね?」
可鈴「人に話すのが1番楽だと思うよ。」
春太「ましてや明日明後日大会なんだし」
瑛太「本当にありがと2人とも」