カミングアウト
日曜日、この日は一般の大会があり、それぞれお疲れの中、そして周りは市民祭という市内の1番大きいお祭りに行く中、この4人はご飯を食べに行く。
歩夢「ってまあ、お前は昨日ラブラブしてたみたいだけどな。」
哉斗「うるさいでーす」
歩夢「柊弥先輩が全部写真送ってくるもん」
道哉「えー見たい」
修太「そもそも学祭でも手繋いで歩いてたじゃん千葉」
哉斗「うーわ見られてたのか」
修太「普通に目に入るわ」
と、歩夢は柊弥先輩から送られてきた写真を皆に見せる。
哉斗「いや見せんなってー」
道哉「幸せそうに歩いてんな、手繋いでさ」
修太「千葉ってさ、非リアになったと思えばすぐに彼女できたの腹立つよね」
歩夢「それな」
実際哉斗が元カノと別れたのはほんの数ヶ月前の話だ。
哉斗「長江と恋バナしたあの日が懐かしい」
修太「あの時は俺も彼女いたっけ」
哉斗「大会終わりに南公園わざわざ行って話してたよね」
ちなみにこれは彼らが中3の夏の話だ。修太は中2の終わりから中3の秋まで彼女がいたことがある。
道哉「みんなどうしてそんなすぐに彼女とかできるのさー。」
修太「親しくなる意外何も無くね?」
道哉「まあそうなりますよねー。」
と、道哉は何かを言いたそうにしている。
歩夢「ん?道哉好きな子いんの?」
道哉「いる。」
哉斗「うわー初耳」
道哉「前までは恋愛経験なし野郎演じてたけど実際片想い歴半年」
歩夢「それは早く言えや」
今まで先輩たちと一緒に恋バナした時も、恋愛未経験と言い張っていた道哉だが実はそれは嘘。
道哉「だって言えない事情があるんだもんー、特に星華の人の前で言えないことが」
修太「この中に星華の人いないよ?」
道哉「じゃあ誰にも言うなよ??」
道哉は少し声を小さくして、こう言う。
道哉「俺の好きな人、一応彼氏いるんだけど、浮気みたいなことしてるの。俺と。」
言ったあとに、誰にも言うなよ!と何度も言いまくる道哉。めちゃくちゃ可愛い笑顔で言ってきたが、他3人は言葉も出ない。
道哉「んで星華の人に言えない理由ってのが、その女の子の彼氏が星華のテニス部の先輩なの。あ、女の子は同い年。テニス部じゃなかったけどね。」
歩夢「いやその彼氏誰だよ」
道哉「陽介先輩とペアだった新堂先輩って言ったらわかる?」
哉斗「あ、ってことは生田真緒?」
道哉「せいかーい。」
道哉と同じ中学の部活の先輩、新堂有希先輩の彼女である女の子が真緒のこと。新堂先輩は東商で高校からは硬式テニス部に入っていて、軟式をやっていた中学時代の新堂花田ペア、個人戦で全中手前で敗退した経験のあるペアだ。
修太「千葉知ってんの?」
哉斗「ってか西星じゃない?」
道哉「うん、商業科ねー。」
歩夢「まさかの西星生」
道哉「だからこんなに親しくなっちゃった感あるんだけどね」
ちなみに真緒ちゃんは西星の1年生の中でもわりと有名人ってぐらい目立つタイプ。見た目は清楚系だが、わりとやんちゃなことするようなタイプ。髪の毛も染めた跡あるし、化粧でよく怒られる。1部からは清楚系ビッチと呼ばれてたりする。
と、道哉は事の経緯を皆に説明する。
道哉「幼馴染みたいなもんだし元から仲良い方だったんだけど、そこから関係深まっちゃって後戻りできなくなったのも続いちゃってる。まあ、俺のせいだけど。」
歩夢「俺のせいってどういうこと?」
道哉「ヤった」
哉斗「あ、ああ…はい?」
修太「浮気のレベルが本当に浮気だった」
道哉「真緒も最初はそこまでやるつもりなかったんだけどじゃれあってたら俺がその気になっちゃって勢いで。まあそれが全ての始まりだね。」
ちなみに全ての始まりの日は冬休みの話。それから定期的に、いや最近では頻繁に、会っているとのこと。
道哉「新堂先輩の彼女なのは最初から知ってんだ。でもそんなことあって恋愛感情に変わっちゃったし、真緒も彼氏いながら俺といる状況面白がってるし、俺らクズだねーってことで気が合ってる」
哉斗「でも真緒ちゃんツイッターとかインスタでは新堂先輩との写真普通に載っけてるよね、昨日もお祭り行ったとか」
道哉「まー、俺とこうしながらまだ付き合ってるぐらいだしね。そっちはそっちで縁切らないみたい」
実際に真緒ちゃんの身体についているキスマも新堂先輩のものだし、道哉はそれを分かっているから跡等は何も残さない。ノリで色々始まって道哉と真緒は関係持っちゃったけど、真緒側は道哉のことを正直どう思ってるのか、それは道哉も分からない。
修太「道哉もう裏ありすぎ人間だな」
歩夢「笑顔の裏には恐ろしい事実が…」
道哉「これだから俺性格悪いって言われるんだなー。」
哉斗「性格も悪いし腹黒いし」
歩夢「ゲスいな」
道哉「良いことないよね俺。あははー」
修太「道哉のこういう時の笑顔も怖いもん正直」
歩夢「小学生の時の純粋な心はどこいったー?」
この4人は小学生の時からの仲だ。昔の彼らのことも知っているが、昔の道哉はこんな性格してなかった。と皆は言い張る。
道哉「でも正直、これ以上このままだと、本気で真緒のこと奪っちゃいそうなんだよなー。」
修太「でもそれも道哉の恋ってことじゃん」
道哉「そうだよねー。」
歩夢「告白はもうしてるの?」
道哉「告白っていうか、それっぽいことは言ってはいるけどね。」
形はともあれ、好きならば恋なのだ。
道哉「まあ、もうちゃんと告白してでも終わりにしなきゃとは思うけどさ。結果はどうであれ、この状況をさ。」
哉斗「まあつまり、成功すれば成功、失敗すれば失敗って二手に分かれるのか」
道哉「うん。それは俺が決めることじゃないし。」
修太「そういうところはちゃんと考え持ってんのね」
歩夢「そういうところはね」
道哉「うるさーい」
何だかんだ言われてるけどそれなりの考えはちゃんと持っている道哉。振られる覚悟のほうがしているみたいだが。
道哉「夏休みぐらいには、かな。」
歩夢「あ、告白するの?」
道哉「いやそろそろ自分の気持ちにけじめつけたいからさ。むしろ振ってくれたほうがありがたいけどさ」
哉斗「んーまあとりあえず、大事にならないようにな」
修太「道哉なら大丈夫だろ、そういうところだけ頭良いし」
道哉「秀才の長江に言われちゃあ何も言えない」
道哉が3人に話して、結果がどうであれ3人とも道哉を応援してくれている。道哉も良い友達を持ったなと思うと同時に、もっと早くぶっちゃけるべきだったと思ったみたい。