最後の県大会前日
3年生最後の県大会の開催地は市内。というわけで前の日の部活終わりに、春太と優聖はご飯を食べに駅前へ。
春太「最後の部活帰りの寄り道になるのかー。」
優聖「あっという間すぎたよね」
明日からの大会で彼らは引退。春太は出れる大会はまだ残っているけども。
駅前のデパートの中に入り、レストラン街をうろつく2人。何を食べようか迷いどころ。
と、同時に、ソフトテニスの集団が沢山見える今日の駅前。そりゃそうだ、市外の人はこの近辺のホテルにいるんだもん。とそこで、春太は知り合いを見つけた。
春太「あー、もしかして」
健斗「わー見つかっちゃった。」
大和「まさかこんなところで会うとは」
星の里高校のソフトテニス部である、健斗と大和を見つけた。2人も、どこで夕食を食べようか悩んでいたところ。
春太「とりまインハイお疲れ」
大和「ありがとよー!一緒に行きたかったなー?」
春太「うるせえあと一歩で負けたんだわ」
健斗「あれ長島野川ってどこに負けたんだっけ」
春太「インハイ掛けで朔田谷田」
健斗「知ってる、見てた」
春太「いや、うぜえわ」
笑いながら思い出話をしている3人。春太もいつのまにこんな仲良くなってんだか。
優聖「やっぱテニスの人多いよなー今日」
春太「あの集団だって、西の森産業の人達じゃない?」
優聖「あー見たことある。」
と、見渡せばわりといるテニスの人。
健斗「永井くん、俺永井くんと話がしたかったの!!」
優聖「え?!どうしたの?!って中藤くんだよね?」
春太「ごめん、優聖の好きな子のこと俺と泰聖で喋っちゃったの」
優聖「おいお前」
健斗「や、春太以外からも聞いてるから大丈夫。」
春太「あー、例の子だ」
健斗「そう、例の子」
春太と泰聖は前の遠征の時に星の里高校との強化練習をした際に話していて、その後にはお互いの恋バナも通話で話してたようだ。
大和「俺もさっきバスの中でぶっちゃけられたからびっくりした、健斗の話」
春太「そっかもうバドってインハイ終わってるからこれから大丈夫なのか」
健斗「まあ入れ違いに俺が大会なんだけどね」
何の話かというと、健斗と仲の良い女の子ととの関係の話。
優聖「まって、もしかして」
健斗「谷川のぞみ。永井くんの話も少しのぞみから聞いたよ」
優聖「やっぱり?前汐音と会った時いたんだよね。中藤くんの話してたわ」
健斗「聞いた聞いた。永井くんのこと褒めてたよ、あの人には汐音を任せられるって」
優聖の好きな女の子、汐音のバドミントンでのペアが健斗が仲の良い女の子、のぞみのこと。このペアは全国大会でも何度も戦っており、仲も良い。星の里高校なのだ。
と、とりあえず意気投合して4人で一緒に店に入ることになった。入ったお店は和食店。ガイドブックにも載っているお店で、星の里高校の2人も前に2度ほど来たことあるみたい。
春太「てか優聖、汐音ちゃん大会見に来るとか言ってたよね」
優聖「あーそうそう。今日こっち帰ってくるから明日来れるって」
健斗「ならワンチャン俺らも会うかもな」
大和「それな」
健斗「遠征先でテニス関係ないクラスの人と会うとか面白いわ」
ちなみに健斗は汐音と同じクラスなようで。
健斗「そういえば汐音って大学は地元戻るって言ってたな」
春太「だから優聖こいつ、進学先市内にするんだよー」
優聖「うるせーわ」
春太「だって優聖最初あんなに市外行きたい言ってたのに」
大和「理由が可愛いな」
もう彼らも高校3年生、進路選択の時期だ。早い人ではもう受験準備も始まっている。
健斗「大学かー。決めてねーわ」
大和「とりあえずこの大会終わってから考えようとしてるよ俺」
健斗「大和は色々と声かかってるからねー。西星の2人は学校決めたの?」
優聖「春太は東陵学園だって」
大和「おお?!テニス部入る?」
春太「テニス続けるから東陵に行きたいのさ。オーキャン楽しかった」
東陵学園大学のソフトテニス部は男女ともに県の一部リーグに在籍していて、高校で活躍した選手も結構集まっている。
春太「あと、俺の彼女も東陵行くって言ってるから、そこもある」
健斗「結局春太も彼女かよ」
春太「合わせたとかって言うより、2人で大学の話とかしててって感じかな。テニス部もそうだけど、俺の彼女のやってるバトンも東陵がすごいらしいから」
春太カップル、2人とも部活に力を入れている人なのだ。こう見えて、って言っちゃ失礼か。
健斗「そもそも大和の場合県内か県外かが大きな選択肢だよね」
大和「だからまだ決まってないんだよ、声はかけられてるけど」
優聖「やっぱ県外行く人とかいるの?星の里って」
大和「去年の先輩だと主将ペアだった中下大和田が2人とも県外行ってるし、毎年ちらほらはいるよね」
健斗「西星のテニス部は県外の人とかいるの?」
春太「や、聞いたことない。女子だったら今年篠田先輩県外行ったけど、それでも西星から県外は初めて聞いたぐらい」
そもそも西星高校は総合学科で、商業科や工業科などもあり、普通科でも就職する人はする。テニス部の進学率も、専門学校が半数を占めている毎年。
春太「そもそも意外とみんな続けてない、続けても一般でって感じ」
優聖「去年の先輩だったら高倉先輩しか知らない、大学で続けてるのが」
健斗「高倉さんって東陵だっけ?」
春太「そう。あの先輩特進科だったし。森島先輩も特進科だし東陵行ったけど、硬式入っちゃったみたい」
大和「って考えたら昨年強い先輩沢山いたのに逆に勿体無いというか…」
春太「まあそうなるよね。」
昨年のレギュラー、森島透輝は硬式へ転換し、峰川雄平は料理の専門学校へ。平田圭一は短大へ進み、南田薫は工業の専門学校へ、高野俊也と藤木悠斗は就職。高倉先輩ぐらいだ、大学で続けてるのは。
優聖「でも悠斗先輩は東陵行きたかったって粘ったらしいけど家のこととか考えて就職にして、薫先輩は私立大は金かかるからダメって反対されて国立の専門学校行ってるから」
春太「薫先輩は元々工業科なのもあるけどね」
健斗「南田藤木ペアがいないのはびっくりしたけどね」
大和「だからこの前の夏季招待で久々に見れて懐かしくなったよね」
と、春太はこの2人と話してて思ったことがあった。
春太「この前も思ったけど、星の里高校のみんな西星意外と詳しいよね」
健斗「まあ普段は敵チームですからね」
優聖「確かに、部員の名前言ってすぐ誰だか理解できててすごい」
大和「でもまあ西星もきっと俺らとか北陽とかはわかるしょ?」
春太「まー、その辺の強い人大体は中学から当たってきたからね」
春太みたいに中学からの人は中学で、優聖みたいに小学生からの人はその時から知っている選手も多い。
春太「だって俺中学の最後の県大で誰に負けたかって大和たちだからね」
大和「当たった気がするー。俺優勝したやつかな」
健斗「あ、それ俺も大和に負けた時かも」
春太「中学で王者、高校でも王者、すげえ」
優聖「全小の県予選のときも優勝してなかった?6年のとき」
春太「やべえな大和」
小6、中3、高3、それぞれ1番大事な大会で県優勝を果たしている藤守大和。凄い。
健斗「つーか、俺のいた中学のペア今年1位抜けで全中出るんだよね、やばくない?」
大和「江南北も団体1位抜けして全中だって。俺も中学の時団体で全国行きたかったな」
春太「健斗中学どこだっけ」
健斗「北別向陽中。で、俺の元ペアの弟がいるのさ、その優勝したペアに。少年団も同じで。」
優聖「ペアってたしか北野高校の野上くんだっけ」
健斗「そーそ!動画送られてきたもん」
春太「でも南聖も今のところ冬に県2連覇してるし、今年も3位抜けで全中出るペアいるんだよね」
優聖「しかもジュニア一緒の後輩とか普通にいるから余計にね、すごいよね」
南聖中も、春太がいた頃も強かったがそこから毎年のように強くなっている。冬2連覇は今までもなかったことだ。県内どこでも。
優聖「やっぱ福島先生の威力すごいよねー。星華も福島先生の時が1番強かった」
健斗「星華中たしか団体で全国掛けで負けたことなかった?森島さんが個人で全国出た時」
優聖「あったあった!緑陽西中に負けたんだよ確か。次の年も序盤で負けたし」
春太「で、その時の星華の先生が今の南聖の先生なの。西星の2年の福島玲一のお父さん」
大和「福島くんも南聖じゃなかったっけ?」
優聖「玲一が中学3年生の時だっけ」
春太「そうそう。」
西星の2年生エース、福島玲一のお父さんが顧問になるとすごいのだろうか。玲一が中3の時に顧問が自分の父親になるという、玲一もどんな思いしてたんだろうか。でもその年から団体も県大会へ行ったりとしている。
優聖「ま、今は星華はそこまで…って感じ」
健斗「たしかに泰聖とか花田くんとかぐらいまでかもね。県大会で名前聞いたのは」
優聖「俺は妹いるからまだ星華テニス部と関わりあるけど、良くて1ペアがベスト8入るとかかな最近は。」
大和「やっぱ公立は先生次第だよねー。北中は俺らの時はジュニアが強かったから個人は行けたけど、団体はボロボロだった」
1位抜けで全中出場経験のある大和は、中学時代は今も同じ星の里高校の谷本悠海と組んでいた。この時の江南地区は、1つ上世代は緑丘中が、同世代は江南中央中が強かった。
春太「でも明日からで大半の人終わりだもんな、俺はまだ大会出れるのあるけどなんか虚しいというか。」
健斗「続ける人は続けるんだろうけど続けない人も結構いると思うし、続けても社会人だったり大学だったり地方だったりとかバラバラになっちゃうもんね。それは俺も悲しい」
大和「健斗がやけにいい事言ってる」
健斗「うるせ。でも思わない?」
たしかにそうだ。みんなで同じ大会出て、顔を合わせられるのもほぼ最後。これからはみんな別々の進路になるのかもしれない。
健斗「とりあえず二人とも頑張ってね、決勝リーグで待ってるから」
優聖「俺わりと序盤で北陽のシードと当たるんだよな…」
大和「春太は行けそう?組み合わせ的には山江たち倒せば行けそうだけどね」
春太「でも油断できないけど去年の南田先輩たちみたく決勝リーグ進みたい」
健斗「がんばれ!応援してるよ!」
大和、健斗は県内の優秀選手のため決勝リーグからの参加だ。トーナメントで勝ち残れば決勝リーグでこの人たちとは当たることができる。
春太「まあ、当たったらよろしくな」
健斗「今度は春太にリベンジしてやるっ!」