玲一の誕生日






8月24日に誕生日の部員がいる。我らがエース、福島玲一だ。ちなみにもう引退はしたが、金井華月先輩もこの日が誕生日だったりする。

1年生の白津晴希と2年生の花田陽介が一緒になって何かをやろうとしていた。言って、発案したのは昨日の話だが。晴希は玲一と同じ中学でその時からずっとお世話になってて、陽介は玲一とペアを組んでいる。ということで、ノリで決まったらしいが。


そして当日の部活終わり。


晴希「玲一先輩、寿司行きましょ寿司」
玲一「え?いいけど俺そんな金持って来てない…」
陽介「いいよ奢るから」
玲一「陽介が男前すぎる、じゃあ行く」
陽介「今日だけな」


と話しているところに、1年の長江修太もそこへやってくる。

修太「七星先輩との予定とかはないんですか先輩」
玲一「七星はバイトだし俺も明日から遠征だから月曜日部活ない時に遊ぶことにしてる」
陽介「てか長江も来る?お前は自腹でいいなら」
修太「じゃあ俺の誕生日奢ってくださいね?」
陽介「来年の5月まで覚えてたらな」
修太「いや俺が覚えてますからね?」

修太の誕生日は5月で終わっている。でも参加することになった。



西星高校から自転車で15分ほどの場所にある回転寿司のお店へ。



修太「そういえば俺が小5の時も玲一先輩の誕生日の日にどっか行った記憶が…」
玲一「あー、練習終わりに大輔に連れてかれたよな、あれ千葉と篠永もいなかったっけ?」
修太「あーいました。長島先輩もいたような」
玲一「いたいた。千葉が泰聖にコーラぶっかけられたやつね」
修太「なつかしい…5年前なんですね」

この2人は小学生の時に入っていたテニスチームが同じだった。泰聖や千葉、そして白浜高校の清川篠永の2人もその時はいたのだ。


陽介「俺もジュニアからやってればよかったなー」
晴希「わかりますそれ。でも俺野球やってましたから小学生の時」
修太「なんで晴希は中学からテニス部入ったの?」
晴希「いやー、これはね…」

と、晴希がテニス部に入部するきっかけになった話をした。

晴希「部活動紹介のときのテニス部の先輩たちめちゃくちゃ格好良くて、それで。」
陽介「晴希が1年生…だから南聖といえば北戸野本と野川浅沼という最強にかっこいいペアが揃っている年だな」
晴希「いやあもう、部活紹介の時のあの4人がすごかったです。」

玲一「でも今の高1の代はその影響かかなりいたよ南聖中。」
晴希「去年の3年生だけで6人チームを2チーム作ってもあまりますよね。」
修太「でもその代ジュニアからなのって千葉と歩夢と篠永ぐらいじゃないですか?」
玲一「そう。だから俺も予想は少ないかなーと思ってたけど、予想の倍以上入ってきたからね」
陽介「じゃあ藤井とかって中学からなの?」
晴希「レギュラーでも俺も中学からだし、藤井も、あと篠永のペアだった桜庭と千葉のペアだった森岡も中学からですね。」


そう。強かった南聖中の代は、意外とジュニア経験者が少ない。補欠ペアとしてだけどもレギュラー入りしてた晴希が組んでいた後輩くんはジュニア経験者だけども。


玲一「でも俺らの代はほぼジュニアからが多い。俺のペアだった坂田も、大輔も彪冴も小山も。7人だったし俺ら。」
晴希「先輩たちの学年少なかったですしね」
玲一「俺らの学年は女子は多かったけどねー。」

陽介「しかも南聖ジュニア強いしね」
修太「俺と千葉で組んでた時一応全国出てましたからねそういえば」
晴希「そりゃ長江千葉はある意味強いわ」

修太の現在のペアは千葉だが、長江千葉ペアとしては小学生の時も組んでいた。全国大会経験もあるみたい。このペアはつい先日の新人戦でも好成績を残した1年生ペアだ。中学が違ったのが残念だったが。





陽介「てか今更だけど玲一は今日家でご飯用意してるとかなかったの?大丈夫?」
玲一「母さん遠征行っちゃってるし、父さんも明日にならないと帰って来れないし、全然大丈夫」
晴希「あー、全中って一昨日でしたっけ個人戦は。」
玲一「それで昨日は江南北中の団体戦の応援に混ざって、今日帰ってくるはずだったけど台風で飛行機飛ばなかったんだって」

玲一のお父さんは南聖中の顧問。今年は南聖中からは個人戦で全中出場を決めたペアがいるのだ。


修太「全中かー、もう一年前か。2回戦で3番勝負になったのに俺らあっさり負けたんだよな」
晴希「まさか南が丘があのまま全中出るとは思わなかった」
修太「勝ったとき死ぬほど嬉しかったもん。しかも俺が決めたから」

昨年の全中は修太のいた南が丘中が団体戦出場している。県大会の決勝は接戦になっていてとても緊張感のある試合だったが、見事に勝ち進んだのだ。

陽介「いいな、決めれるところで決めてて。」
玲一「あ、全中掛けでやらかした人」
陽介「玲一も都道府県掛けでやらかしてんじゃん」
玲一「あれ勝ってれば俺シングルスで全国出てたのになー。」

陽介と玲一も何だかんだ全国の目前で敗退した経験がある。この2人実はまだ、全国大会を経験したことがない。

玲一「俺小6の時も手前で負けたんだよなー。馬田たちに」
陽介「西支部も手前で負けてない?」
玲一「あー、あー!!たしかに。原本花島ペアに負けたわ。」

4月にあった県内西支部高校大会という大会で、3位までのペアが初夏に毎年県内で行われる全国交流大会という大会への出場権を得れる。今年は西星高校からは西支部優勝した長島野川ペアが出場したが、玲一は野本先輩と組んでいた時で有力候補なったが北別花野高校の原本花島ペアに敗退していた。


晴希「意外とって言っちゃ失礼ですけど玲一先輩って全国出てなかったんですね…」
玲一「今年もインハイ手前で終わるしね」
陽介「いやそれな」
修太「来年こそは全国の舞台立って下さいよ先輩」

多分玲一が全国手前で敗退した数を数えたらかなりあるだろう。今年に入ってからも2度経験している。



晴希「てか玲一先輩が七星先輩と付き合った話、わりと南聖中から有名なの知ってます?」
玲一「俺の家族みんなおしゃべりだからそうだとは思ったけど」
晴希「俺の母さんも弟も知ってるし…。そもそも福島先生が何か言ってたみたいですし」
陽介「アウトやな」
玲一「あんまり家で下手に動けないよね。悪い意味じゃないけどさ」


そもそも玲一が片思いしてた時からこうだった。

修太「俺も中学で彼女できた時母さんが言いふらしてましたから気持ちわかります」
玲一「あーそれ、ジュニアのお母様方の中で広まってたみたいじゃん。その時詩乃いたから俺の母さんも知ってる。」
修太「ほんとにやめてほしいですよね。」
玲一「長江の妹何年生の時だ?」
修太「今小6なので…2年前だから4年生ですね。詩乃の一つ下ですよ」


玲一も修太も妹がいて、妹同士も同じジュニアチームでテニスをしていた。母同士の情報網って半端ない。

晴希「もし俺も彼女とかできたらこうなるのかな…」
修太「マジで覚悟したほうがいいよ。」

陽介「そもそもそんな経験も何も無い俺は虚しい。」
晴希「仲間がここにいますよ!!!」
玲一「なんで陽介って彼女できないんだろうね」


2年生部員7人中唯一彼女のいないで有名な花田陽介。恋したことはあるが、中々叶わないみたい。

陽介「つーか、千葉の彼女いるじゃん。あいつのこと好きだったことあるもん中学の時。千葉にはまだ言ってないけど。まあ柊弥あたり言ってそうだけど。」
晴希「あ、それは複雑…」
玲一「最初千葉が付き合ったって知ったときどう思ったの?」
陽介「いや、付き合う前から仲良くなったのは知ってたよ。別に何とも思わなかったけどさー。」

でも敗北感は感じていたらしい陽介。


修太「面白いからこのまま彼女作らないで引退してくださいね先輩」
玲一「なら卒業まででいーじゃん」
晴希「いや、一生とか」
陽介「面白いから彼女作るなって?最低だなお前ら」

いつになったら彼女できることやら、いや、いつになったら恋愛できるんだろうね、陽介くん。



陽介「あ、そうそう、これ忘れちゃあダメよ」

と、陽介はカバンの中から袋を取り出した。


玲一「なにこれ」
陽介「開けてみ?日頃の感謝を込めた俺からの誕プレ*」
玲一「変なもん入ってねえよな?」
陽介「俺そうやってみんなに疑われるのやめたい、」

泰聖にも柊弥にもよく変なもの入ってないかと疑われる陽介でした。

玲一「まさかの、普通に嬉しいものだった」
晴希「陽介先輩ったらわざわざ昨日買いに…」
陽介「晴希もついてきただろ。ちなみに俺とオソロ」
玲一「あ、そういえば見た事のあるデザインだわ。でもありがと」

貰ったものはタオルだった。部活で使えるタオルで、陽介は昨日探しに行った時に自分の持っているものと同じデザインのタオルを見つけたみたい。


修太「ちなみにそのタオル俺も持ってます…」
陽介「は?お前使ってるとこ見たことねえ」
修太「いや普通に使ってますけど。」
玲一「まあいいじゃん、」


玲一くんも17歳になりました。これからも大活躍してほしいですね。