河川敷でお話
もうすぐ夏休みに入ろうとしている火曜日の部活終わり。玲一の恋バナを聞こうと意気投合して2年生の5人が集まった。
参加出来なかった将斗も、俺も参加したかったーと言っていたが、残れなかったのはこれから彼女と会うからである。それだと残された2年生は陽介のみだが、前日から熱を出して前日は一般大会を棄権し今日は学校も来ていなく、そもそも1人だけ非リア充とかいう悲しい現実を感じている人なのだ。
泰雅「これ陽介いたらどうなってたんだろ」
泰聖「いや、あいつも一応話には入るけどね、内心むなしいとか思うんだろう」
泰雅「やっぱ?」
柊弥「嫌がらせで陽介に電話かけちゃう?」
なんて皆が話しているほどだ。
宏斗「西星のテニス部がだんだんとリア充増えていくのってなんか現象化してるみたいだけどさすがに今の2年はすごいと思った」
柊弥「気づいたら陽介一人だけ取り残されてるってね」
泰聖「元々2年生少ないのあるけどすごいよね」
2年生部員は7人とここ数年で1番少ない。更に誰も退部者は出ていない。
泰雅「男気じゃんけん!」
泰聖「勝った人から順番に話聞くってこと?」
宏斗「いいねそれ、」
と、いうわけでジャンケンの結果、トップバッターは玲一くん。そして、泰雅、宏斗、柊弥、泰聖の順番だ。
玲一「嘘だろトップバッターとか」
泰聖「俺まだどうなってどうなったか知らないんだよね玲一たちのこと」
ってまあ、知ってるのは宏斗と柊弥だけだ、この中でも。
玲一「学祭の次の日から付き合うことになった…はみんな知ってると思うけどね。ってか、学祭で七星と回ってたのはみんな知ってるよね」
宏斗「俺とつぐみが強引にやったからね」
玲一「ほんとだよ。」
宏斗「あれ野本先輩からの命令だから」
七星とクラスで仲良いつぐみと、玲一とクラスで仲良い宏斗。つぐみと宏斗は付き合っているので、どうしても玲一たちを早くくっつけたかった野本先輩は行動に出たらしい。
玲一「学祭前くらいに先輩と話したのさ2人で。こうなったら自分から行けって。そしたら宏斗たち使ってでも何とかなるじゃんって」
宏斗「まあ結果的にくっついたなら俺はなんでもいいよ」
玲一「でもまさか先輩との話が宏斗まで回ってるとは思わなかったわ。で、次の日休みだから、2人で遊ばない?って誘ったの」
柊弥「学祭でくっつけば良かったのにわざわざ次の日だってね」
玲一「いやあんな騒がしいところでそんな話切り出したくないわ」
たしかに学祭となると、学校も物静かな場所がない。
玲一「俺元々、総体地区前に告白してて返事は保留でいいよって言ってたんだけど、学祭の次の日に遊んだときに返事もらって、で、なんとか…」
そう、この人、5月に告白して2ヶ月越しだったのだ。でもその間も普通に接してはいた。
玲一「というわけで次泰雅の番」
泰雅「いや玲一の番早くね?」
玲一「これ以上話すことないもん!」
泰聖「まあそれは今後だな」
泰雅「もうちょっとさ!付き合うことになってから何かあったとかないの?」
玲一「いやお前らみたいにそんなベタベタしてない、今のところは」
柊弥「今のところは…ね?」
これは今後の玲一に期待しといて、あっという間に泰雅の番。泰雅は同じクラスの百合香と付き合ってて、中学で同じ塾だったのをきっかけに高校入ってから仲良くなった子。泰雅は北斗中、彼女は中央中出身と、区域はすぐ隣なのだ。
宏斗「学祭の時クラスの当番しながらイチャついてた奴」
泰雅「あれ勝手に一緒にされたの!2人ともこれよろしくねーみたいなノリで」
柊弥「まあクラス内だとそうなるわな」
泰聖「まあ百合香のあんな見えやすいところにキスマ付けてる野郎だしな」
泰雅「泰聖にすぐバレたって言ってたよあいつ」
泰聖「あんなもんすぐわかるわ」
玲一「泰雅まさかやることはやっちゃってる系?」
泰雅「まだ最後まではやってないっす。まだ。」
柊弥「どこまでいったの?」
泰雅「いや、色々と触ったことはあるけどそこから2人して寝ちゃったのよ」
泰聖「まだまだ甘いな、」
泰雅「そりゃあ長島先輩に言われちゃあ何も言えないっす」
そもそも泰雅たちは外でデートすることが多い。2人ともアウトドア派なのか、予定が合えばよく2人でJR使って遠出したりしている。夏休みも、県大会終わったらヒマワリ見に行くみたい。
泰雅「家デートしても別にそんな…、お菓子作ったりとかゲームしたりとか、まあでもキスとかはしょっちゅうするよ」
宏斗「んーなんか俺の方が泰雅よりも先越しちゃってる気がしてきた」
と、宏斗の言葉に他の4人は反応した。
玲一「おいお前もしかして」
柊弥「いいんだよー?今日はぶっちゃけてもいい日なんだよー?」
泰雅「てか次宏斗の番だよー?」
宏斗「死ねお前ら、言うんじゃなかった」
宏斗どうやら、色々と済んでるらしいですね。
宏斗「兄が悪いあれは、兄が前に週末だけ帰ってきてその時に変なこと俺に吹き込みやがったから余計な意識しちゃって結局…ね。」
柊弥「そうやってすぐ兄ちゃんのせいにしなーい」
泰聖「てかいつの話?」
宏斗「雨で団体中止になった日。あの日記念日だったからその後2人で俺ん家にいたのさ。」
ちなみにこれは先週の日曜日の話。けっこう最近だ。
玲一「だーから君は国体地区絶好調だったのね。あれ次の日でしょ?」
宏斗「それ桜井にも言われたわ。前の日あんなに調子悪そうだったのに何があったんすかって。まあ野田星翔に負けた時は萎えたけど」
柊弥「桜井もそういうの察し良いからねー。俺も彼女できたとき何も言ってないのに聞かれたもん。優聖先輩第2号って言えるぐらい」
先日の大会では宏斗とペアで見事県大会も出場決めた1年生の桜井晃斗という男、とても察しの良い後輩だ。今は彼女はいないが恋愛経験もそこそこある子だ。
泰雅「宏斗はやる時はやるあたり最高だと思う」
泰聖「ためらいなさそう」
宏斗「確かにためらいはなかった」
玲一「多分この中でお前だけだよそういうの」
泰聖「安心して、春太先輩と北戸先輩っていうスーパースターいるから」
柊弥「千葉も忘れないであげてね?」
泰雅「今の話南聖勢の未来疑うわ」
宏斗「だってよ玲一」
玲一「俺に話を戻すな。」
泰聖「2年生唯一の南聖勢な」
宏斗「俺ももうちょっと話したいことあるけどさ。」
と、宏斗は自ら話を戻す。
宏斗「いやその、それまでは全然そんなことなかったのに、あれ以降やたらと俺のこと触るようになったんだよねつぐみ。」
泰聖「嬉しそうに言いやがって」
柊弥「1回壁乗り越えたらもうそれ位は余裕なんだろきっと」
泰雅「宏斗は元からベタベタしてたけどね」
宏斗「してたけどさ。」
玲一「だからさっき教室で宮平にあんなこと聞いてたの?」
宏斗「よくわかったね。そうだよ」
玲一「あいつ彼女と2年ぐらいラブラブだしな」
宏斗「そっか玲一あのカップルと同じ中学だもんな」
宏斗と玲一がクラスでも仲の良い友達で、中学から付き合ってる彼女がいる人がいるんだが、その人にはさりげなくそんな質問してたみたい。
泰聖「でも1回やったら余裕出てくるのはわかる。俺もそうだったわ」
柊弥「泰聖はほんとにそうだと思う」
泰雅「泰聖だって何でもかんでもやる前は嫌々言ってたのにいざ終わったら平気な顔してね」
宏斗「慣れっていうものなのかね」
ここで突然、泰聖と柊弥ははじめて経験した時の話を持ってきた。
柊弥「俺は中学の時付き合ってた人が初だけど、本当に勢いだったあの時。」
泰聖「それ悠斗先輩のせいとかいうやつだっけ」
柊弥「そう!俺がその時部屋で一緒にDVD見てたんだけど、なーんかいやらしい声聞こえるなーって言われて、隣の部屋に耳傾けたら兄ちゃんヤッてた」
玲一「その勢いみたいなもんか」
柊弥「いやまじで、彼女と一緒にいる時にあんなの聞かされたから俺まで…」
宏斗「それでよく気持ち悪くならなかったね。俺も兄ちゃんの聞こえたことしょっちゅうあるけど本当に気持ち悪くて耐えられんかった」
兄がいる人あるあるなのか、これは。
泰聖「でも春華も華月先輩のめちゃくちゃ聞きたくないって言ってたわ」
玲一「華月先輩のほうが早いんだっけ?」
泰聖「早い。しかもあそこの家父親いないし母は看護師だし、母が夜勤の日だとパラダイスだよ」
宏斗「泰聖も狙ってるだろ実際」
泰聖「まあ俺も華月先輩から苦情来る。」
柊弥「むしろ今は華月先輩遠恋中だから泰聖のほうが多いんじゃ」
泰聖「バレた?」
泰聖の彼女の弟が、彼らの先輩の華月先輩。まあ結局はお互い面白がってるみたいなので良しとしようが。
宏斗「俺の親なんか斗弥ので慣れたって言ってたし、逆にお前は早くつぐみのこと襲わないの?とかうるさかった」
泰聖「なんか俺の周りそういうの厳しい親がいるの聞いたことないけど」
玲一「真司先輩も父親普段厳しいのに彼女さん関係は全然許してくれるらしいしね。」
泰雅「やっと本気で彼女できて父親とても喜んでるみたいなことを俺の母さんが言ってた。大会の時そんな話したんだって。」
彼らの先輩、北戸真司先輩はあまり女性と縁がなかった人だ。兄弟も男、親戚も男ばっか、母親はいなくて、って。学校も工業科だし、恋愛もする気なかったとか最初は言ってた先輩だ。
ちなみに泰雅の母と真司先輩の父は中学と高校の同級生で、学生の時はソフトテニス部だったりするのだ。
柊弥「でも野本先輩と瑛太先輩は親めちゃくちゃ厳しいって先輩から聞いたことある」
泰雅「でもまあ瑛太先輩ってずる賢いからね。」
柊弥「そうそう。別れちゃったのは勿体無いけどなー」
瑛太先輩は先日彼女と別れたばかりだ。部活前に話してたらしく、その日の部活では他の3年部員に泣きつくなど、とても先輩らしくない一面を見せていた日だった。
玲一「野本先輩はあんまり家でイチャつけないし、帰宅時間も遅かったら怒られるって言ってた。だから兄も姉も高校卒業してから地元離れてて、恋人とイチャつきまくってるらしいけど」
宏斗「あれ野本先輩も市外行くんだっけ」
玲一「あー。そういえば」
と、ここで話がずれていたことに気づく泰雅。柊弥はてめえ、なんて言いながら話を始めたが。
柊弥「んで次俺だっけ?まじでみんな忘れてると思ったのに泰雅ふざけんな」
宏斗「まさか愛菜と付き合うとは思わなかった」
柊弥「つぐみにも騒がれた最初。」
宏斗「だろうな。あんまり男子と積極的に話すような人じゃなくね?あの人」
柊弥の最近できた彼女、愛菜は宏斗やつぐみと同じ第二中出身。
玲一「てか上西とヤッたで噂の人じゃなかった?」
宏斗「そうそう。小学校一緒だからあそこ。それで高校同じで話すようになって。でも上西は女作って逃げたけどね」
愛菜は1年生の時に、3組の男の子と関係もってたことがある。玲一と宏斗のいる3組では有名な話だ。
柊弥「その作った女が愛菜と同じクラスの委員長で、それから愛菜はクラスの人から嫌われてるみたいな感じらしいよ。」
宏斗「まあ、可愛いのに目立つ人とは全然喋らないよねーみたいなことは中学の友達も言ってた」
泰聖「でも穂佳と仲良いんじゃなかった?」
柊弥「穂佳も目立つけど別に性格悪いわけじゃなくね?」
泰聖「まあそうだけどさ。」
柊弥「まあ穂佳には救われて更に仲良くなったって言ってたけど。」
泰雅「てかこの話聞いてるだけで女子怖い」
玲一「だな」
国際科の2年の男子は2人と例年より男子が少ないからほぼ女子クラス。むしろ商業科のほうが2年生は多い学年だ。
宏斗「てか出会い気になる」
柊弥「あー、前に千葉と遊んでた時に穂佳と愛菜と偶然会ってそれから一緒にカラオケ行ったりご飯食べたりして、でも元から愛菜のほうは俺に気があったみたいだよ。」
泰聖「それで千葉も穂佳とくっつくもん面白いよな」
柊弥もよく言う。そこで千葉と穂佳がくっつくのは想定外すぎたこと。だから最初に千葉が柊弥に、「穂佳先輩のこと好きです」と言われた時、は?って言ったらしい。
泰聖「でも柊弥も告白される前から一応意識はしてたよね」
柊弥「そうだ泰聖だけは知ってる。可愛いなとは思ってたよ、遊んだ時から。」
宏斗「性格的に2人釣り合うのかは気になったけど」
柊弥「いや、意外とノリ合うよ。好きなものの話だと愛菜おしゃべりになるから」
柊弥と愛菜と共通点は好きなアイドル。最近若者に人気のアイドルで、はじめて遊んだ日にカラオケ行った時に発覚したらしい。
泰雅「泰聖はわりと色々と相談されやすいよね」
泰聖「確かに、俺わりと知ってる内容多いんだけど」
柊弥「いや俺的には1番話しやすいの泰聖なんだ」
玲一「そこはまあ2人とも小さい頃からの仲だからじゃない?」
泰聖「まあそっか。柊弥の恋愛も一応ほぼ見てきてるからね」
柊弥と泰聖は幼稚園から高校まで全て一緒だ。
柊弥「逆に俺は泰聖の恋愛は見てきてる」
泰聖「ですよね。」
何だかんだ昔なじみの2人。ずっと仲良いのも変わらずに。
宏斗「いやーでもやっぱ俺的には意外な組み合わせなのには変わらない」
柊弥「宏斗にはそれしか言われてない」
宏斗「第二中ならみんな言う。」
泰雅「なんだかんだ幸せそうだしね」
玲一「陽介が、あいつは裏切り者ってうるさいよ」
柊弥「非リア同盟とか組んでたもんな、玲一はそのうちくっつきそうだったしあとはみんな彼女いたし」
玲一「でも俺付き合うより柊弥のほうが早かった」
柊弥「それは君たちがノロノロしてたせいだ。」
たしかに、玲一は告白して付き合うまでの間がかなりあった。
泰聖「って考えたら、みんなちゃんと自分から前に進んでたんだね」
宏斗「あ、あの時の悲劇」
柊弥「俺と陽介でね、泰聖のスマホ取って勝手にライン送ってね」
泰聖「まああれがあったから今があるんだけど…」
とりあえず話してないのは泰聖だけなので、この流れで泰聖の番。
泰聖「って何話せばいいのよ」
柊弥「最近の出来事」
泰聖「最近か……。全然会ってねえ。会っても夜にちょこちょこ」
泰雅「まあ会ってんじゃん」
泰聖「でも短時間。土日は俺が忙しいし、平日は春華が学校とかバイトとかあるから合わない。」
宏斗「大学生だもんね、泰聖の彼女」
泰聖はここ最近、土日は大会だらけ。やっと夏休み入る今週末も遠征が待っている。彼女は大学生で、コンビニでの、バイトも平日の夜をメインにしている。
泰聖「日曜日さ、大会のあと会ったんだ。一応9ヶ月の記念日だったから」
宏斗「お祭り行かなかったの?」
泰聖「行くつもりだったけど行ってない。」
つい最近の週末には市民祭という市内の1番大きなお祭りがあった。何人かは行った様子だが。
泰聖「最近俺さ、ヤる頻度増えた気がするんだよね」
玲一「あら、珍しい」
泰聖「中々会えないし会うのも夜だからそのテンションってやつ?」
柊弥「だーから最近また色気増してんのか」
泰雅「たしかに、この色気男」
泰聖「ふふふ」
つい最近までは自分のペアの春太先輩を散々いじってきたけど、あまり人のことを言えなくなってるぐらいすぐ手を出すようになった泰聖くん。
宏斗「雰囲気がエロい」
柊弥「いやまず存在がエロい」
泰聖「何それ褒め言葉?」
柊弥「十分なる褒め言葉です。」
さらに年上と付き合ってますからね、泰聖さん。
泰聖「いやまず春華もエロいんだって、ほんとに!」
宏斗「顔真っ赤」
泰聖「いやほんとに誘ってくるの最近!!」
泰雅「ほんとはガツガツ行きたいくせに」
泰聖「結局はガツガツ行ってますけどー。」
なんだかんだ2年生1番大人な泰聖くんでありました。
この日は沢山話し込んだ5人でした。