仲の良い女の子





自分には最近、仲の良い女の子がいる。最近というか、高校入ったぐらいから喋るようになった女の子。

梅田美桜、小学生の時に同じソフトテニスのジュニアチームに入っていた子だ、中学は美桜は星華中だから違うけど、高校は同じ。学科は違うけどね。美桜は高校ではテニスを続けていない。

まあでも、好きな女の子、ではある。
単純に、可愛いから。最初はそう思っていたけど、どこか放っておけない存在だな、と思うと。




9月に入ってすぐの月曜日の話。


追試が多数あった自分は、結局終わったのは17時半頃で、部活終わるの18時だし、時間中途半端だし今日の部活は星華まで行かなきゃ行けないし、とりあえず今日はこのまま帰ることにした。

夏休み明けのテストで酷い目にあった上での今回なわけなので、勉強しないと、こんなことになるから手を抜けないなー。特進科は部活生わりといるって聞くけど実際大変すぎるから、普通科入ってれば良かったかなって最近思っちゃう。

だって夏休み全然勉強する暇なかったし……。遠征行って大会3つあってさ。部活部活で終わっちゃったよ。夏期講習とかほぼ行けてないから仕方ないか。



教室から出て帰ろうとする時に、俺は声をかけられた。

「あれ、修太今日部活は?」
と聞かれる。まあ相手は、美桜なんだけど。

「今追試終わったから時間的に無理かなーって思って帰るところ」
「だよね、バリバリ部活のカバンなのにこの時間にいるからさ」
「せっかく今日の部活は星華だったのになー」
「どんまい」


しかも県大会近いから、ぶっちゃけこんなことしてる場合じゃないや。昨年の特進科の3年生にも2人の先輩がソフトテニス部にいたらしいけど、どう両立してたんだろうか。しかもその先輩達活躍してたし。俺じゃ不器用すぎてわけわからん。


「んで美桜はなぜこの時間まで残ってるの」
「クラスの掲示物手伝ってたところ。これ運んだら帰るのさ」
「じゃあ早く行かないとみんな待ってるんじゃない?」
「あ、そうだ、じゃあ修太ちょっとまってて!」

と言って一旦美桜はいなくなった。
いや、俺ここで美桜のこと待つ必要あるのか。



5分ぐらいしたら戻ってきた美桜。しかも、帰る支度も整っていた。


「え、お前帰るなら俺待った意味なくね?」

ましてや家の方向は学校から全く逆だし。

「部活行かないならこれから暇でしょ?」
「いや暇だけどなんで俺のこと連行しようとしてるの」
「私も暇だからなーって」

ったく自由な奴だわ。



って流れで、俺の家へ行くことになった。行きたい!とか言われたからさ。俺の妹と弟に会いたいんだとよ。妹は小6、弟は小4だ。



俺の家へつくと家にいたのは妹のみで、弟は友達とテニスしに行ってるからそろそろ帰ってくるとのこと。妹の有沙も美桜と久しぶりに会うので、妹は美桜を見つけた瞬間飛びついていた。


「美桜ちゃん!」
「有沙!久しぶりだねー!」

そういえば美桜の弟も小学生の時からテニスやってるけど、今中1なんだよな。だからたまに美桜もジュニアの練習見に行ってみたいだけど、今はそんな機会も早々ない。





2人は話し込んでいるので、俺はとりあえず自分の部屋に荷物を置きに行く。置いてリビングへ戻ろうとした時に、美桜は俺の部屋にやってきた。


「今そっち戻ろうとしたけど」
「いや、修太いなかったからせっかく上あがってきたのに!」

まあいいか。戻るのも面倒だし。でもここ俺の部屋。二人きりなんて、美桜が無事である保証はできない。


「あのさあ、言っとくけど俺も男だからね?ここ男の部屋だからね?」
と一応忠告はしておく。
「ん?なに?エッチなこと考えてたの?」
「死ね」
「あ、考えてたんだー!」


こいつハイテンションの時ついていけねえ。美桜はとりあえずテンション高い時と低い時の差が激しい人だ。高い時は平気で人のことぶっ叩いてくるからさ、昔っから。まあジュニアの時は俺よりも篠永のほうが被害にあってたかもしれない。



「真面目そうな顔して、絶対内心変なこと考えてそう」
「どうやら俺そのようだよ。元カノが言ってたらしい」
「あ、ほんと?じゃあ今もってこと?」


いやこいつ、これ以上口開くな。どうなっても知らねえぞ。


「いや、こんな空間で俺が美桜を目の前にして平常心でいれるわけないだろ」

呟くように俺は言った。


「なにそれ、どういう……んん!」
と言う美桜を遮るように俺はキスをした。

俺はそのままヒートアップした。美桜は最初は拒否しようとしたのか、力が入っていたが途中から力が抜けた模様。美桜の制服も多少はだけている。


「好きだからに決まってるだろ。これ以上言ったら、どうなっても知らないよ?」

と俺は言ったところで、美桜は泣きそうになる。

「あ、ごめん……」
ちょっと、やりすぎたか。と思ったが
「違うの、好きって言われたことに嬉しいだけだから…」
と言われる。



「好きなようにして…いいから……」
「って言われたら逆に、やりにくいな」
「いいから!」


まあとりあえず、お言葉に甘えて、ってことで。










「んで結局、私は告白されたってことでいいの?」
と美桜に聞かれる。

「いや、これ以上俺に同じこと言わせんなよ」
「あ、いいのね」

もう多分ちゃんと言えない。さっきのは勢いだったから。


「ありがと。」
と言われて後ろから抱きしめられる。



「いや、実はこうなること、狙ってた」
「え、は??」
「私だってずっと修太のこと好きだったもん。で、その話を唯里にしたら、修太けっこうその気にさせたらなんとかなりそうだよ?って言われて」
「うー、あいつかよー。中学一緒だから元カノとのこと知ってるもんあのヤロー」


家についてきたのも、わざわざ俺の部屋に上がってきたのもらしい。
美桜と同じクラスでジュニアも同じで俺と中学同じだった女テニの唯里から、俺が元カノにしてたことそのまま知らされてたみたい。本当は唯里のことぶちのめしたいけど結果オーライだからまあいいや。


「…美桜、エロすぎ」
「それはお互い様でしょ」


あー、結局、俺も千葉と似たような付き合い方しちゃったけど、まあいいや。


「まあ、よろしく」

俺はもう一度、キスをした。










その次の日曜日、部活終わりに俺は方向が同じ千葉と帰ることにした。近況報告も兼ねてってことで。



「俺さ、前々から美桜のこと好きかもって言ったじゃん。」
と俺は話を切り出した。
「ああ、言ってたね。なんかあったの?」
「火曜日から付き合うことになりました」
「え?!まじ?!」

謎に千葉は拍手をする。


「へー、どんな感じで?てか告白はお前?」
「告白は俺からだけど、千葉と似たようなことしました」
「俺と似たようなこと……?あーもしかしてお前って……」

わかった瞬間からやけにニヤニヤしてくる千葉。いやキモイな。

「もう説明しなくてもわかるだろ」
「いやー、さすが長江だな?」
「いやお前もやったこと同じだろ」

こいつやっぱ恋愛観はめちゃくちゃ合うんだよな。結構似たようなことしてるし、話してると共感することも多い。


「でも部屋で二人きりはやりたくなっちゃうよねわかる」
「勝手に同類にさせるな」
「だって同じことしてんじゃん」

まあこいつと同類っていうのが納得行かないがな。


その後、たまたま道哉と涼平と晃斗の3人を見つけ、その3人と合流して様々な話をした。