7人+マネージャーでごはん
それは突然のことだった。
陽介「なあ、テニス部の1年全員でどっかいったことってあるっけ?」
宏斗「部員全員ではあるけど1年はなくね?」
西星高校の男子ソフトテニス部。1年生は入部してもうそろそろで1年経つんじゃないか。でも、1年全員で遊びに行ったことはない。中々都合が合わないからって。
そこでやってきたのはマネージャーのつぐみだった。
つぐみ「じゃあ行こうよ?明日とか部活休みだし」
柊弥「は?明日??」
突然のことでみんなスケジュールを確認する。
玲一「俺は大丈夫だけど…」
泰雅「俺も明日は何も無い」
将斗「みんな何も無さそうだね?」
皆「うん」
柊弥「じゃあ決まりー!」
偶然にも皆都合が良かったためあっさり決まってしまった。
陽介「どこ行く?」
将斗「部活ないっつっても明日も学校だし、プリ撮ってゲーセンかどっかで遊んでご飯食べに行って〜で良くね?」
宏斗「それで良いと思う。つぐみは行くの?」
つぐみ「行くに決まってるじゃんー。嫌だったら行かなくていいけど」
泰聖「せっかくだしつぐみも来ればいいじゃん」
って訳で、次の日にテニス部1年で遊びに行くことになった。
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待ち合わせは高校前のバス停で。全員が揃ったことを確認したと同時にバスが来た。
バスを降り、真っ先にプリクラを撮りに行く。若干1名、マスクまでして風邪ひいたのか、元気なさそうな人もいるが。
つぐみ「今気づいたけど私だけ女ってなんか周りから痛い目で見られそう」
将斗「今更じゃん」
陽介「七星も連れて来れば良かったじゃん」
つぐみ「あの子今日バイトだって」
泰雅「じゃあ我慢だ、我慢できないなら帰るしかないよ」
七星とはつぐみの友達で、ソフトテニス部を応援してくれている女の子。割と、部員から可愛いと人気はある。
将斗「あれ、1枚だけ泰聖消えてる、ごめん」
撮ったプリクラを見ると、1枚、泰聖が、 将斗に隠れてしまった。部員で一番背の低い泰聖だが、これでも前よりは伸びているんだ。
泰聖「うっそー?そろそろチビ卒業できてると思ったのに」
柊弥「大丈夫だ、俺はお前に抜かされそうで心配だ」
泰聖と柊弥は小学校から同じで、昔は柊弥のほうが背は高かったが、泰聖の成長期が来ると共に今は抜かされかけてる柊弥。今後、柊弥のほうが小さいことも有り得るかもしれない。
ご飯はしゃぶしゃぶ。テニス部1年はマネージャー含めても8人と例年より少ないから、四人席を2つ使う。
玲一「宏斗ほんとに大丈夫?」
宏斗「大丈夫。風邪なだけだから。」
いつもならはっちゃける宏斗も今日は静か。そう、風邪引いてる若干1名とは宏斗のことだ。
そこで、七星の話にもなった。
泰聖「七星ってなんでマネージャーじゃないのかここまできたら謎だよねって思う」
つぐみ「途中入部でもいいからマネやらない?って聞いたら、断られたよ」
泰聖「バイトもあるし、趣味範囲で好きでいるって言ってたもんね」
陽介「ところで最近の川岸先輩の様子!見たことある?」
柊弥「あ、やっぱ川岸先輩って七星のこと好きなの?」
我らが部長で2年の川岸先輩、とてもフレンドリーでリーダーシップのある先輩だが、最近七星に好意を持ってる様子。
宏斗「みんな恋愛してるよね〜テニス部」
将斗「つーかリア充率増えるっていう現象本当にストップしてほしいんだけど」
陽介「それな。現にここにもリア充2人」
泰聖と泰雅は彼女がいる。泰雅は同じクラスの子で、泰聖は2つ上の人で、とても美人で華月先輩のお姉さん。
柊弥「あんまりみんなの恋バナとか聞かないかも、泰聖は聞き飽きたけど」
泰聖「うるせえいつも話振ってくるの柊弥だろ」
つぐみ「柊弥も別れちゃったもんねー、」
柊弥「それ禁句で。」
将斗「何ヶ月だっけ?」
柊弥「5ヶ月付き合って別れました。クリスマス前になー、」
宏斗「だからクリぼっち仲間が増えたという話をしたよね」
柊弥「本当に虚しいわー。でも悪いことあって別れた訳じゃないからそこは!」
クリスマスには彼らは大会があったから、リア充でもあんまり縁のない話なんだけどね、クリスマス。
泰雅「そういえば玲一って七星と仲良いけどどう思ってるの?」
陽介「あー、たしかに」
宏斗「割と玲一の口から七星の名前出るけど」
玲一「好きかどうかはしらんけど、普通に話してて楽しいし、…気になってはいるけど」
突然素直に言い出した玲一に、他は皆唖然。
柊弥「玲一、それは恋してるってことだ。」
そうして柊弥は玲一の肩を掴んだ。
玲一「いやー、自覚したくねーけど。川岸先輩もあの人結構本気じゃん、もう色々と…」
泰雅「こりゃ面白い三角関係じゃん?!」
川岸先輩と玲一が七星のことを気にしている。こりゃ、いい展開。今後がどうなるのやら。
つぐみ「でも玲一と七星ちゃんって昔から一緒なんでしょ、私だって知らない七星ちゃんのことも知ってるわけでしょ玲一、自信持ちなよ」
玲一「俺そんな思考持ってない」
宏斗「急に引っ込みやがって」
将斗「恋愛で勝ち取るには自信持たないと」
玲一「そういうもんなの?!」
将斗「いや知らんけどそうじゃね?」
玲一が恋をしていたなんて周りの皆は初めて聞いたことだ。玲一は今まで恋愛経験はないから、とても新鮮で。
柊弥「楽しみだわ〜この展開」
陽介「それな、何かあったら相談するんだよ?」
泰聖「ぶっちゃけ陽介に1番言われたくないよねこんな言葉」
玲一「それは泰聖の時から思ってた」
宏斗「こういう話になったら上から目線だけど1番恋バナ聞かねえからな?」
高校入ってから陽介が恋してるところは見たことない。というテニス部1年一同。同じ中学の泰聖と柊弥は何か知ってる様子だが。
泰雅「陽介の言う可愛いは誰?俺らのわかるようなテニス関連の人だと」
陽介はしばらく考え込む。
泰聖「お前中学の時に可愛いって言ってた人いたよな」
柊弥「大会の度に見つけてたよなー、なつかしい」
つぐみ「なにそれ、どこの人?」
泰聖「どこだっけ?今東高の人だよね」
柊弥「中学は中央中じゃなかった?」
つぐみ「あー、莉々のこと?」
陽介「…たしかにあの子は可愛いと思うよ!今でも思う」
つぐみ「でも彼氏いるけどねあの子」
陽介「それは知ってるよツイッター見てれば」
陽介が可愛いと言っている女の子は現在は東高のテニス部の1年生。先月の大会でも女子の決勝で感動的な試合を見せたペアの前衛だ。
続いてつぐみがマネージャーをやるきっかけの話にもなった。柊弥が突然聞いたからだ。
つぐみ「宏斗は知ってると思うけど私って元々は白樺商業行きたかったんだけど、成績足りなくてダメだったのさ。」
宏斗「白商行ってたらプレイヤー続けてたかもって言ってたよね」
つぐみ「そう。大好きな先輩いたから先輩と一緒に部活したくて。だから三者面談で成績足りないって言われた時大泣きしたもん」
玲一「でも西星でプレイヤー続けようとは思わなかったのね」
つぐみ「いや、迷ったよ?!でも西星強いじゃん。最初はテニス続けるかで迷ってたけど、マネージャー募集してるって聞いて、マネもいいなーって」
西星高校は女子ソフトテニス部も伝統のある部活。全国大会の成績もあり、今年度もインハイプレイヤーを出している。女子部は男子部よりも全国大会出場歴が多いかもしれない。団体でも数年前に選抜で出たことあるらしい。
泰聖「でもマネージャーって経験して良かったって思えるって俺のいとこが言ってた。でもやっぱり辛いみたい。周りの目とか色々と」
陽介「男子部のマネージャーってのもあるからな」
将斗「男目的じゃん、とかみたいなよくある悪口ね」
つぐみ「たしかにそれはあるよー。でも勝手に言ってろって感じだもんそういうの」
物事をやるにおいて、辛くないことなんてない。むしろ、辛いことのほうが多い。でもそれを乗り越えれたからこそ楽しくなるんだら。
彼らと彼女はそれを経験して来ている。全員が中学からの経験者で。
この日、とても楽しんだ1年生部員。次の日から、また、部活部活な日々だけど、一緒に乗り越えよう。
…約1名を除いて。
みんなで歩いてるとき、突然宏斗が倒れた。
柊弥「おい宏斗?」
宏斗の隣にいた柊弥が支える。
玲一「あんだけ熱あるなら来んなって言ったのにしまいには騒いでるしそろそろ限界来たんじゃない?」
泰雅「たしかに顔真っ赤だしこいつ今意識ある?」
玲一は宏斗と同じクラスだし、宏斗の風邪の具合も知っていたから、度々心配しながら宏斗のことを見ていた。
つぐみ「とりあえずもう帰るだけだし、私宏斗とバスおりるとこ一緒だからついてるわ。」
柊弥「お願いしていい?俺と泰聖もうバス来ちゃうから」
つぐみ「大丈夫大丈夫、こいつの世話なら慣れてるし」
柊弥「じゃあお願いします、星華組帰りまーす」
宏斗くんは家に帰って熱を測ると、昼間より熱が上がってた模様でした。