新人戦の遠征夜





3年生も引退し、新人戦の県大会で遠征に行っている西星ソフトテニス部数人。今回は7人で行っている。というわけで、1番部屋の広い1年生3人の部屋にみんな集まった。



哉斗「あ、長江、先輩たちに言うんじゃなかった?」
修太「いつもお前から話持ってくのまじでやめてほしい」
泰雅「長江なんかあったの?」
修太「彼女できました」
陽介「まじで?」


まだ2年生には言ってなかった模様。テニス部の先輩たちも、相談したら乗ってくれる。


修太「多分村井先輩以外はわかりますよ。星華中だし、ジュニア一緒だし。」
泰雅「俺だけ疎外感半端ないけど仕方ないな」
玲一「んー、長江の同い年?」
修太「どころか普通科にいますよ。」
泰聖「あー、ってことは最近長江と仲良いし、美桜かな?」
修太「……そうです。今月入ってすぐに。」
泰聖「てかむしろもっと前から付き合ってもおかしくないと思ってた」
修太「…そうです?」


それほど仲は良かったらしい。


晃斗「長江って実は頭の中でエッチなことばっか考えてるんですよ」
修太「お前も喋んな」
陽介「なに?長江ってそういう人だったの?」
哉斗「こう見えて中身は変態さんですよ」
泰聖「春太先輩第2号?」
泰雅「それは言えてる」
修太「ちょっとまってください!!」

実は彼らの先輩、春太先輩もこんな感じだった。大人しそうに見えて、実はかなりの変態さんだった、みたいな。春太先輩は一向に認めないまま引退しましたが。


修太「千葉と晃斗、てめーらのせいで俺がテニス部の変態キャラになりそうなんですけど」
哉斗「すまんって、面白いからつい」
修太「あ?」
晃斗「千葉もわりと人のこと言えないけどな」
哉斗「わかってるけどそれは。」


長江千葉ペアはわりと似たもの同士。


玲一「でもジュニアの時の長江と美桜ってそんな話してるイメージなかったの気の所為?」
泰聖「たしかに。どちらかというと篠永と美桜がセットだったよね」
修太「高校入ってからですよ、ここまで仲良くなったの。」


入学前に、ラインでのグループで、春から西星へ入る1年生のグループがあり、そこで向こうから友達追加されて話すようになり、普通科と特進科は教室も近いので、入学してからもっと話すようになったとか。


泰聖「でもずっと廊下で仲良さそうに喋ってたけどな」
修太「まあ、そうですかね…。」
泰雅「告白はどっち?」
修太「俺ですよ。つーか、やりかけた時に勢いで。」
哉斗「でもこいつ結局ヤっ」
修太「だからお前もう喋んな。千葉も人のこと言えないくせに」

長江千葉ペア、放っておいたら言い合い放題になるくらい仲は良い。

陽介「とりあえず話はわかった」
泰聖「やべえ、陽介だけじゃんエッチな経験ないの」
陽介「そもそも彼女さえできてないです。」
玲一「いや俺も経験ないから!!勝手に仲間入りさせんな」
泰聖「もう仲間入りしているもんだと、思ってた」
玲一「いやふざけんな」


この中で彼女いないのは陽介のみだが、経験ないのは玲一も。さすがにハードルが高いみたい。


晃斗「まあ、玲一先輩はしょうがない。」
玲一「しょうがないで済ましといて」
泰雅「意外と気はありそう、玲一は」
玲一「ないわけじゃない。 」
泰聖「まあ玲一も二人きりって意識したら我慢できなくなるタイプということで」
哉斗「玲一先輩も男なんですね」
玲一「俺は最初から男だ」


出せるもんなら手出したいよ、という玲一の本音。


玲一「いや、俺も実際目の前にすると勇気ない。」
泰雅「ためらうよね。俺もそれだった。」
泰聖「泰雅はかかりすぎ」
泰雅「うぃー。1年以上付き合ってて最近だもんー。」
晃斗「2年生って意外とみんなやろうとしないですよね」
陽介「3年生の1部と1年生のこいつらがおかしいだけだ」

唐突にディスられる長江千葉。

哉斗「この部活でエロい意味でやばい人をランキングするとどうなるんですかね。3年生含めて」
泰聖「ダントツ1位は春太先輩」
玲一「先輩いないから言いたい放題じゃん」
泰聖「だって先輩の前で言ったら話阻止されるもん」
修太「ずっと思ってたんですけど長島野川ってこういう時だけどっちが先輩か分からなくなる……」
泰聖「俺先輩のこといじりまくったわ。」

ダントツ1位は野川春太先輩のようです。じゃあ、次はどうなのか……。

泰雅「次はこいつらじゃね?長江と千葉」
陽介「同率2位」
修太「いや、どう考えても千葉のほうが上だと思うんですけど!!」
哉斗「どうしてもお前は俺と一緒にされたくないのな」
修太「嫌だよあんな卑猥な言葉連発してた千葉と一緒にされるのは」
哉斗「なんでみんなあの日のこと覚えてるの早く忘れて!!!」
玲一「お前らほんと言い合ったらうるせえな、昔っから」

気づけばいつも大声出し合ってるこの2人。それほど仲は良い。


泰聖「とりあえず、現時点では千葉ね。」
玲一「もう審査委員長泰聖で良くね」
晃斗「2年生みんなで決めてください」
泰雅「んじゃあ千葉の次が長江?」
泰聖「でも俺長江がどんなんなのか知らない。むっつりスケベなのはわかった」
修太「いや、だから……。」

陽介「でも他にも中々すごいのは北戸先輩だよね。」
哉斗「あー。彼女できてから雰囲気だいぶ変わりましたよねあの先輩」
泰聖「変わったにも程がある。てか俺北戸先輩もわりとやばいっての春太先輩から聞いたんだよね」
修太「でも北戸先輩って色々と完璧な人ですからね。」


北戸先輩は勉強も部活も成績良しの美少年なのだ。性格も良く、後輩への面倒見もいい。


泰聖「北戸先輩の彼女さんって春から社会人なんだけど一人暮らししてるみたいで、それも北戸先輩の家めちゃくちゃ近くて、結構通ってるみたいだよ。半同棲みたいな感じ」
修太「あーそれ俺も北別遠征の時聞きました。」
泰聖「あー割と本人もオープンなのかこの話。」
修太「俺と立花先輩と北戸先輩と小谷先輩で話してたんですよ。」
陽介「なんだそのメンツ」
修太「小谷先輩が呼びました。」


小谷先輩も、人の恋バナは大好きなので、長江を巻き添いにして北戸先輩と立花先輩のところへ行ったらしい。3ヶ月も前の県大会の話だが。

泰雅「つーか、このままだとランクインするのほぼ南聖中」
玲一「んっとにさすが南聖だわ」
陽介「玲一も南聖だろ」
玲一「一緒にすんな」

南聖中の人はわりとそういう経験が豊富な人が多い。何故かは知らないが。




陽介「てか千葉ってさ、俺が中学の時穂佳のこと好きだった話知ってるっけ?」
泰聖「ごめんそれ俺と柊弥で話した」
陽介「だろうと思った」
哉斗「穂佳本人からも聞きました。たしか…」
陽介「これ以上余計なこと言わなくていい」

千葉の彼女、穂佳のことを好きだったことがある陽介。陽介がガチ告白した相手だ。


晃斗「なんとも言えない」
陽介「別に今はなんとでもないけどさ。なんか千葉だからか知らんけど敗北感ある」
哉斗「いやったー!勝ったー!」
陽介「調子乗んなこの野郎」

陽介は千葉のことをはたく。


玲一「陽介……。」
陽介「お前に鼻で笑われる日が来るとは思わなかった」
玲一「じゃあ早く恋愛しろ」
陽介「しろって言われましてもね……」
泰聖「運命的な出会いが唯一訪れない男」
晃斗「先輩ほんとに彼女できたことないんです?」
陽介「ないわ!つーか俺の話になってるしふざけんな!!」

もはや西星のソフトテニス部で彼女できたことない人数えた方が早いんじゃないか、説はある。


泰雅「つーか、俺晃斗の恋愛事情を知らない」
晃斗「あー。中3の時にひっどいことあって以来恋愛してないんですけどね」
修太「話聞いててもあれはエグい」
泰聖「そこまで?」
晃斗「本当に中学生かよって思いますよ多分。」

と、説明を始める晃斗。

晃斗「まあ、付き合ってた女の子がいたんですよ。中学では2回付き合った経験あるんですけど、最初の1人はなんか、友達の延長戦みたいな感じになっただけで別れたので今も話すんですけど、3年生の時付き合ってた人は本当に怖いことしてきたんです。」
修太「鳥肌もんですので覚悟したほうがいいですよ」
泰聖「そこまで?」
玲一「何?ストーカー的なやつ?」
晃斗「まあそんな感じです。落ち着けないっすよあんなの。」


しかも、その内容も内容。

晃斗「元カノ、俺と付き合ってた時から1つ上の先輩と体の関係はあったみたいなんです。」
泰雅「うわあどっかの竹原道哉の話思い出すな……」
晃斗「まあそんな感じです。あと、俺中学の時SNSのアカウント全部消したんですけどこれも関係するんですよね。」
陽介「たしかに急に消えたよな。」
晃斗「はい。その関係のあった男の人から俺のSNS全部監視されてたみたいで。怖くなって一旦SNSやめました。」


現代っぽい怖い出来事。正直晃斗にはかなりのトラウマだ。

晃斗「もうそっちはそっちで関係出来上がってたみたいで、でも俺はその時彼女のこと大好きだったし、その時は彼女は別れたいとかそういう雰囲気一切出してなかったし普通に過ごしてたんですけど。でもその人と俺はヤってないのはあるんですけど。」

玲一「つまりその時の彼氏の晃斗とはヤったことないのに、その別の男とはセフレみたいな?」
晃斗「セフレどころか二股されてたっぽいですよ。」
泰雅「わお。」
哉斗「この話聞くの3回目だけど未だに聞くの耐えられない」
晃斗「でしょ。」

そして、怖いのはここから。

晃斗「俺って昔からSNSは基本フォローされてる人以外公開できないようにしてるんですけどね。その男の先輩が、彼女のアカウント乗っ取って全部俺のやつ見られてたみたいで。分かった瞬間怖すぎてしばらく夜眠れませんでしたし」
陽介「そりゃ怖いわ。」
晃斗「で、それが耐えられなくなって別れたのはいいんですけど、それからある事無いこと噂されてて。まあここからの話は俺も言いたくないので中央中の誰かから聞いてください。あの二人とも性格悪すぎー。」


ついつい無言になる他の皆さん。言葉も出ない。

泰聖「えぐいの二乗だな」
修太「晃斗悪いことしてない」
陽介「確かに、な」
晃斗「って、そのあと俺も女友達とヤったのには変わりないんですけどねー。」
哉斗「あー、安西翔奈」
泰雅「え?!あいつとヤったの?!」
晃斗「もーその時色々とむしゃくしゃして、ノリですよノリ。」

泰聖「泰雅の知り合い?」
泰雅「百合香の中学の時の部活の後輩で俺もわりと話す。たしか国際科だよね?」
晃斗「そうですよー。」
陽介「そっか泰雅の彼女も中央中か」
泰雅「そうよー。」


泰雅の彼女は中学の時はバスケ部に入っていた。晃斗の言ってる女の子は、その時の後輩だという。


晃斗「なぜそうなったかって、元カノと関係あった男の人先輩、翔奈の元カレなんですよ。」
玲一「もうわかった、色々とエグいからもう聞きたくない」
晃斗「ってなりますよね。」
玲一「頑張ったな、晃斗も」
晃斗「これ以上頑張れないですよ。」



と、ここでもう就寝時間が来てしまったようだ。


泰聖「正直今までの遠征の夜で一番濃かった話が」
玲一「だっていつも先輩たち話そらすもん野川先輩のほうに」
晃斗「なんか俺の話で気分悪くしてすいません」
陽介「むしろ話してくれてありがとう」
修太「俺だったら話しませんよこういうこと。」
哉斗「いつかは元カノとの話ぶっちゃけるんだな長江も」
修太「死ね」

しかもまだ、初日の夜だ。