打ち上げ会





団体戦の緑陽地区予選を終えた白石工業。見事地区優勝を果たし、今は試合に出た3ペア6人が打ち上げに来ている。とはいえ平日の部活なくなって暇になった放課後。レギュラーにはもう1組いるが、急遽この回が決まったものだから、この人たちは同じクラスの上、二人とも検定の補習で来れなかった。

というわけでエース2年の馬田智貴、安藤怜央ペアと、主将ペアの田島鈴晴、西坂翔琉ペア、そして1年生ペアの古川柚希、菅原壱星ペアの6人だ。




鈴晴「最近はひたすら安藤の恋バナオンリーだったよな」
怜央「大倉先輩に見つかったせいでな」
柚希「ああ言ってた大倉先輩も彼女できましたしね。」
智貴「この中で恋愛経験あるやついないの?安藤以外で」


智貴の質問に、怜央以外から3人、手を上げる。

怜央「鈴晴は知ってる。この前聞いた。あと西坂は彼女いたのは知ってる。柚希は初耳」
柚希「中学の時の話ですけどね。色々とあって俺から振ったんですけど」
鈴晴「え、誰?俺知ってる人?」
柚希「そうだ、3年生の時の話だから俺田島先輩に話してない…」
鈴晴「ひどいよな。小学校から一緒なのにこいつ」


鈴晴と柚希は同じ中学どころか、小学校の時から仲良い。


壱星「みんな恋愛してるんだな……」
怜央「菅原は恋愛したことは」
壱星「初恋もまだです」
翔琉「大丈夫、この馬田とか言うやつもだから」
智貴「いや、初恋ぐらいはあるし。彼女いた経験がないだけだし」


確かにこの中だと、智貴も彼女できた経験のない。


鈴晴「西坂でもあるんだから」
怜央「いや、こいつはこいつだからあるんだろ?俺よりも童貞卒業早かったし」
翔琉「それは知らん」
鈴晴「この前のこと話すよ?」
翔琉「いやそれは別に良いけど」
鈴晴「良いんかいっ」

と話している2人に、1年生が食いつく。

壱星「おっ?」
柚希「西坂先輩最近何かあったんですか?」
翔琉「何もないわけではない。」
智貴「何かあったから最近調子良いのか?」
翔琉「別にそういうわけでもない。でも今色々と複雑な状態。」


と、とりあえず事の経緯を話す翔琉。

翔琉「それこそ田島もあいつのこと見た日さ。幼なじみの女の子いるんだけど、映画見たいーって俺の部屋で映画見た後に、布団の中潜り込んでたらなんか…」
怜央「思い出しながらニヤけてるこいつ」
翔琉「恥ずかしいな」
智貴「恥ずかしいほどのことでもしたの?」
翔琉「いや、そんな、ちょっとしたことだよ?」


あんまり言いたくなさげだが、とりあえず話すだけ話そうとしている。


翔琉「キスされて、俺からもキスした。それだけです。」
怜央「ヤったのかと思った。俺だったら多分やってるわ」
翔琉「それは安藤だからだろ。さすがに付き合ってもない人とはしませーん」
智貴「どこかの白松とかいう先輩と同じパターンになるに1票」
鈴晴「そういえば風斗先輩も同じこと言ってからの今だからね」
翔琉「いや、実を言うと俺もそうなりかけたけどさ!」
柚希「あららら……」


彼らの先輩、白松風斗先輩も前に、付き合ってない人とはやりたくないとか言ってた。でも今になると……そういうことだ。


怜央「でもまあ、こいつ元カノとはやったことあるしね」
壱星「え、」
柚希「先輩ってわりと……」
鈴晴「こいつ表に出てないだけで考えてることは安藤よりもひどい」
翔琉「安藤よりひどいはないわ。」
怜央「むっつり野郎だな」

前に付き合ってた女の子とはいろいろ経験のある翔琉。


智貴「その幼なじみちゃんはどこの高校なの」
翔琉「双星女子」
柚希「うわあ、レベル高い」
鈴晴「俺見たことあるけどけっこう可愛いよ」
怜央「写真ある?」
翔琉「あー、SNS探せばあるかも」

と、翔琉は沙耶の写真を探す。


智貴「え、めっちゃ可愛い。お前ずりーな」
怜央「にやけるぞこいつ」
翔琉「うるせーわ。」
壱星「先輩、頑張ってください」
翔琉「いやいや、なんで」
怜央「顔真っ赤」
翔琉「もうちょっと考えたいわ!」

そうしてジャンバーを手に取って、ジャンバーで顔を隠し始めた西坂くん。照れるなって。


柚希「っていうか、俺的には、西坂先輩が安藤先輩より童貞卒業早かったっていう話が気になるんですけど」
翔琉「ただ単に俺が彼女いたのが1年生のときで、安藤彼女できたの2年生になってからってだけだ」
怜央「でも1年生の時やっちゃってるのには変わらない。ここ重要ね」
翔琉「ふざけんな、でも内容は安藤のほうがひどいからな!!」

鈴晴「安藤はだって、変態…」
智貴「しかもオープンしてるしょ」
怜央「西坂はオープンしてない変態。つまりむっつり」
翔琉「いや俺が変態って前提で捉えんな」


認めたくないのか分からないが、全否定する翔琉。

壱星「安藤先輩は清水さんとは付き合ってどれぐらいでやったんですか?」
怜央「1か月くらいかな?でもそれまでも2人の時ベタベタ触ってはいたけど。」
智貴「それが発展して結局最後までやっちゃって、今に至る」
怜央「そういうこと。」
鈴晴「お前らしい流れだわ」
柚希「こうやってみんな大人になってくんですね……」
智貴「そうだ柚希、いずれみんな経験することなんだ」
怜央「童貞はだまっとけ」
智貴「いつか卒業するし!多分…」
翔琉「多分、ね」
智貴「笑うなコノヤロウ」


まだ高校1年生と2年生だ。今後、どういう経験をしていくんだろう。恋愛も、もちろん部活も学校生活も。