仲間の青春
とある平日の放課後、白石工業のソフトテニス部を既に引退している3年生、原口涼吾と島澤大地がテニスをしたいと急に言い出し、そこで予定の合った渉太と風斗も連行された。
その後、みんなで夜ご飯を食べに行くことに。
渉太「あ、2人に言ってなかった気がする。俺、西星大行くことにした」
涼吾「まじ?部活推薦のやつでしょ?受けることにしたのか」
渉太「そうそう。藤田先輩に引き続き。」
大地「さすがうちの部のエースだわ」
大倉渉太くん、迷いに迷った結果、大学でソフトテニス部に入ることにしたらしい。引退後に確定したので、それからも会っていた風斗は知ってるが、クラスも違うし、家の方向は同じだけど全然会わなかった他2人は知らなかった。
風斗「白工進学率低いから新鮮な感じするけどね」
涼吾「アホ高だもん。」
渉太「俺も部活推薦だから大学行けるみたいな感じだけどね。」
風斗「渉太って評定平均どんなんなの?」
渉太「4.1」
大地「頭良」
渉太「いや、普通だったらこの成績で白工から4大行けないから」
でもこの中では1番成績は良いみたい。
大地「てか花音は大学どこ行くのさ」
涼吾「あー、南高だしね。やっぱ頭良いとこ?」
渉太「さくら市にある西部医大の看護学科だって。しかも推薦」
風斗「え、近くない?」
渉太「わりとね。県内の国公立の看護学科で1番頭良いとこみたいだよ。」
涼吾「だから西星大に決めたのか渉太」
渉太「その前から決めてましたけどー」
西星大もさくら市。すぐ行ける距離だ。
渉太「じゃあ風斗、ひなたちゃんはどこ行くのか知ってるの?」
風斗「歯科専門学校だって。」
涼吾「ってことは歯科衛生士?」
風斗「うん。女性が一番働きやすいって言われる職種らしくて決めたらしいよ」
大地「風斗の姉ちゃんもそこじゃなかった?」
風斗「まあ今年3年生だからもう卒業だけどねー。」
風斗は彼女ではないが仲の良い女の子がいる。栄高校の白井ひなたちゃん。風斗は就職だが、ひなたちゃんは専門学校へ行くみたいだ。
大地「結局俺は高校で恋愛する気配なし……」
涼吾「好きな子作ればいい話なのに」
大地「できませーん。中学から恋愛してませーん。」
渉太「まあ涼吾はいるもんね?」
涼吾「まあ……。」
実は涼吾さん、渉太よりも先に彼女できていた。同じ高校の数少ない女子で、中学も同じだった後輩だ。学祭時期の話で、彼らも学年別大会の遠征の時に聞いた模様だ。
大地「俺は涼吾と同じクラスだから知ってたけど、みんないつ知ったの?」
風斗「学年別大会の遠征の時に安藤が彼女いたって話した流れでこいつがいきなり言い出した」
大地「あーなるほど。俺も学年別出たかったけど組む人いなかったもんなー。」
大地は学年別大会は不参加。元々この1年間は2年生の田島鈴晴と組んでいたので、そもそも組む人が見当たらなかったらしい。
渉太「しかも中学の時のテニス部の後輩」
大地「それな。俺一応一部始終知ってるからね?」
風斗「てかこの中で俺だけ中学違うわ」
涼吾「でもわかるしょ?誰かは」
風斗「わかるよ?西坂と同じクラスの髪の毛長いほうの子でしょ?」
涼吾「あーあのクラス女子2人しかいないしね。そうだよ」
学科によって女子の多い少ないがある工業高校。2年生だと、例えば安藤のクラスは女子0人だったりなどもある。
渉太「つーか、俺らの代の西中テニス部ほとんど彼女できたことあるよ?ね、島ちゃん?」
大地「大丈夫、まだ金坂がいる。」
風斗「分からんよあいつも意外とモテるぞ。本人気づいてないけど」
大地「洸も中学の時いたし、彩斗は今ラブラブしてるし」
涼吾「俺と渉太でもできたんだから」
大地「原口大倉だけは信じてたのに……」
涼吾も渉太も今夏に彼女ができたが、二人とも彼女できたのは人生初言っても過言ではない。そもそも涼吾は恋愛する要素もなかった。
風斗「俺まだ詳しく聞いてないんだけどさ、涼吾は学祭の後どうやって恋愛に発展したの」
涼吾「んー。でも学祭まではお互いすれ違って他人のフリみたいなことしてたんだけどさ」
大地「学祭の準備の時に係同じで久々に話していきなり仲良くなった奴な」
涼吾「まあそんなもん。学祭終わったあとだけどね付き合ったのは」
学祭の時に、各クラスで係分担に数人抜擢される。その際に一緒に携わったのがきっかけらしい。
涼吾「で、ある程度して向こうから告白されて、でもちょっと考える時間ほしいって言って、5日くらいで返事はした。」
渉太「花音がね、涼吾に彼女いるって知った時めちゃくちゃびびってたよ」
涼吾「だろうな。こんな地味な面白くない奴」
渉太「むしろ高校入ってから騒ぎ始めたな」
大地「まだ魅力があるから告白されてんじゃん。」
風斗「コンタクトにしてから雰囲気違うもん」
涼吾「それは関係ない」
涼吾さん、後輩の安藤怜央がコンタクトにしたタイミングで、便乗してコンタクトを着用し始めたのだ。
風斗「んで、どこまで行きました?」
涼吾「期待されても何も無いよ」
渉太「お前らしいというか……」
大地「渉太はゲス野郎。風斗は欲求不満オヤジなだけ」
風斗「さりげなーくdisるのやめてこの非リア野郎」
大地「しー。」
意外とこの人たち、恋愛への入り方が……。ってなるが、そこは置いとこう。
渉太「俺も付き合う前にもやっちゃってたもんな、風斗のこと何も言えないもん」
涼吾「渉太のくせに考えてること怖いんだって」
風斗「花音ちゃんさえ良ければ遠慮なく、みたいな感じじゃない?渉太って」
大地「まだ彼女のこと気にかけてるだけまし」
渉太「でもその時本当にやる?みたいな話振ってきたの花音だから」
大地「花音も花音だからね」
渉太「それなんだよね」
渉太の彼女は可愛い上に、コミュ力もバッチリなのでさらにモテる。中学生の時もイケメンな先輩と何回かヤったという噂もちらちらと流れていたのだ。本当なのかは分からないが。
涼吾「でも渉太もよくずっと好きでいられるなあって。」
風斗「中学生の時も好きだったんだっけ?」
渉太「うん。告白とかなにもしないまま卒業しちゃってそれからは何も関わり無かったけど、夏休みに久しぶりに会って相談受けてからまた好きになった。」
大地「懐かしいね、中学の冬場の部活で体育館使う時、女バレと時間合った時の渉太」
渉太「みんなにいじられる。あれは。」
中学の時に渉太が花音のことを好きだったのは西中テニス部はだいたい知っている模様。どころか、ネタになってたみたい。
涼吾「でもラブラブだよね。」
風斗「写真がもう絵になるカップルって感じ」
渉太「あざっす。」
大地「にしても花音も南高生で受験生なのによくあんなに遊んでるよなって」
渉太「そのくせに成績良いからね。彩斗も最近花音にテスト勝てないみたいだよ」
涼吾「えぐいな。頭良いもんねあの人」
渉太「中学の時も学年1位とか結構とってたしね。」
頭の良さだけは桁違いだよ、と言う渉太。緑陽南高は県内でもトップ3に入る高校で、受験の倍率もかなり高い。
大地「俺も幸せになりてー!」
光留「何かが残念。」
大地「いや、ひど」