司の誕生日
12月1日。テストが終わり、ひと息ついた土曜日に、部長を1年間務めた川岸司の誕生日がある。と同時に昨日、司は大学の推薦入試の結果が来て、見事合格となったのである。
瑛太「つーか、ほとんどみんな大学決まったしね」
優聖「俺らは大学も同じ。」
瑛太「また永井川島頑張るか。」
瑛太と優聖は同じ西星大学へ進む。優聖は今年の春までは大学選択に迷っていたが、6月
インハイ予選での悔しい思いをしたことから、大学でもテニスを続けたいと思ったのだ。瑛太は元から西星大に進学するつもりだったんだけど。
春太「この中で俺だけじゃん、結果まだなの」
司「気長に待ちましょう。」
春太「あと一週間後か。」
みんな春から大学はバラバラだ。
瑛太「緑陽って誰か入んの?あと」
司「星の里の広嶋くんは多分受験会場にいたのと、あと北宮の松木将五と北別南野の橋下遥斗は分かる。あとは知らん。部活行けるのも冬休みからだし」
瑛太「将五も緑陽大なの?」
司「そう。会場で会ってそこから一緒に行動してた。終わってから帰りの電車も一緒に乗ったもん。」
瑛太「へー。俺今月遊ぶから話聞こー」
北宮高校の松木将五と親しい様子。瑛太はかなり前から遊ぼうと話しててやっと遊ぶ日が決まったとか。
優聖「西星大もそこそこ誰行くか分かる。颯も行くし。テニス部入るって言ってたし。」
瑛太「白石工業の大倉くんも行くって、藤田さん言ってたけど」
司「え、渉太進学なんだ?」
瑛太「それこそ、西星大の先生が藤田大倉の時から目つけてたみたいだよ。だから藤田さんも大学行ったって」
春太「へー。原口くんとかは就職なのかな?工業高校だし」
瑛太「そこまでは知らんけど。」
緑陽市にある白石工業高校は、偏差値もそこそこ低い上に就職率の高い高校だ。強い選手でも就職する人がほとんどだが、藤田さんや大倉くんは大学側から声がかかったとか。
優聖「あと一橋高校の河野くんもだったっけ?堀北さん言ってたよね」
瑛太「あー言ってたね。」
春太「堀北河野ペアまた見たいかも」
司「南が丘中の人だったからね元々は」
一橋市からさくら市へ進学する晴日や大紀同様に、逆のパターンの人もいるみたい。一橋高校もそこそこな進学校だ。
瑛太「はい。では今日は司のリクエストにお答えしましょうじゃありませんか。飯どこ行きたい?」
司「寿司」
優聖「即答とは流石」
司「ずっと食べたかったんだ」
というわけで、少しお高めの回転寿司のお店へ向かうことに。
瑛太「春太また色気増した?」
春太「何急に」
司「こいつのことだ」
優聖「最近べったり感が増してるなって写真見てて思う」
瑛太「元からべったりしてたのにね。」
春太「特に意識はしてなかったけど……」
彼女とラブラブな春太くん。実はもうすぐで付き合って……いや、復縁して1年経つらしい。
司「結局、俺だけかー。彼女できなかったの。」
瑛太「まあ、後悔のない恋できてるんならいいさ、司の場合は」
司「悔しいけど、その分玲一には頑張ってくれって思う。」
司は、一つ下の七星のことが好きだった。告白はしたが、振られてしまった。まあ本人は、ちゃんと告白できたから悔いはないみたい。
優聖「俺高校生のうちは滅多に会えないからなー。冬休みは大学の部活行くみたいだからほとんどこっち帰ってくるみたいだけど」
瑛太「優聖も何だかんだ幸せ掴んだよね」
優聖「何年越しなんだろうね。」
司「俺も大学で出会いないかなー。」
瑛太「司なら大丈夫だ。」
司「うー。これでも彼女できたことないんだからね俺ー。」
片思いで終わったことしかない司。でもクラスの女子とも沢山遊んだりとかもしてコミュ力高い男の子なので、今後に期待ですね。
春太「大学生かー。この前学生インドア観に行ったけどもう色々と違うなーって思ったよね」
司「本当ね。」
瑛太「二人共観に行ったの?」
春太「行ってきた。」
優聖「誘ってくれよ」
司「前日テンションで行くの決まったんだよ。こいつのせいで」
開催場所は男女で分かれていて、男子は江南市の体育館だったそう。
司「ってお前ら2人も学生新人戦見に行ったんだろ、後輩の地区大会すっぽかして、平田先輩の家にまでお世話になっちゃって」
瑛太「団体は県大会見に行くし。」
優聖「冬休み最終日っていうのがきついけどね。」
彼らもあと半年もしないで大学生になる。優聖と瑛太以外はバラバラだ。高校卒業までもあと3ヶ月。
春太「こうやって誰かの誕生日に集まるのも少なくなるな。」
司「最後は春太の誕生日じゃない?3月生まれが」
瑛太「俺の誕生日も忘れないでね。今月だよ。」
優聖「忙しい時期だから忘れそ……」
瑛太「去年は陽介と一緒にされたからな。悲しいよ。優聖は年明けだよね?」
優聖「そ。1月3日。」
ちなみに瑛太の誕生日は今月の20日だ。みんな、18歳になっていく。
瑛太「あ、司は今日でR18解禁か。」
春太「司は多分エロよりグロいほうが興味あると思う」
優聖「俺そういうの無理なんだけど気持ち悪くなる」
司「だから俺春太しか映画誘わないもん。こいつも何気にグロいの好きだから」
春太「R15指定のものそこそこ観に行ったよね 」
瑛太「春太はエロも好き」
春太「すーぐ話をそっちに持ってく。」
やはり野川春太といえばエロらしい。
と、春太がスマホをいじると、隣にいた瑛太か奪い取る。
春太「なーにしたいのさ」
瑛太「春太の写真フォルダ漁り」
司「え、見たい、なんかやばいのある?」
春太「いやあるっちゃあるけどもう手遅れだから諦める」
優聖「どんまい」
と、司も瑛太の横に来る。
司「うわ、これエロ」
春太「あー、それやめて、やめて本気で」
瑛太「珍しく反抗しないで照れてるなこいつ」
司「彼女の裸同然の写真とか全然あるじゃん」
春太「変態って言いたいんだろ?もう好きに言え」
優聖「こいつやっと認めたか…」
春太「自分の中ではとっくのとうに認めてましたよー。」
あら、どうやら変態って認めた春太くん。
司「そうか3人とも、エッチしたことあるもんねー?」
瑛太「何?話聞きたいの?」
司「気になる。」
瑛太「童貞くんの質問に答えてあげる。今日誕生日なんだから。」
司「童貞は余計だ」
春太「事実じゃん」
司「死ね、調子乗んな」
そもそもキスさえ経験ない司くん。中々両思いになることは難しいらしい。
司「優聖も、俺でもあるんだから的な顔で見るのやめなさーい」
優聖「いやまだ何も言ってないわ!言ってまだ1回だけだわ!」
瑛太「春太とは違ってね」
春太「すーぐ俺に話持ってくる。瑛太って奴は。」
でもまあ、春太くん、現役時代は話振られても騒いで反抗しかしなかったのに、今はなんか、落ち着いた様子だ。
司「てかそもそもなんでみんなそうやって付き合うまで発展するのさー。」
瑛太「司は好きになる子大体別の人とくっつくよね」
優聖「ああ……確かにね」
司「もう悲しくなってきた。」
春太「司って告白されたことはあるの?」
司「ないです。」
優聖「モテそうなのに」
司「クラスの女子に言われたことなんだけどさ、司はノリ合うから一緒にいると楽しいけど別に異性として意識したことないって。よく言われる。」
瑛太「まあ、確かにな。女子とも遊んだりするしね」
司「ただの友達しか認識されてないし、いや別に俺も好きかって聞かれても別にそうでもないし」
クラスで学級委員の司くんは、クラスの女子ともよく遊びに行く仲。でも、ただワイワイ騒ぐだけだ。
春太「司って多分大人しめの子好きだよね」
司「大人しめっていうか清楚っていうかそんな感じ?」
優聖「んで司の仲良い友達はだいたいパリピ系」
瑛太「確かに」
何かがダメみたいだ。司くん。
春太「でも俺もなんで可鈴のこと好きになったんだろうなー。」
司「何?嫌味?」
春太「違うわ。でも俺とタイプ全然違うもん。」
瑛太「可鈴は誰とでも仲良くなれるしね、俺も最初すんなり話せたもん」
春太「それもあるけど、あいつ目立つ系じゃん。俺全然じゃん。」
優聖「E組での春太みてるとたしかにそうだね。司とは大違い」
春太くん、部活でわーきゃー騒いでたくせに、クラスでは大人しめらしい。
司「どうせ俺は目立つくせに彼女できないんだろとか言いたいんだろ」
優聖「お前この辺の話になるとネガティブになるんだな」
瑛太「放っておけ」
司「ひどい」
そしていつまでもいじられる司くん。誕生日なのに、虚しい思いをする。
瑛太「とりあえずまあ、また集まりましょ。」
司「お前らの誕生日わざと忘れてやるわ」
優聖「え?ひどくない?」
春太「絶対忘れないよこいつ」
とても楽しい1日でした。