大学での練習後
同じ大学を希望し、既に合格が決まっている川岸司と、北別の南野高校の橋下遥斗。緑陽大のソフトテニス部は冬休みから、入学予定の高校生も練習に参加できる。
この2人は元々、中学時代の時から仲良い。中学の顧問が兄弟だということで、練習試合もよく組んだりしていて、その両校の部長である。しかもこの2人、人見知りなぞなく、誰とでも喋れる性格の2人。そりゃ、仲良くなるよね。
遥斗の電車の時間がまだ数時間あるので、2人はその辺でブラブラするみたい。
遥斗「司は次いつ来るの?」
司「んー。俺は別にいつでも行けるんだよな……。バイトもしてないし。遥斗は?」
遥斗「本当はもっと行きたいけど、通いすぎると交通費がなあ……。早く家決めたい」
司「俺は2月に引っ越すよ。2月から学校ほとんどないから練習行きたいし」
遥斗「まじ?みんなもう決めてるのかー。俺の親呑気すぎて」
司「いいじゃん。2月は俺の家来い?」
遥斗「そう来るか。」
なんて話していると、同じく部活帰りの、緑陽大の先輩である藤原冬馬先輩と、星の里高校3年生で緑陽大入学を決めた広嶋海星が来た。
冬馬「お二人さん、これから暇かい?」
遥斗「あ、俺実は3時間ぐらい暇なんです。ここからだと北別行きの電車が全然なくて」
司「俺はいつの電車でも帰れるので大丈夫ですよー。遥斗と同じ電車で帰れますし」
冬馬「よし、行こう」
と、連れてかれたのはレストラン。
冬馬「急にごめんね。」
司「俺、藤原さんにずっと聞きたいことあったんです。」
冬馬「ん?」
司「彼女さんって…いますよね?」
海星「あー、英香さんって西星だった人でしたっけ」
冬馬「いつかは言われると思ってたけどやっぱバレてたかー。」
そう。藤原先輩の彼女は、バイト先が同じで農大の野澤英香ちゃん。西星高校の卒業生だ。
海星「ちなみに俺の彼女と、冬馬先輩の彼女が仲良いから、たまに4人で遊ぶんだよね」
遥斗「海星くんのインスタに載ってたあれもそう?クリスマスの…」
海星「そうそう!あれはたまたま遭遇しただけだけど。てかこの先輩、彼女さんの家に住み着いてるから」
冬馬「余計なこと言わなーい。」
司「あれ、もしかして藤原さんって……」
遥斗「結構やってたりするんです?」
海星「そうだよ」
冬馬「おい」
まあ、そのようです。
海星と冬馬は高校時代も組んでて仲良かったが、彼女同士が親しいのがきっかけに、そして海星の進学先が冬馬の大学ということで、今もとても仲良い。
冬馬「遥斗もモテそう」
司「あれ、遥斗けっこう彼女変わらない?」
遥斗「言って3年生になってからは彼女いなかったけどね。今の彼女とは年末に付き合いました。」
海星「なんかもう、どこにいてもモテそうだもん。オーラが」
冬馬「今まで付き合った人数合計は?」
遥斗「んー。今の人で……9ですかね?」
司「やば」
ちなみに遥斗の今の彼女は、北別商業高校のソフトテニス部の女の子。友人通じて、大会の時に知り合ったとか。
遥斗「俺と6年間ペアだった中村信人のほうが多いです。」
海星「うわあ、橋下中村ペアたしかにめちゃくちゃイケメンなペアだとは思ってたけど」
遥斗「2人して続かないのが難点だけど。」
冬馬「北別の3年生はプレイボーイ多いよって北別出身の星の里のとある奴が言ってた。あの話本当っぽいな」
遥斗「健斗のことですね」
冬馬「そうそう。あいつも中々だけど」
遥斗「1年前?に健斗が花野の2年生とヤった話はだいぶ有名ですよ」
星の里高校の3年生、中藤健斗も北別出身なのだ。その健斗もまた、色々と経験が豊富なお方で。
司「なんか、うちのエロ代表野川春太が中藤くんとだいぶ話合うって言ってたから多分そうなんだろう…」
遥斗「花野高校の2年の女子で、前の県大会でもベスト8入った下田新谷ペアっているんだけど、その新谷雅って言う子が今の話の女の子。この話、北別のソフテニではわりと有名な話。」
冬馬「でも健斗今は彼女とラブラブしてるよね」
遥斗「してますね。」
司「北別といえば、明比高校のペアもイケメンだなって思った。」
遥斗「あー、駒田吉森ペア?」
司「そうそう!俺当たったことあるの。相手めっちゃイケメンじゃんって花田陽介と話してた」
遥斗「吉森が少年団上がりだからあそこは強かったなー。俺も勝ったこと早々ないや」
海星「俺的にはねー、花野高校の関口くんもかっこいいと思った。俺達選抜予選で当たったし、健斗の知り合いだから写真見せてもらったこともあるけど。」
冬馬「北別ってイケメン多いんだね。って思ったけど緑陽大の北別出身が既にそうだわ」
遥斗「中学まで北別だった先輩多いですしね。」
緑陽大の先輩には、北別の中学校出身が多数。彼らの先輩世代は北別の中学校が強くて、高校は北陽だったり星の里だったり進学して活躍する選手も多かった。勿論、地元で残って活躍していた選手もいて、その世代の花野高校からはインターハイも出場しているベアがいた。
司「西星の男テニもヤリチン多いって言われてますからね。西星生には」
冬馬「例えば誰?」
司「藤原さんと同い年だったら、南田藤木ペアの藤木悠斗先輩ですかね。あとモテるのは峰川先輩とか、南田先輩とか。」
冬馬「あー。なんかそんな雰囲気してそう。てか懐かしいな、南田藤木とかあの意外と厄介なペア」
藤原先輩は一応県内でも代表する選手だが、やはり西星高校は南田藤木ペアがやりにくかったみたい。
司「でも今はわりと、好きな人にとことん手を出す人が多いですかね、西星は。野川春太もそうだし、川島瑛太も北戸真司もそうです。」
冬馬「意外とみんな男だな。」
海星「先輩人の事1番言えないくせに…」
冬馬「あれ?付き合う前にエッチした男に言われたくないな?」
海星「ほぼ毎日彼女さんとエッチしてる人に言われたくないです。」
冬馬「今の俺らの会話で俺らの酷さがこの2人に知れ渡ったな」
海星「今更です。」
言いながら笑っている海星と冬馬先輩の2人。
遥斗「ぶっちゃけ俺も経験人数は周りに比べたら多いほうだと思うので、俺も傍から見ればひどい奴なのかなと思いますよ。」
冬馬「遥斗、気をつけてな、緑陽大にもヤリマンその辺にいっぱい転がってるから」
海星「春木先輩の話はとても笑えないけど笑っちゃいますよね」
冬馬「あれは誰でも笑うわ。春木と一緒にいた女の子が酒の勢いで春木のこと襲おうとしてたの」
緑陽大で、冬馬先輩と同じ1年生の春木先輩 。北陽学園高校卒業で、インターハイでも活躍し、大学生となった今でも活躍している人だ。
司「それってどういう場所でどういうシチュエーションだったんですか?」
冬馬「その女の子の家で。学部の友達の集まりだったから俺もいたんだけど、男女何人かで集まって酒飲んでて、突然春木が消えたと思ったら、個室に連れてかれてたらしく、目の前で急に裸になったとか」
海星「結局どうだったんでしたっけ?」
冬馬「春木のことだ。」
海星「あー、はい。そういうことですね。」
海星は納得したようだ。
遥斗「春木さんもわりとそこそこなお方なんですか……?」
冬馬「多分緑陽大の1年生の中……いや、あの代の北陽の中でも1番かな。あいつ結構ヤリチンだよ」
司「やっぱりテニス部って学校に1人はそういう人いますよね」
海星「紺野先輩が前に言ってましたよね、緑陽の俺と同世代はそういう噂持ってる奴ばっかだって」
冬馬「言ってあいつも最近付き合いそうな女の子いるからな」
遥斗「えっそれ本当ですか……?」
冬馬「好きな子と上手くいってるみたいだよ。詳しいことは知らんけど。」
海星「最近の紺野先輩嬉しそうでしたもんね」
冬馬「ホントさ。ほらあいつって北陽のレギュラーだったからソフテニの人からすれば有名人しゃん?最初そんな感じで話しかけられた女の子と仲良くなったらしいよ」
司「あー、そういう出会いもあるんですね」
冬馬「司も有名人だからな。あるかもよ?」
司「いやあ、西星と言えば野川春太か野本智しゃないですか。」
紺野先輩が今仲良い女の子は、明峰北高校でソフトテニス部だった子らしい。紺野先輩自身も今、その子のことが好きみたい。
海星「実際のところ冬馬先輩もこう見えて高校まで恋愛経験何もなかったからね。大丈夫。」
冬馬「みんなに言われる。」
遥斗「意外と、高校まで恋愛しまくってた人がずっと独り身のままっていうパターンもあるみたいですね。…南野の副顧問がそうらしいんですけど」
司「とりあえず俺は、幸せな恋というものをしたいです。」
冬馬「俺でもできてるんだから余裕。」
冬馬先輩自身も、自分がこうやって好きな女の子できると思わなかったらしい。
冬馬「つーか、司は英香とは知り合い?」
司「ではないんですけど、男テニのマネの先輩や女テニの先輩と仲良かった人だったと思うので、それで一方的に知ってるだけです。」
海星「え、西星ってマネージャーいるの?」
司「今も2年生にいるよ。」
遥斗「北別でマネのいる学校なんて商業しかないや。」
冬馬「でも確かに西星男子のところに1人女の人うろついてんなとは思ったけど」
司「多分藤原さんが見てるのはそれこそ英香先輩の友達です。伊吹先輩って言うんですけど」
冬馬「ボブの子でしょ?」
司「そうです。伊吹先輩は中学まで吹奏楽やってて、部員に誘われて高校でマネになったみたいです。俺も昔から仲良かったんですけど」
冬馬「あー。あの人がそうだったんだ…全然気づかなかった」
司の一つ上の、西星男子のマネージャーだった豊口伊吹先輩。今は社会人をしているが、高校ではマネージャーを3年間務めた。
遥斗「あ、分かった。俺の先輩も西星のマネ可愛いって言ってた」
司「俺の学年からも後輩からも人気あった。」
海星「やっぱマネっているとどうなの?」
司「んー、でもみんなのお母さん的存在。伊吹先輩は口悪いしすぐみんな怒られる」
冬馬「いるいないだけで結構違うんだろうね。色々と」
司「そうですね。部室の掃除しないとマネに怒られますし。」
マネージャーがいるからきっちり生活が送れてると実感しているらしい西星男子。
海星「俺達はそういうポジの人が部員の中に既にいたからなー。谷本悠海が」
冬馬「裁縫セット常備してるからあの人。誰かが何かを破いたとかあってもすぐ直してくれる。」
海星「しかも短時間で綺麗に…。俺も短パン直してもらったことあります。あと掃除も完璧」
海星「定期的にお菓子作ってきて持ってきますからね、しかも見た目も味も良すぎる」
星の里高校の3年生には、海星とペアだった谷本悠海くんという男の子がいる。とても家庭的な人みたいだ。
遥斗「そういう人こっちいない……」
司「でも信人まだ綺麗好きじゃない?」
遥斗「俺よりはね。」
遥斗のペア、信人くんはまだ綺麗好きなほうだ。でも何かが適当。
冬馬「まあ、繋がりってすげえな。」
遥斗「俺も昔から憧れの先輩方と春から同じ部活っていう実感がないです。」
司「それ分かる。」
冬馬「俺も同じこと思ったよ。県内外から集まるからねこの部活。」
海星「俺たちもそういうこと言われる身になりたいですね」
司「海星は既になってる」
遥斗「それ」
海星「そうかな?大和とかなら分かるけど…」
海星は星の里高校でもレギュラーに入っていて、団体戦にも貢献していた1人だ。
冬馬「てか俺、誰がテニス部入ってくるとか練習来てる人以外知らないんだけどあと誰か知ってる?」
海星「明峰農業の蛯名くんはわかります」
遥斗「え、それ本当??」
海星「大和が蛯名くんと仲良いから、本人から聞いたんだって。」
明峰農業の蛯名くんは、中学時代からも強者選手の中からも注目されていた1人。どんな経緯かは分からないが、星の里のトップエース、藤守大和とも親しいらしい蛯名くん。
蛯名くん側から大和へ、緑陽大へ進学する人いるかどうか聞かれたらしいそうだ。
司「俺知ってる限り後衛ばっか…。テニス部入るか分からないけど北宮の松木将五も緑陽来ます。」
冬馬「それは誘え。」
司「頑張って誘います。」
沢山話して、この日は解散。春からは3人も、緑陽大ソフトテニス部の仲間入りだ。楽しみだ。