星の里組の帰省





新年も明けた日のこと。南が丘中から星の里高校へ進学した山岡広夢と小松飛鳥が、昨日から帰省している。でも明日で帰るというので、新年1発目から、長江くんの家で、南が丘中男子ソフトテニス部の、全中出場した代のレギュラー会を中学生ぶりに開くことになった。

星の里2人と、西星の長江修太、南陵の国本涼輝・古澤安喜組、そして軟式を続けてはいないがこの時のレギュラーのもう1人、志賀瑞士もいる。本当は軟式を続けてるメンバーで集まる予定だったが、このメンツなら志賀も呼んじゃえ、ってことだったらしい。



広夢「飛鳥と唯里どうやら大人への1歩踏み出したらしいよ」
飛鳥「初っ端からその話題出すのやめてくれる?」
広夢「この話するって言ってたじゃん」
修太「何?そんなの聞いてないんだけど」
飛鳥「お前相変わらずそういう話好きだよな、この変態野郎が」
修太「だからどうなのって?」
飛鳥「ああ……うるせえよ。11月に。」


付き合って早2年になろうとする彼女がいる飛鳥。遠距離恋愛中だが、ラブラブのようだ。

飛鳥の彼女は、西星高校の1年で女子ソフトテニス部にも所属している滝下唯里ちゃん。2つ上のお兄ちゃんが、西星の男子部だったのだ。

涼輝「いつの間にお前」
飛鳥「ヤって付き合った長江には負ける。」
広夢「え?そうなの?」
修太「全部唯里から聞いただろ」
飛鳥「そうだよ?」
瑞士「しかも長江の彼女って美桜でしょ?」
修太「俺の話の前に飛鳥の話聞こうや」
安喜「逃げやがった」

話が逸れかけたが、長江くんのおかげですぐに戻る。


飛鳥「俺のペアの大橋*岳人と話しててさ、あいつと恋バナしてる時にそういう話になって。岳人けっこうその辺やっちゃってるから」
広夢「可愛い顔してね」
飛鳥「のくせしてあいつ結構考えてることひどい。中身は千葉みたいな奴だよ。最初聞いた時びびったわ。」
広夢「さすが実家通いは違う」
飛鳥「で、その時何人かやってきて話盛り上がって、その時に決意した。」
修太「星の里ってやっぱ彼女持ち多いの?」
飛鳥「西星には負ける。」
広夢「飛鳥と岳人と…あと吉岡徹也と村瀬先輩は、多分部内みんな知ってる。3年生はなんか引退してから増えた」


星の里高校は、女子ソフトテニス部は部則で恋愛禁止だが、男子部はそうでもない。だからけっこう多いんだけど、でも星の里高校自体が数年前に不純異性交遊問題が起きて、女子の強豪部はほとんど恋愛禁止なのだ。今のところ男子はそういう部活はないんだけども。問題起こさなければね。


涼輝「でも星の里の1年ってなんかイケメン揃ってる」
広夢「大橋小松は長身イケメンペア」
飛鳥「あ、俺褒められた?うれし」
安喜「てか大橋くんって前に飛鳥に話しかけられた時に一緒にいた人だよね?」
飛鳥「そう。」
修太「あ、見事に5人揃ったやつだ」
瑞士「なにそれ」
涼輝「硬式奴は黙れ」


実はここのエースたち、1年生ながら高校でも活躍して、9月の新人戦の県大会では、硬式続けている志賀くん以外の5人が揃ったのだ。まあ、時間が足りなくて、一瞬だったけどね。


飛鳥「んでまあ、たまたま11月に日曜日部活休みが被った日があって、その時に。」
広夢「土曜日大会終わって直で実家帰っただけある」
修太「あああれか、こっちで女子が土曜日に一般インドアあった次の日か」
飛鳥「多分そうだと思う。俺もだったけど、西星もテスト前だったから日曜日休みみたいなこと言ってた」

瑞士「その日はどこで遊んでたの」
飛鳥「ずっと俺んちだけど。ふふふ」
安喜「きめえこいつ」
広夢「直後のほうがキモかったから。次の日のこいつやばかったから」
修太「そりゃあ普段からラブラブなカップルですもんね」
涼輝「ちなみに今回は会ったの?」
飛鳥「今回はこっち帰って来てすぐに会いに行きましたー。」

飛鳥はすぐに彼女に会いたがるようだ。しかも落ち着くとこで二人きりでいたいらしく、どちらかの家に行くことが多い。

修太「昨日は何したの?ねえ?何したの??」
飛鳥「その期待にお答えしますよ」
涼輝「長江と飛鳥だけで話してろ、もう」
飛鳥「やだなーこのむっつりと一緒にされんの」
修太「死ね」


西星の中でも散々言われてる長江くんだが、この人たちの中ではそのずっと前から浸透されてるみたいだ。むっつりスケベだって。



安喜「志賀も彼女いたよね」
涼輝「一瞬だけね」
飛鳥「それまじ?」
瑞士「夏休みに付き合って先月別れた子ならいる。」
修太「まあ志賀はすぐ彼女できる」
飛鳥「南が丘ソフテニ部のモテ男」


この中でモテるのは志賀瑞士。高校でも女子とよく話すので、告白されたことも多い。

広夢「飛鳥はね、彼女とラブラブなイメージ強くて誰も好きって言わない。と思う」
飛鳥「女テニ1年にも言われた。唯里の知り合いばっかだし」
修太「お前のSNS見てたら分かるわな」
広夢「羨ましいものですわ。」
安喜「山岡は何も無いの?高校で」
広夢「高校どころか相変わず何も無いわ。」

修太「飛鳥の話はね、美桜と唯里が仲良いからよく話聞くんですわ。」
飛鳥「こっちのセリフ」
涼輝「そっか唯里西星だっけ」
修太「俺は学科違うけどねー。美桜と唯里は同じクラスで。まああそこジュニアの時も仲良かったけど」

美桜は高校ではテニスを続けていない。たまに、長江くんの試合を見に来たり、現役時代の知り合いのところに会ったりしてるなど。



瑞士「実際のところ、どんな雰囲気からエッチに発展するの」
飛鳥「ストレートに聞いてきたぞこいつ」
瑞士「単純に気になる。俺まだベロチュー止まり」
修太「俺の場合は美桜に乗せられただけ。」
涼輝「っていう言い訳」
広夢「でもそれって結局やったのには変わりないじゃん」
修太「俺最近この辺の話、部活の中でもいじられるんだけどお前らそれ以上だわ」

長江くん、もう諦めましょう。

安喜「でも俺にとっても未知の世界だから話聞きたい」
涼輝「それはある」
飛鳥「もしかしたら誰かは一年後とか2年後とかに経験してなくもない」
修太「飛鳥はともかくこんな俺でももう童貞卒業できたんだから」
瑞士「まあこの辺の話でわーきゃー騒いでいれるのは今のうちだ。姉ちゃん見てたら分かるわ」

瑞士のお姉ちゃんは、瑞士と6個離れている。白樺商業高校卒業してすぐに社会人になるが、頻繁に彼氏を家に連れてきて、しまいにはその一年後に子供を産んだらしい。というわけなので、瑞士には2人の姪っ子がいる。



涼輝「安喜も何気に恋愛する気配ないよね」
広夢「意外とね。良い男っぽい見た目してるこに」
安喜「女子と話すの慣れない。会話すぐ終わっちゃう」
修太「そういう人ほど彼女できた時見違えるほどに変わる」
安喜「いい出会いがあればいいけど。」
修太「北戸先輩いるじゃん。今の彼女と出会うまで女と全然関わることもなかったらしいよ。」
広夢「あー。ラブラブだよね。」

ちなみにこの人たちは、西星の3年生の北戸真司とは中学は違うがジュニアが一緒で、お世話になってる。安喜以外の5人は、ジュニアからの仲間だ。



飛鳥「星の里のテニス部も恋愛盛んだからね。恋バナ盛り上がる」
広夢「中1から3年付き合ったのに高校入って部活忙しくなったせいで振られた奴もいるし」
修太「ちなみに誰なの」
飛鳥「畑中空真。畑中本間ペアの」
修太「あー。わかった。」
広夢「あと意外と恋愛体質なのが村瀬先輩。」
涼輝「やっぱ意外といるんだね。」


星の里高校の男子ソフトテニス部は恋愛に関しては特に禁止令も出ていない。




涼輝「みんな幸せだよね。」
安喜「お前が言うか」
涼輝「あれ別に付き合ってない」
安喜「でも好きなんでしょ」
広夢「何?やっと涼輝も新しい恋できたの?」
涼輝「いやお前絶対馬鹿にしてるな」
修太「誰だよずっと未練タラタラだった男」
涼輝「それはそれ。過去の話」
瑞士「こいつ、なかったことにしてる」

涼輝くんもかつて、何かあった模様だ。


涼輝「まあ、仲良い人はいるけど」
安喜「付き合ってる同然でしょ」
涼輝「付き合ってねーよ!」
飛鳥「どっちなの?」
涼輝「違、女子と話してただけなのにテニス部の奴らが」
安喜「ラブラブじゃんとかみんなで茶化してる。ちなみに女テニの子なんだけど、女テニ側も」
修太「え、誰」

涼輝「上原杏菜。長江の彼女の元ペアだ?」
修太「まじで?」
広夢「てことは星華中だった子なんだ」
瑞士「え、あのめっちゃ可愛い子でしょ?中学の時さ、美桜のペア可愛くね?って俺ら話してた」
広夢「あー思い出した、つーかお前じゃん涼輝、可愛い言い出したの」
涼輝「まあ中学の時からずっと可愛いとは思うけどさ」


涼輝が仲良い女の子は、南陵高校の女子ソフトテニス部の上原杏菜ちゃん。星華中でソフトテニス部だった子で、偶然にも同じ高校、同じクラスらしい。それで仲良くなったとか。



飛鳥「良かったじゃん」
涼輝「でもまあ、杏菜のことは好きだよ」
修太「おお??」
飛鳥「顔真っ赤ー」
涼輝「あーもうこの話やめ、やめ!」
瑞士「今度会う時進展あったら話聞かせてね」
涼輝「いやだ」
安喜「俺がいるから大丈夫」
広夢「まかせた安喜」



涼輝くん、今後幸せになっているといいですね。



瑞士「ところで長江?」
修太「へ?」
広夢「この流れでお前だけスルーはさせないよ?」
修太「ねえ怖い怖い、」
飛鳥「どうせお前が変態なことぐらい全員知ってるんだから話してもいいじゃん」
修太「てめえら死んどけ」

やはり、どこでもあまり話そうとしない長江くん。


修太「何を話せばいいの」
瑞士「俺何も知らなーい。」
修太「1から話せって?」
安喜「聞きたい」
涼輝「聞きたい」
修太「…まあ断ってもうるせーし、今日だけな。」

まあこの人たちだからと、1から話すことにしたらしい。美桜とのやり取りを。


修太「高校上がるときに学年のライングループあるじゃん。それで、美桜から久しぶりー!って友達追加来て、そこから話し始めた」
涼輝「ジュニアの時そこまで仲良くなかったくせに」
修太「みんなに言われるそのセリフ」
瑞士「当時を知っている俺らからしたら最初は意外な組み合わせだと思った」
安喜「俺知らないから何も言えない」
飛鳥「安喜だけ中学からだもんな」

修太「んで、こいつの彼女と美桜が同じクラスなのもあって学校で話すようになり」
飛鳥「そして俺が色々と長江のことを質問されるようになり」
修太「そうだったの?!」
飛鳥「そうだよ?俺がベラベラ長江のこと喋った」
修太「いや、お前、余計なこと言ってないよな?」


美桜がクラスで仲良いのは唯里。美桜は最初から長江くんに気はあったらしく、それに協力した唯里が彼氏の飛鳥に色々と聞いてたみたいなのだ。というのも、長江くんは初耳なようで。


修太「美桜本人は、中学の時俺の試合見てて、その時から気になってたらしいよ」
広夢「まあ、試合中の長江は本当に凄いから俺からも尊敬するわ」
瑞士「試合中は、ね」
広夢「うん、試合中は」
修太「無駄にそこ強調すんな」


かっこいいプレー、かつチームには欠かせないしっかり者の長江くん。主将をしていただけあって、彼らからの信頼感も高い。パワーのある後衛選手なのだ。



飛鳥「そして長江が家に連れて色々として付き合って…」
修太「お前マジでぶち殺すよ?」
飛鳥「さーせん。どうぞ説明の続きを」
修太「いやあの、その日俺が追試で時間的に部活行けなくて帰ろうとしてた時に美桜に会って、久々に妹とかに会いたいって言われて家に連れてっただけ!!最初は!!」
涼輝「でも結局?」
修太「うん。部屋に荷物置きに行っただけなのに美桜が上がり込んできて、まあ我慢できなかったよね。俺もその時既に美桜のこと好きだったもん」

安喜「出ましたむっつりスケベー」
修太「むっつりは余計」
安喜「スケベは認めるんだ」
修太「そういう事じゃない」

と、安喜のことをぶっ叩く長江くん。


安喜「いてえよ、この馬鹿力」
修太「今度は思いっきりぶん殴ってやろうか?」
広夢「ラケット振る勢いでね」
瑞士「長江のラケット振る勢いはやばいって、」
飛鳥「死人出るなそれ」
修太「正直飛鳥に1番やりたいわ。」
飛鳥「ほらすぐそう言うー。」



やはりいつまでも仲良い南が丘中メンバー。瑞士だけ軟式を続けていないのが残念だか、他の5人は今後の大会でも顔を合わせれたらいいですね。




涼輝「次いつ帰れるの?春は無理でしょ?」
広夢「そうだねー。お盆かな?」
飛鳥「その前に県大会で会おうや。涼輝たちも長江も県大決めたんでしょ?」
広夢「俺達も地区大会今月末だから頑張るわ。」
修太「待ってるわ。」
瑞士「いいなみんな、俺も軟式やってれば…」
安喜「どんまい野郎だ」