春休みの夕方






長江くんたちは高校2年生に上がった。先日までの高校選抜も終わり、一休みできないうちに今度は西支部大会が行われる。

まだ春休みの日。夕方、部活を終えて家に帰ろうとすると急に電話で呼ばれ、近所の体育館にお呼ばれしたらしい。

電話したのは、南陵高校の新2年、長江くんと同じ中学である国本古澤ペアだ。



修太「なぜお前らは俺を呼んだ」
安喜「でも来てくれるから好き」
修太「調子乗んな。」
安喜「あー、まって、涼輝の恋に進展あった話したいからその前に打とう!!!」
修太「あ、じゃあ乗った」
涼輝「安喜てめえふざけんな」


囮にされた涼輝くん。まあ、しょうがない。



修太「てか、飛鳥と山岡も東支部出るらしいよ?この前飛鳥の母さんに会った」
涼輝「てことは俺ら3人とも西支部出るし、5人みんなってこと?」
修太「まああいつら星の里だから東支部なの惜しいけどね。」
安喜「それはある。」


5人ともダブルスで、新2年生ながら、規定のポイントを達したようだ。流石。





テニスをした後は、3人で近所のレストランへ。中学校のすぐ近くで、たまにみんなで行ってたところだ。




涼輝「長江って高校でペア組んだのって、千葉と村井さんだけ?」
修太「あー、小谷先輩も組んだことある。インハイ予選の時。」
安喜「あ、1年生最初の大会ちゃっかり県大出たやつな、お前」
修太「涼輝もその時南陵が団体で県行ったレギュラーだったじゃん。」
涼輝「でもあの時は個人戦はダメだったわ。野田さんに負けた」


長江くんは、1年生最初の県大会がかかった地区大会で勝ち抜き、北別の県大会に出場していたのだ。個人戦は。
その大会では団体戦で南陵高校は県大会出場を決めており、涼輝は1年生ながらレギュラーとして出ていたのだ。



修太「にしても今の南陵揃ってるよね」
安喜「結構ね。先輩2人しかいないけど、同学年結構」
修太「あー、小山先輩と堀田さん以外下級生かみんな。すげえな」
涼輝「まあ秋は東商に負けて選抜予選逃したけどねー。でも1年生ばかりのチームで4位もすごいと思わない?春日にも勝ったし」
修太「春日に勝っての4位はすごいと思うよ。たしかあの時さ池村野田ペアも負けたしょ?」
安喜「そう。勝ったの涼輝と梅ちゃんだっけ?」
涼輝「そうだね。俺ら団体の時ペアぐっちゃだったよね。」


南陵高校は、新2年のエースのこの2人をはじめ、先輩には南聖中出身の2人、小山先輩と堀田先輩がいる。また他にも中央中出身の梅原祥二郎、栗田康夫、そして桜ヶ丘中の川端波瑠、北斗中の星英二などと言った選手がいる。みんなキャラが濃くて部活も楽しいみたいだ。




修太「ところで涼輝の恋バナは?」
安喜「あー、いいよ。涼輝くん?」
涼輝「なんで安喜が権限持ってんの。まあ長江はちゃんと聞いてくれるから言うけどさ。」


涼輝もちゃんと、話すみたいだ。
中学の時も恋愛相談していたみたいだ。



涼輝「バレンタインもらったの。」
修太「まじ?」
安喜「しかも突然涼輝だけ呼ばれてね」
涼輝「部活終わりだったから男テニ全員に見られてたけどな」
安喜「その後男テニのネタになる」
涼輝「本当よ。それでホワイトデーの時に、お返しがてらごはん誘ったの」


あれ、意外と順調そうですね?
涼輝が片想いしている女の子は、同じ高校の女子ソフトテニス部で同級生の上原杏菜ちゃん。中学は星華中で、中学時代は長江くんの彼女の梅田美桜ちゃんと組んでたらしい。ちなみに、後衛選手だ。



涼輝「でも、前よりもっと仲良くなったぐらいだよ?そんな、告白とかもしてないし」
安喜「嘘。他にもあっただろ」
涼輝「安喜いったん帰れ。」
安喜「ひど。」
修太「まあ何かはあったのね、」
涼輝「部活終わりに、一緒に帰ったことある。」
安喜「んでその時にお互いの過去の話をしたらしいよ。」
涼輝「しかも杏菜から話振られた。」



お互い昔の恋愛話をしたらしい。そしてより、距離が縮まったとかですかね?



涼輝「いつになるかわからないけど、一応、告白しようかな、とは思い始めてる」
安喜「あ?まじ??がんばれ」
涼輝「お願いだから他の男テニに言わないでくれ。茶化されるから」
安喜「分かったけどさ。」
修太「でもわりと仲良さそうだし、言ってみればいいじゃんね、」
涼輝「言わなきゃ始まらないかなって。」



告白の覚悟はほとんどできたらしい。あとはタイミングを掴めるかどうかだ。



安喜「南陵のソフトテニス部って男子は今誰も彼女いる人いないもんね」
涼輝「そうだね。前はちょこちょこいたけど。梅ちゃんも堀田先輩も今いないし」
修太「え、梅原彼女いたの?」
安喜「半年…ももってないか、あそこ」
涼輝「それぐらいじゃない?」


梅原くんは、同じ高校の同級生と付き合っていたことがあるらしい。




涼輝「そうだ。話変わるけどさ。三宅って東支部まで届かなかったって話知ってる?意外だなぁって」
修太「あー、菅原から聞いてた。県大は前回の初戦敗退もあったし、新人戦も2回戦敗退だからかなって。」
安喜「菅原はどうなの?」
修太「白石工業の古川菅原は東支部出れるって。新人戦の時俺達がボコられたからそのままインドアも良いところまでいってたし。」


彼ら南が丘中が全中に出た時、緑陽の西陵中と三宅菅原ペアと行動を共にしたらしい。顧問同士が同じ大学の部活仲間という繋がりだったが、三宅菅原とはとても仲良くなった南が丘の人たちであった。今も現地で会ったら話す仲だ。特に菅原壱星と長江修太は仲良しだ。

と長江くんは前回のインドア県大会の結果を開いた。

修太「ん。インドアでの三宅はね、西の森湖陵の黒山天村ペアに敗退してるよ。西の森千台中のレギュラーだった2人」
涼輝「あー、やっぱりあそこそうなんだ。」


西の森千台中は、近年強い選手を沢山出していて、北陽学園にも新2年生に2人いて活躍している。彼ら南が丘中にとっては県大会の決勝で当たっていたこともある。

1対戦目に出た志賀古澤はギリギリ負けてしまったけど、2対戦目に出た国本小松がファイナルで粘り勝ち、3対戦目に出た長江山岡ペアもその勢いのまま勝ち、県大会優勝を決めたのだ。



修太「ねえ、西支部の組み合わせ今出た」
安喜「まじ??」
修太「ちょうど結果見るのに開いてたから、ホームページ更新してた」
涼輝「俺達どこと??」
修太「んっとね、西の森光陽の笹井倉橋ペア。それ勝ったら西の森産業の小山田北條ペア」
安喜「やっぱ西支部大会となると強い人しかいないなー。」

どうやらたった今、西支部大会の組み合わせがホームページで発表されていたようだ。



修太「ちなみに俺は初戦が北宮の沼田須田ペアで、勝ったら西の森産業の矢野大菅ペアだ。うー初戦から沼田か。」
涼輝「沼田くんやっぱ強いね」
安喜「中学の時だって全中まであと一歩だったじゃん。」
修太「更に今の代って北宮のメンバー揃ってるし、須田さんと組むってことは沼田相手にするの相当覚悟しないと」
涼輝「てかだって、選抜予選からでしょ?沼田が須田さんと組んでんの」
修太「多分ね。最初びびったけど」


北宮高校の沼田須田ペア。須田さんは3年生だが、沼田くんは彼らと同じ2年生。西町少年団に入っていた2人で、涼輝と長江は少年団時代に練習試合も多くやっていたところだ。

西町少年団は近年強い選手を出していて、星の里高校の3年エース、村瀬蓮もその1人だし、それこそ須田咲也とペアを組んでいた小学生時代は全国も出てる。そして沼田くんは村瀬さんの小・中学時代の後輩でもある。



涼輝「緊張するなー。まさか俺達西支部行けると思わなかったから」
修太「行けるとは思ってたよ」
安喜「またまた適当なことを」
涼輝「とりあえず長江とは反対の山にいるから良かった」
修太「もうお前らとだけは当たりたくない」
涼輝「インドア地区のトラウマ」
修太「あの時は予想以上に追い詰められたわ。」
安喜「でも結局勝ったの長江じゃん」


インドアの地区大会で彼らが当たった時、ファイナルまで進み、ファイナルゲームでは9対7で決着がついて長江千葉ペアが勝利となった。かなりの接戦だった模様だ。


涼輝「あれだって途中から千葉に打たれまくった」
修太「多分千葉いなかったら俺負けてた」
安喜「たしかに最後のほうは千葉にひたすら打たれた思い出」
修太「俺達最初負けてたのにね」
涼輝「あの時の記憶今でも一つ一つ残ってるわ。」
修太「まずメンツがやばい」
涼輝「それ」


でもまだ引退まであと1年ちょっと残ってるので、今後当たる可能性も少なくはないですよ。


期待の新2年生、南が丘中出身の3人。星の里高校に行った2人を含め、みんな、今後も頑張ってほしいですね。