一方もう1つの部屋では。
2年生の平松源太、志村楓都の他に、1年生は畑中空真、本間乙也、長畑怜樹、茂原健一、柴田睦己の7人部屋。
健一「志村先輩絶対今のわざとですよね!!」
楓都「いや?そんなわけ?」
健一「いや笑ってますよね!!」
どうやら騒いでいたようだ。
楓都が健一に何かをしたみたいだが、それをやざとじゃないと言い張る楓都先輩。
乙也「思ったんですけど、今回の部屋割り、部のリア充あっち側に固まってません?」
と、乙也は気づくのである。その通り。村瀬先輩に、大橋小松に、吉岡に。
源太「あえての恋バナいっちゃう?」
空真「過去の話ぐらいなら」
睦己「いやそれか、実際この中で今片想い中の人いたりします?」
楓都「…いなくね?聞かねえもん」
怜樹「いーや、志村先輩怪しいですね」
楓都「なんで俺よ」
後輩たちも、ノリの良い志村先輩をいじるのが好きだ。
乙也「俺知らないんだけど、空真っていつ別れたの?」
空真「あれ言わなかったっけ?」
怜樹「それ言ってたの乙也具合悪くて途中帰った日じゃね?」
空真「あーじゃあお前知らんわ。みんな結構知ってるからもう言った気してたけど」
何人かには過去の恋バナを話したことあるらしい空真。中学まで同じダンススクールに通っていた2人なので、空真と中学は違えど乙也も、空真の元カノのことは知っている。
睦己「でも確かに、入学してきた時彼女いたもんね空真」
空真「まあ、別れたの昨年の7月」
乙也「そんな前だったの?」
源太「地味にこいつ童貞卒業してるしね」
怜樹「意外と星の里って童貞卒業している人多いですね」
健一「大橋小松とか村瀬先輩とか」
楓都「村瀬と大橋は確信犯。飛鳥は彼女バカなだけだから類が違うけど」
睦己「ですよね。」
というか1年生は、もともと恋愛に活発だった人が多いのだ。
空真「でもあそこまでやっといていきなり振られるのは本当にびっくりだわー」
乙也「しかも中1から付き合ってたしょ」
源太「それは長い。」
空真「いや、本当に突然だったんですよ。別れようって言われたの」
健一「どんな理由で?」
空真「や、多分向こうが俺と別れてすぐに新しい彼氏作ってたからそれだと思うんだけど、でもそこもう別れてる」
楓都「どんまい野郎だ」
空真「でも部活忙しくて高校入ってからほとんど会えなくなったのもあると思いますけどねー。実家通いだけど、朝早いし夜遅いし」
源太「星の里ソフテニの1年生に1番多い別れ方だと思う」
空真「やっぱりみんなそうなんですかね?」
源太「蓮も当時の彼女とはそうだったし、奥田先輩も。まあ奥田先輩は最近復縁したけど」
高校生になって、部活の休みがほとんどなく、更に実家を離れる人もいれば、空真みたいに少し遠いが朝早く出て夜遅くに家に帰る人もいる。高校という新しい環境になったというのが大きいんだろう。
睦己「でも空真はなんで星の里来ようと思ったの。」
空真「部活したかったからに決まってるじゃん。」
乙也「確かにそれだったら、北宮とかあるしね」
空真「あるけどもっと強いところでやりたかった。だから星の里がよかった。だからその選択が別れた原因のひとつになったとか言われても、全然悔いはない。元カノに未練はないわけじゃないけど」
怜樹「かっこいい」
自分が本当にやりたかった環境で部活をしに来た。星の里はそういう人が多い。
源太「星の里に決めた理由かー。部活もあるけど、俺んちから近いし、俺の成績で行けてソフトテニス部のある高校近場に星の里ぐらいだったからかな」
楓都「緑陽の高校にはしなかったんだね」
源太「近くてテニス部あるところだと明洋高校か中部高校なんだけど、そんな頭なかった。あともう市内の公立高校は軟式なかったり頭良いとこばっか」
源太の家から星の里高校は近い。というか、源太の通っていた江南赤川中の区域内に星の里高校はあるのだ。
源太「逆に志村はどうしてなの?一橋から」
健一「まあたしかに、一橋からだったら西星のほうが近いですしね」
楓都「そうなんだけどね実際。でも星の里が良かったんだよ。西星だと地味に条件悪いし。北中の区域に住んでたら行きやすかったけど」
乙也「学生寮がないんですよね。俺もあったら西星行ってたかもしれない」
楓都「そう。まあ一橋から西星行ってる人もいるけど、でも朝早いし帰りも色々と時間限られるみたい。俺と同中だと飯田加奈みたいに下宿してる人もいるけど。」
やはり遠い人から西星高校を選ぶ難点が、学生寮がないことなんだろう。下宿はかなりあるらしいが。
健一「公立落ちた勢って俺以外にいるのかなソフトテニス部。」
怜樹「それマジ?」
健一「うん。明洋落ちた。」
睦己「こいつ最初は部活入る気なかったんよ、俺が無理矢理誘った」
健一「本当だよ。まあ、星の里だったから今も続けられてるんですけど。」
空真「同じクラスなんだっけ二人」
睦己「そうそ。で、中学の時から一応知り合いではあったから」
源太「まず明洋受けれる学力あったんだ」
健一「いやバカにしてます?」
睦己「でも健一の時って明洋の普通科の倍率えぐかったんでしょ?」
健一「理数科のほうが入れた説はあったって言われた。でも俺理数嫌い」
健一と睦己は同じクラス。2人とも緑陽市内に住んでいるため、大会などで顔を合わせたこともあり、勝ち上がったのでお互いの存在は知ってる。普通科の中の総合進学コースに在籍している2人は、同じクラスなのだ。
怜樹「俺は、単純に星の里高校でテニスしたかった以外の理由はないです」
楓都「大体みんなそうじゃね?」
怜樹「ですね。」
睦己「俺も。まあ俺は、海星先輩のおっかけっていうのもあるけど」
楓都「少年団同じなんだっけ?海星先輩と」
睦己「同じです。中学は隣だったんですけど、もう憧れの先輩です。」
睦己は、3年生の広嶋海星先輩と少年団が同じ。当時からお世話になっているとのこと。
空真「にしても乙也と高校同じになるなんてびっくりだったよね。」
乙也「本当ね。俺中2でダンス辞めたからそれ以降話すことなかったしね」
源太「まさかの同じダンススクール通ってた組ね」
睦巳「ダンス経験者が3人」
空真「健一は今もやってるっけ」
健一「やってまーすよー。」
乙也「しかも健一のとこすごい有名なとこ。」
健一「有名なダンサーとかが講師で来るからね。」
空真と乙也は部活に専念するため中学で辞めてるダンスだが、健一は今も続けている。ダンスでも国内色々なところに行ってるらしい。まあ、部活忙しくて最近は本番はあまり出れていないみたいだが。
楓都「今度踊ってみて」
怜樹「俺もまだ見たことない」
健一「んな学校で踊ろうと思わないです」
源太「見たい」
空真「動画とかないの?」
健一「あー、この前の練習撮ったやつなら。」
と、健一はスマホから動画を探す。
健一「この真ん中の人から右隣が俺です」
楓都「かっけえ」
空真「これはかっこいい」
健一「まだ全然未完成ですけど。」
源太「いつ行ってんの?」
健一「部活終わって秒で帰る日はダンスある日です。今は週2で行ってます。」
怜樹「火曜日と金曜日だっけ」
健一「そうそう。緑陽駅からちょっと歩いたところ。週数回だから、市外の人も結構いる。さくら市とか北春日市とかからも。」
健一の行く時間帯は夜なので、市外の学生とかも多いらしい。
乙也「いつか本番あるの?」
健一「俺出れるのでわりと最近なのはねー、4月の終わりごろにある。これが1番大きいイベント。あ、この日は部活お休みします。」
源太「あ、おう、了解。どこでやんの?」
健一「雪原公園ホールですよ。最近工事終わって大きくて綺麗になったんですよ」
空真「行きたいけど、時間は?」
健一「昼から。だから部活が午前だったら来れるよ。多分日曜だから部活はきっと午前だけど。」
星の里高校の休日の部活は、祝日は、午前中で終わることが多い。まあ、朝早いけど。土曜日は夕方まであったり、昼からだったり。
楓都「やっぱ実家通いしてると、習い事とも両立できるのいいね」
健一「ハードですけどね。部活した後にまた動かなきゃなのは。まあ、好きだからやってるんですけどね。」
睦巳「それで勉強の成績も上位だからこいつ怖い」
怜樹「すげえなおい」
源太「本当にそんなように見えない…」
健一「すぐ馬鹿にしますよね。俺だって色々ちゃんとやってるんですよ??」
健一くんも、部活と両立しながら色々と今後も頑張ってください。
空真「俺もそろそろスタジオに顔出しに行こうかなー。」
乙也「えー俺も行きたい」
空真「まだ続けてる奴いるから、連絡とって行ってみる?」
乙也「そりゃ空真は気軽に行けるだろうよ通生が」
空真「あ、そうか、しかも日曜はやってないしなー。春休みの完オフの日行ったら誰かいるかなー。」
2人は同じ南市出身だが、乙也くんは寮生ですからね。
源太「空真って本当にハードスケジュールこなせてるよな、って思う」
空真「どうしてですか?」
源太「土曜日の9時ー17時の部活の後に少年団の練習手伝ってんでしょ?」
空真「父親に連行されてるだけです。まあ、小学生みんなかわいいし、いいんですけどね。たまに色々なOBとかも来てますし、地元でテニスできる機会ですから。」
怜樹「通生の利点」
この中で実家通いなのは、源太と空真と健一と睦巳だ。
空真の父親は少年団のコーチをしている。土曜日の17時の部活が終わるとすぐに電車で帰り、駅近くにある東町テニスコートで19時半までの少年団の練習に行くらしい。
睦巳「俺も小6の妹がいるから少年団の練習よく行きますよ。でも妹はもう中学生になるんで、4月から行く機会は減るかなと。」
健一「睦巳って妹まだいたの?」
睦巳「あー。健一は愛花のほうしか知らんか。その下にまだいたんです、実は。」
睦巳には、一つ下の妹と、4つ下の妹がいる。みんな小学生の時からテニスをやっている。
楓都「なんかみんな、兄弟テニスやってるよね。」
源太「俺も妹テニスやってるよー」
空真「俺の姉ちゃんは中学で全中出てますし、社会人になってからも1度全国大会出てますよ」
怜樹「そしてみんなの兄弟もすごいって言う」
健一「志村先輩の弟は来月星の里入ってきますしね」
楓都「よろしくしてあげて。」
睦巳「似すぎててどっちだか分からなくなりそうです」
楓都「身長は結構差あるよ?」
乙也「まあたしかに、志村先輩よりは小柄ではありますね。でもプレーが似すぎてて」
楓都「それは地元の人に昔からよく言われてた」
そう、実は志村先輩の弟が、春から星の里高校のソフトテニス部に入るのです。既に練習も何度か参加しているので、部員みんな分かる。まあ、先輩の弟だから似てますし。
怜樹「そうかもう俺ら2年生か……」
乙也「来月にはもう後輩入ってるんだよ」
源太「俺らは3年生だわ。早いわ。早すぎるわ。」
そんな彼らも、たくさん話し込んだようです。