県総体の夜@
西の森市で行われるインターハイ予選がいよいよ明日から開催される。本日は練習と開会式が行われ、今は夜。
3年生の平松源太と村瀬蓮はホテルが同じ部屋で、色々と恋愛について話していた。源太の恋バナ、今の時点で唯一知ってるのが蓮だけだから。
とそこに、2年生の内藤駿芽と大橋岳人、そして1年生の岩本楓がやってくる。
源太「おーどうした?」
駿芽「暇だから来ました」
蓮「出たその、駿芽お得意の発言。」
岳人「今何してたんですか?」
蓮「恋バナ中だった」
楓「混ぜてくださーい」
駿芽「参加しまーす」
源太「本当にお前ら恋バナに反応するよな」
というわけで、2人部屋のはずなのに、5人の大所帯になった。
蓮「って思ったけど…」
源太「あー、いや、いいよもう俺は別に。いつかみんな知るだろうことだし」
ちょっといつもと違う雰囲気を出している、我らがキャプテン、源太。
岳人「平松先輩何かあったんですか?」
蓮「話すんなら話しな?」
源太「うん。お前らだから言うわ。あと駿芽も前に全部話してくれたから、俺の話も今度絶対しようと思ってたし」
というわけで、あまり自分の話をしていなかった源太が、話すことにしたのだ。
源太「俺もぶっちゃけ、駿芽と似たような恋愛してるんだよね」
駿芽「似たようなって、運動部の女子と深い関係があるってことですか?」
源太「そう。しかも俺ら色々とやりすぎてるからバレたら駿芽よりやばい。から、誰にも言わなかったんだよね」
星の里高校の女子の運動部はほとんど恋愛禁止。だけどそんな運動部女子に恋をしている部員も多いのだソフトテニス部は。
楓「ちなみにどの部活の方なんですか?」
源太「バド部。体育科で俺と同じクラスに濱口百菜っているんだけど、かれこれ去年の後半ぐらいから…」
岳人「あ、平松先輩と仲良い人ですよね?」
蓮「まあ1年生の時から仲良いからな、源太と百菜」
源太「うん。それで告白されて、俺も好きになって、結果……ね。」
駿芽「ちなみに俺よりやばいってことはまさか、」
源太「多分駿芽の想像通りだと思うよ。俺だって所詮しょうもない男なんだから。」
楓「それはそういう捉え方でいいんですよね……?」
源太「結構やっちゃってます」
岳人「まあ確かに、こういう話した時自然と入ってくるなぁとは思いましたけど」
蓮「それは俺も思ってた」
付き合えないだけで、あとは色々と経験済らしい源太。
源太「まあこのメンツだから話せる内容だけど。楓と大橋も恋愛経験色々とあるしな」
駿芽「え。じゃあこの中で俺以外みんな…」
岳人「駿芽だけ童貞」
駿芽「ですよねー。」
蓮「もうやってるもんだと思ってたけど」
駿芽「流石にしてないです。」
源太「多分みんな思ってるよ、既にやってるのかなって」
駿芽「どこからそういう誤解が生まれたんですか」
駿芽はまだ経験していないことだ。キスより先のことは。
岳人「駅でチューしたの誰だっけ?」
駿芽「うるせえその話すんな」
楓「先輩顔真っ赤ですね」
駿芽「お前もリア充だからって調子乗んな」
蓮「実質駿芽もお互い両思いで仲良くやってんじゃん」
駿芽「そういことじゃないです」
最近この辺の話でいじられることが多くなった駿芽くん。とっても恥ずかしそうにしている。赤川駅での話は、黒歴史ということで。
蓮「てか楓の彼女ってさっき開会式の後話してた子?北別花野だっけ」
楓「そうです。個人団体共に今回出るんですよ。すごいですよね、花野高校強い3年生ばかりの中に…」
岳人「飛鳥の彼女も見ましたよ」
源太「あー俺も見た!」
駿芽「飛鳥の彼女の唯里ちゃん、今回のペアは飯田さんらしいですよ。あの飯田さんです」
蓮「志村と同中の女子でしょ?」
楓の彼女は北別花野高校、そしてこの場にはいないが飛鳥の彼女は西星高校でレギュラー入りしているのだ。これも、遠征の面白い点。
岳人「新陽女子はレギュラー全員3年生だから、俺の彼女は今回いない。」
駿芽「いいじゃん支部大会で会えるんだから」
蓮「春季で岳人たち決勝進んだ時、岳人の母さんと彼女ちゃん一緒に試合見てたの見た」
岳人「なんか見られてましたね。両親も仲良くなったので、わりといつもこんな感じです。」
源太「まああの時俺が岳人たちボコッたけどな」
岳人「先輩たちには叶わないっす。」
岳人の彼女は市内の新陽女子高校でソフトテニス部。2年の中では強いみたいだが、今年の新陽女子は3年生のメンバーが揃っていて、冬の大会では県ベスト4に入るなどしていた。
蓮「芽衣は続けてないからなー。」
楓「彼女さんテニス部だったんですか?」
蓮「中学の時ね。」
源太「蓮と芽衣の出会いの発端、俺と緑陽東の滝川滝口のおかげだから」
楓「そうなんですか?」
源太「俺が滝川陸真と少年団同じで仲良くて、芽衣が陸真と同じ中学だからね」
蓮「それで大会来ていた芽衣が、俺らと滝川滝口で話してるところにやってきて、それで俺も知り合ったの。」
彼女と同じ高校ではあるが、蓮は体育科、彼女は普通科。出会いは1年生の新人戦の支部大会だと言う。芽衣ちゃんが、知り合いの試合観戦に来ていたようで。
駿芽「でも結構顔広いみたいですよね?」
蓮「そう。例えば緑陽北で東支部入賞した小宮山花恋となぜか仲良いし。俺もあの人とはなぜか大会で会ったら話す仲になったし」
源太「だから話してたんだ。」
蓮「そう。まあ花恋ちゃんは小学生の時から知ってたのもあったけど」
緑陽北高校の女子は今年度強く、今回の団体戦も県大会出場を決めている上に、東支部大会では入賞も果たした小宮山鈴井ペアという強いペアがいる。その、小宮山花恋のことだ。
岳人「小宮山さんって小学生の時からテニス強すぎますよ」
蓮「あー、少年団一緒か?」
岳人「そうです。あと柴田も。中学は広嶋先輩と同じですね」
楓「あー、聞いた事あります。小学生の時に北別の人とペア組んで全小出てたはずです。」
源太「まああの人は有名人だな昔から」
駿芽「俺も小5の全小の時お世話になってますし…。面白かったですよ、古谷さんバッチリ振られてて。てか村瀬先輩いましたよね」
蓮「あー、懐かしいな。公開失恋」
駿芽「未だに古谷さん見たらそれしか思い出さないんですよね…」
蓮「まあたしかに花恋ちゃん昔からスタイル良くて美人だけどな」
花恋ちゃんは、背が高くて細くて、そしてテニス部とは思えない肌の白さ、その上とっても上手い。緑陽北高という進学校に通っているのも点だ。
現在北陽学園高校の3年生である古谷瑠斗が、小学生の時ずっと可愛いと思っていたらしく、全国大会の県選抜合宿で仲良くなるも、公開失恋したみたいだ。
源太「それより小学生の時からえぐかったよな駿芽」
駿芽「なんか俺、小5の全小予選の時に平松先輩に勝った記憶が……」
源太「それで負けてベスト8で全国行けなかったんだけどな俺」
楓「俺も小5の予選の時は内藤先輩にボコられた記憶しかないです」
岳人「お前怖い」
駿芽「当時は俺よりも高崎のほうが有名人だった」
岳人「あー、えぐかったよなぁ高崎くんも」
ここにいる全員、小学生の時からソフトテニスをやっているのですが、未だに覚えているものなんですよね。小学生の時の大会の記憶も。
駿芽「俺が6年の時の選抜合宿も中々カオスでしたよー。」
楓「どういうメンバーだったんですか?」
駿芽「俺と高崎と、夏原菅、長江千葉、江川溝口」
楓「あー!咲斗先輩と亘先輩ペアでしたよね!!」
駿芽「そう。もうこのメンツみんなノリノリだよね。急にみんな踊り出すし」
源太「長江千葉ってその時も組んでたの?」
駿芽「組んでましたねー。だから復活した時亘と一緒にビビりました」
しかも西星高校が全国を決めた時の1年生レギュラーとして大活躍していた長江千葉ペアですからね。星の里戦では平松志村ペアと当たってしまって負けていたが、それでも活躍してるところはちゃんと見ていたのだ、彼らも。
岳人「あれでも、今回って長江千葉じゃないんでしたっけ?」
蓮「長江くんのペアが、1年生の森木くんだって。堀部の元ペア」
楓「あー、南聖中の堀部森木のですよね。」
源太「そうだったんだ、堀部の元ペアと組んでたんだ。」
蓮「実質長江くんも山岡の元ペアではあるから、俺ら的には面白いよね」
駿芽「長江森木ペア2人ともの元ペアが星の里高校」
蓮「そういうこと。」
岳人「そういえば山岡が、多分今回長江くんと当たるってヒィヒィ言ってました」
源太「元ペア対決かー。いいなそういうの。」
星の里高校の1年生部員には、今回は県大会出ていないが、堀部紫音という子がいて、中学3年生で全中出場している。さくら市の南聖中出身だ。
更に2年生の山岡広夢は、西星の長江修太の元ペアなのです。ここは今回の大会の個人戦、お互い勝ち進めば当たるのだ。
とそこに、楓のスマホに着信が。
楓「あ、ちょっとごめんなさい」
と、玄関近くに行く楓。
岳人「お?彼女?」
楓「そうでーす」
素直に答える楓。本当に相手は彼女だったようだ。
ちょっとした用事で電話がかかってきたようだが、楓はニコニコしていた。
蓮「本当に分かりやすいな、あいつ」
駿芽「楓って何でも持ってる気がして妬みしか出てきません」
蓮「頭良いしテニスえぐいし、コミュ力高いし爽やかでモテるし」
駿芽「更に体格も身長もあるし彼女と何年もラブラブだし」
源太「完璧じゃん」
駿芽と蓮の言う通りだ。1年生部員の中で1番早く部活に溶け込んだのは紛れもなく楓だし。
楓「何か言いましたー?」
蓮「褒めてるだけだから気にすんな」
楓「ありがとうございまーす」
源太「にしても話す時デレデレしてたなお前」
岳人「写真とかないの?2人の写真とか」
楓「…見ちゃいます?」
駿芽「何その言い方、やらし」
とりあえず楓は、彼女とのツーショットを見せるようだ。
楓「これが1番最新ですかね。俺が北別離れる前の日。お泊まりしたんですよね」
岳人「遠距離前最後の悲しみのエッチ」
楓「離れるの覚悟はしてたけどその日はギャン泣きしましたね。ずっと一緒にいた分」
蓮「なんかどっかの小松飛鳥からも同じような話聞いたわ」
駿芽「飛鳥って意外とああ見え心中は不安いっぱいですからね。去年よりはマシだけど」
楓「飛鳥先輩はまあ、ちょっと無理すれば会える距離ではありますけど…」
源太「北別は厳しい」
楓「そうなんですよね。だから次はお盆ですかねー。遊べるのは」
江南市から北別市は本当に遠いんです。途中で通る、さくら市まででも距離あるのに。
楓「でも知ってます?花野の女子と今回ホテル一緒なんですよ?」
蓮「そうなの?」
楓「だからさっき電話かかって来たんですよ。星の里男子うろちょろしてるから、って」
駿芽「抜け出して会いに行くの?」
楓「や、明日か明後日ぐらい時間あればなーと。ちょっと話すぐらいなら。」
源太「実際会場でも会えるしね」
楓「今日久しぶりに直接会ったけど、やはりもう安心感がぶわーって来ましたね」
岳人「そりゃそうだ。彼女の近くにいるのが1番落ち着く」
蓮「俺も3月の遠征続きで全然彼女に会えてなかった時期あったけど、その後休みの日久しぶりに会ったら心が落ち着いた」
源太「確かに、会える時が1番」
と話している横で駿芽が一言。
駿芽「嫌味ですかね、皆さん」
源太「実質お前と俺は一緒だ」
駿芽「そうですけど平松先輩はすぐ手出せてるんですよね?俺は無理ですよまだ」
源太「その言われ方気に食わないけど事実だけどさ。えらいね駿芽は」
駿芽「薄井先生にああ言われたら…」
源太「いや、俺もその現場にいたけどその俺がこうなんだよ?」
駿芽「自慢になってないですよ、それ」
意外とあまり手を出していない駿芽と、意外と手を出している源太。好きな子が部活引退して恋愛フリーになったら、どうなるんですかね。
蓮「でもこの部活で誰が1番良い恋愛してるのかって言われたら、大橋かなって」
岳人「ありがとうございます。」
源太「それは思う。リア充の手本みたいな感じ」
楓「プリとか見るといつもにやけます」
岳人「いや、俺もまだまだですよ。喧嘩もする時するし」
駿芽「つーか、いつから付き合ってんだっけ?」
岳人「中3の6月。あと1週間で2年。」
楓「ちなみに告白はどっちからですか?」
岳人「付き合おうって言ったのは俺。でも最初は玲梨のほうから告白されたんだけど、その時俺は他に付き合ってる子いたから。で、その子と別れてから玲梨と仲良くなって、って感じで。」
中学3年生から今の彼女と付き合っている岳人だが、その前にも半年くらい付き合っていた女の子がいたらしい。
駿芽「しかもエッチも親公認」
岳人「いや言い方。」
源太「エッチ沢山してること親も知ってるってこと?」
岳人「しかもお互いの親がですよ。そのせいか、この前玲梨が俺の家泊まりに来た時、別にいつも見せ合ってんじゃないの?とか言われて風呂一緒に入ればいいじゃんーって」
蓮「まあ大橋の母さんのノリ若いって話だもんな」
岳人「それもあると思いますけどね。玲梨の母さんもなんですよ。」
ちなみに、岳人のお母さんと玲梨ちゃんのお母さんは同い年らしい。
駿芽「色々と羨ましいわ。」
源太「それにしても、2年生恋してる人増えてくし、ラブラブすぎるやつもいるし」
楓「茂原先輩も結構お似合いですよね」
岳人「あそこはね、やっとくっついたって感じ」
蓮「去年萎え萎えだった時期の健一が懐かしい」
源太「とりあえずまあ、俺も早く幸せになりたいなー。」
蓮「源太はあとちょっと」
源太「うん。インハイ出て欲しいしね、百菜には。」
駿芽「今年のバド部って星の里強いんですよね?」
源太「女子は星の里がぶっちぎりらしい。来週県総体でインハイ決まるって」
百菜の所属している女子バドミントン部、今年の星の里高校は例年以上にめちゃくちゃ強いらしい。
岳人「沢山濃い話したし、そろそろ戻るかー」
楓「朱哉もう部屋戻ったかなー。じゃないと俺部屋入れない…」
駿芽「そっかお前、元々朱哉がいなくなって部屋入れなくて暇だから俺らんとこ来たもんな」
楓「そうですよ。ラインも既読さえつかないし…」
蓮「多分志村と怜樹の部屋いるんじゃない?朱哉ってすぐ志村のこと行くじゃん」
楓「俺も志村先輩のとこいるのかなーとは思ってました。」
というわけでこの日はそれぞれ部屋に戻った。