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▼2017/12/14:倶利伽羅とエノク --長文

『死人に梔子』





死人に山梔子

(ホウオウ/色メタモン/微エロ)





白濁に塗れる白。
端から見ればこれは愛のない行為でしかなく、ただメタトロンが無理強いに奉仕させられているのだと思うだろう。口の周りにはしたなく付着する液体を全て舐めとれば、よしよしと頭を撫でられ感じ入って気持ち良さそうに瞳を閉じた。しかし次に目を開けた時、目の前にある姿にこれは自分が愛した人ではないのだという悲しい現実には背けずに虚しさが胸を締め付けた。同じ顔がにやりと笑えば偽りに身を重ね、メタトロンが手を伸ばして続きを、と請う。奈落には言えぬ秘密の行為は何千年もあの時から今まで続いているのだった。

「さぁ、どうしたいの?」

凛と寝屋に響く声。
最高神倶利迦羅は膝の上に座り唇を寄せるメタトロンを掌で制止をし、静かに問うた。ただ抱いて下さいと電子音混じりに答えるとそのままシーツにメタトロンは沈められた。重ねた手と手はあまりにも大きさが違いすぎて、叶わなかった願いがもし叶っていればこんな風に温もりを共有し合えただろうにそれも過ぎたこと。あの人とは違う髪、あの人とは違う瞳、あの人とは違う人と形。どんな風に抱かれても思いは重くメタトロンにのしかかり恋敵との差がはっきりと浮かび上がってしまえば、自然と目の端からは大粒の涙が伝う。倶利迦羅の同情が痛い。

「れ、い…さま」

「メタトロンは母さんに負けたのが悔しいんだね。あぁ、エリヤやアリスが可哀想だ。罪悪感という言葉がお前の頭の中のメモリには存在していないのかい」

「システムは…あの方から生まれた女、です。男を狂わせるのは、天空様と同じ遺伝子だ、から……最高神様、も狂わせるほどに強い魔性を…孕む」

メタトロンを作り出した遥華が孕んだ女は全てが魔性を孕む。遥華は女であるが故に女を憎み、女であるが故に男を魅力する。メタトロンとて倶利迦羅とは父違いの兄と妹ではあったが、そこに兄妹愛のような美しいものは存在していなかった。さも汚いモノを見るかのように蔑む倶利迦羅の顔ばかり覚えて、主人であり唯一正当に妹と呼ばれる天空に向けられている笑顔など、記憶に上書きされたことはない。いつも上辺の笑みのみがある。
だから、今も。

「貴様のような下劣な下等生物と天空を並べるな。身の程を知れ愚直なメタトロンよ」

何かが切れる音がした。
フェードアウトしていく視界に電源を堕とされたと裏切られた気分になる。裏切っているのはただ自分一人だというのに愚かなことだ。メタトロンは仔等を介して嘲笑した。


眠り姫は目覚めた
(麻薬に冒される体)





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