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あなたにひとめぼれ



揺れる深緑の長い髪。大きく彫られた朱の牡丹と雄々しい竜の刺青。鶸萌黄の猫のような瞳。からからと笑う溌剌とした笑顔。ふと視線を動かした先には、至高の宝石が輝いていた。私は彼の背後へふらふらと歩み寄った。肩を叩き、振り向いた彼に「私と付き合ってくれませんか」気づけばそう口走っていた。