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誰にも渡さない



自分でも酷いことをしているのは解っている。彼女は僕よりもずっと先を生きる人間だ。今しか生きられない僕にはやらないといけない使命がある。だからこの気持ちをあげるのは彼女に酷なのに、「私は誰のものにもなりませんよ」その腕が背中に回される度、僕は言い知れぬ高揚と安堵を覚えてしまうのだ。