∵neta∵

11/05
あたまよわよわな話(金カム)
僕は昔から佐一くんのあとばかり着いて回っていた。
いじめっ子から守ってくれるおっきい背中とか、意外と可愛いものが好きなところとか、全部好きだった。

なのに佐一くんはある日を境に姿を消した。
家を燃やして。

原因は分かってる。村の人たちがみんな、佐一くんとその家族を忌むべきものとして扱うからだ。
……村の人の誰かが結核にかかるとみんな人が変わったように迫害するのだ。昨日まで一緒に笑いあってたとしても、そんな過去なんてなかったかのように知らんぷりして、遠目で見ながらひそひそと声を潜めて悪口ばかり言う。

僕はそんな大人にはなりたくなかった。
それに僕は佐一くん以外に友達なんていなかったし。
寅次くんと梅ちゃんは僕から佐一くんを取るからちょっとだけ苦手だった。すごく優しいんだけどね。

佐一くんの家族が結核だって分かったあとも、僕はいつも通り佐一くんの後ろを着いて回った。
そしたら佐一くんが怖い顔して僕に「着いてくるな」と言う。僕はやだったからそう伝えたら、今度は泣きそうな顔して「着いてきちゃ駄目だ」って。
僕は何度もやだって言ったけど、その度に佐一くんは困ったような泣きそうな顔をする。しがみついて何度もいやだと伝えたら、「もう、仕方ないなあ」って僕の頭を撫でてくれた。佐一くんのおっきい手が暖かくて、ひひって笑ったら佐一くんも嬉しそうに笑ってくれた。

これが佐一くんと会った最後の記憶。


本当はわかってた。佐一くんの怖い顔も悲しい顔も、僕のせいだって。僕まで村の人から迫害されないように守ってくれようとしたんだと思う。
出て行ったのだってきっと僕が言うことを聞かないからだ。


佐一くんがいなくなったあと、やっぱり標的は僕になった。父様も母様も僕を結核と疑って近くに置きたがらなかった。そして僕は北海道の祖母の家へ送られることになった。

兵役も体格の関係で免除されてしまったけど、身体の弱いおばあを側で支えてあげられるから結果的に良かった。



そんなおばあも息を引き取った。
父様と母様からは音沙汰がない。でも2人がおばあのことを快く思っていなかったことは知ってたから、きっと仕方ないことなんだと思う。
だから僕をおばあの元に行かせたのだろうし。



一人になってしまった僕には何も無かった。
身体が弱く勉学もさほど出来なかったし、手に職なんてことも当然ない。

だから売れるものなんてこの身しかなかった。
初めて僕を買った人は僕に10銭の値をつけた。高いのか安いのか分からないけれど、ただ少しの間は食べるものに困らないで済んだことは確かだった。





そんな生活の中、再び佐一くんに出会ったのは偶然だった。
まさか北海道にいるとは思わなくて、びっくりして後を着けてしまった。だって仕方ないと思う。
久しぶりの佐一くんだったし、偽物だったら諦めも着くと思ったのだ。

そしたら急に押し倒されて銃の先を向けられて、心臓が止まるかと思った。
「ひ、久しぶりだね、佐一くん」
何とか声を絞り出したら、佐一くんもびっくりした顔で銃を下ろして「…なっちゃん?」と僕の名前を呼んでくれた。
ひひっ、覚えてくれたの嬉しかったな。



「ふむふむ。梅ちゃんの目がそんなことに」
佐一くんは砂金を集めに北海道に来たそうだ。梅ちゃんの目が見えなくなって、寅次くんが亡くなってしまって、きっと佐一くんもいっぱいいっぱいだっただろうに。
「そしたら僕も手伝うよ!」
「ぱしゃぱしゃって川の中から砂金を探せばいいんでしょ?」そう尋ねると佐一くんは困ったような顔をした。
僕の見る佐一くんはいつもこんな顔ばかりしている気がする。

「あー…なっちゃん?砂金を集めるって言ったって山の中だし、ヒグマだっているんだぞ」
坊主頭のシライシと名乗った人が怖がらせるようにそう話してきた。
「白石の言う通り、そういうのはなっちゃんには危ないんじゃないかな」
「大丈夫だし!」
諭すような言い方にむっとして言い返すと、それまでずっと黙っていた女の子、アシリパさん?までが2人に同調した。
「お前はまだ嫁入り前だろう。傷でもついたら大変だ」
「僕はれっきとした男だし!」
もう怒った!ぷいとそっぽを向いて怒っていると態度に出すと、案の定心優しい佐一くんはおろおろと焦りだした。
「あぁ…なっちゃんが怒ってる」
「杉元〜!お前ちょっとなっちゃんに甘いんじゃねえの〜?」
シライシが好機とばかりに佐一くんに絡みに行くが「うるせえ」と吠えられて、「くぅ〜ん」とアシリパさんの後ろに隠れてしまった。

「なっちゃん、ほんとに危ないんだ」
「そうだぜ。第七師団もいるしな…あっ」
「「シライシ〜!!!!」」
アシリパさんがどこからか出した棒でシライシをぽかぽか殴り始めた。
それよりも、それよりもだ。
「第七師団って陸軍の?なんで?」
「あー……。くそ、白石お前ふざけんなよ!」
佐一くんは誤魔化すように頬をかいて、シライシを怒鳴りつけた。




──────

刺青人皮というものを探しているらしい。
金塊とかよく分からないけど、色んな危ない人達がそれを狙ってて、巻き込まれたら危険なんだって。

シライシのを見せてもらったけど、変な柄だった。
アシリパさんは暗号だと言っていたけど、こんなの僕じゃ絶対解けない。
でも何か見覚えがあるような、ないような?
















書きたいところだけ


「鯉登さん」
「お前か、どうした?」
「僕を買ってくれませんか?」
「キエエエッ!(猿叫)」
けたたましいその声に思わず耳を塞ぐ。突然大声を上げた鯉登さんは浅黒い肌からでも分かるくらいに首元まで赤く染めあげていた。
「わいはまちっと自分を大事にせんか」
「…だってお金が欲しいんだもん」
「何か欲しいものでもあるのか?」
落ち着いたのか薩摩弁じゃなくなってしまった。僕、鯉登さんの薩摩弁結構好きだから残念。
「佐一くんの手冷たかったからね、手袋を買ってあげたいの」
「ふん、なぜ私が杉元の為にお前を買わなければならない」
確かに鯉登さんと佐一くんはあんまり仲が良くないみたい。これは頼む相手を間違えたかもなあ。

「いいよ。そしたら別の人に頼むから」
「…待て。身体を売るのか?」
「悪い?僕ほかにお金の稼ぎ方なんて知らないもん」
「……私がお前を買う。幾らだ?」
「10銭」
「ならお前の一生を買うなら幾らだ?」
「僕の一生か。うーん…………あ、200円かな」



「佐一くん!手袋あげる」
「えーなになに、どうしたの?」

「ふん、私に抱かれて得た金で買ったものだ」
「は?何それ。なっちゃんどういうこと?」
「……」
「言葉の通りだが?」

「なっちゃん」
「……」
「返す」
「…佐一くん?」
「…ごめん。しばらくなっちゃんの顔見たくない」
「…………僕間違えた?」
「なっちゃん、あのな。なっちゃんはもっと自分を大事にしなきゃ駄目だ」
「自分を大事にとかわかんないもん。でも僕を買った人はいつも僕をいい子だって褒めてくれたし、お金もいっぱいくれたよ」
「なっちゃんッ!」
初めて佐一くんに叩かれた。いたい。いたい。
なんで叩くの。わかんない、僕佐一くんのこと全然わかんない。
「もういい。佐一くんのばか!」
貰われなかった手袋と赤くなったほっぺ。
全部僕にはわかんない。だって何も考えずににこにこ笑って買われていれば、みんないい子だって言ってくれた。
なのになんで佐一くんは怒るの?

─────

「あいつの一生は200円だそうだ」
「あ?」
「その200円で貴様の望みを叶えて、危ないことをやめさせるのだと話していた」
「な、んだよそれ……」
「哀れだな。一晩たったの10銭で身売りなど」


──────
1日10銭ということは何日で200円になるかな。
佐一くんは手袋よりも、200円の方がきっと喜んでくれるはず。僕が無駄遣いしたからだめなんだ。
でも自分を大事にってどういうこと。わかんない。

僕がもっと頭が良ければ200円なんてすぐに用意できたかな。

──────

「なっちゃん、もうやめて」
「ん?」
「身売りするのをやめてほしい」
「でもそしたら僕何も佐一くんにしてあげられないもん」
「そんなこといいから、頼むからやめてくれ。なっちゃんは家で俺におかえりって言ってくれれば、それでいいんだ」
「でも僕……」
「なっちゃん、お願い」
「……うん、分かった」
つらい。佐一くんは僕をきっと役に立たないやつだと思ってる。何の力にもなれないって。アシリパさんは僕より年下で女の子なのに、ずっと頼りにされてる。
シライシだって役立たずって言われてるけど、信頼されてるのわかるもん。なのに僕だけ何の役にも立たない。昔からそうだ。佐一くんのお荷物にしかならなくて、家族からも疎ましがられた。

だからせめて200円集めて、佐一くんを喜ばせたかった。



「そうか、君は友人のために200円が欲しいのか」
「そうです。でも僕頭悪いからあんまりお金稼げなくて、10銭で僕を売るの」
「ほう?しかし君には10銭以上の価値があるように見える」
「ほんとに?初めに僕に値をつけた人が10銭だって」
「それはそれは。きっと君は騙されていたんだよ。私だったらこんなに可愛らしい君に1円は払ってしまうね」
「うそだあ。僕にそんな価値はないです」
「いやいや本当だとも。もし君の一生を買えるのなら300円を払うと約束しよう」
「300円?ほんとに?」
「ああ。君の友人に200円あげても100円残る。悪くない話だろう?」
「うん!でも100円はいいよ。そんなにいっぱいはいらない」



────
「喜べ杉元ぉ、可愛い可愛いなっちゃんが君に200円をくれるそうだ」
「なんでなっちゃんがてめえのとこにいんだよ!」
「んん〜、なっちゃんは私と一生を共にすることを誓った仲なのだよ」
「佐一くん、鶴見さんいい人だよ。僕のことを200円で買ってくれたの」
「なっちゃんッ!」
「可愛い幼馴染じゃないか。なっちゃんの幼馴染愛には正直妬けるが、私も鬼じゃあない。この200円で金塊から手を引くなら、お前たちには手を出さないと約束しよう」
「無理だな。アシリパさんの目的が達成できない」
「そうか。それは残念だ 。では月島軍曹」
「は」
月島が構える銃の先にはなっちゃんがいた。
「鶴見さん……?」
「すまないね。どうやら交渉は決裂したようだ」

「てめえッ……!!!!」


04/04
青い監獄に儚い系美人がいるわけないだろ、ふざけるな(青檻)
1: 名無しのリアコ
あんなん詐欺やろ

2: 名無しのサッカーファン
スレタイで察したw

3: 名無しのサッカーファン
初見殺しだよな

4: 名無しのサッカーファン
ワイもまんまと堕とされた

5: 名無しのサッカーファン
冷様はどっからどうみても儚い系美人やろ

6: 名無しのサッカーファン
見た目はな

7: 名無しのサッカーファン
中身はゴリr
おや、誰か来たようだ

8: 名無しのサッカーファン
惜しくない>>7を亡くしたなw

9: 名無しのサッカーファン
>>7
冷様がゴリラな訳ないやろがい!
あんな華奢で麗しい冷様が國神をお姫様抱っこなんて出来るはずないんや、出来るはず…

10: 名無しのサッカーファン
>>9
できるんやで( ◜ω◝ )

11: 名無しのサッカーファン
うわあああああ

12: 名無しのサッカーファン
ワイはこの目で見る限り認めない!

13: 名無しのサッカーファン
すまんやで(「・ω・)「ホイ

(見蕩れるほど美しい微笑みで軽々と國神を抱き上げる冷)

14: 名無しのサッカーファン
うわうつくしっ、は?

15: 名無しのサッカーファン
脳がバグってるwww

16: 名無しのサッカーファン
國神顔真っ赤やんw

17: 名無しのサッカーファン
>>13
これ冷様骨折れてない?

18: 名無しのサッカーファン
このあと普通にサッカーしてるんやで

19: 名無しのサッカーファン
周りがドン引きしててワロタwwwwww

20: 名無しのサッカーファン
冷様のゴリラサッカー

(エグい速度のロングシュートを決める冷)

21: 名無しのサッカーファン
これはもうゴリラなんよ

22: 名無しのサッカーファン
ゴリラのこと冷様っていうのやめろよ

23: 名無しのサッカーファン
>>22
逆やで

24: 名無しのサッカーファン
ゴリラ=B型
冷様=B型
ゴリラ=冷様
QED

25: 名無しのサッカーファン
クッソwwwwwwwwwwwww

26: 名無しのサッカーファン
おまいらwwww
え、俺ら消されないよな(真顔)

27: 名無しのサッカーファン
い、いくら冷様ガチ勢でもこんな場末の掲示板見んやろ…
見ないよな…?(震え声)

28: 名無しのサッカーファン
脅すのやめろよwwwwwwwwwwwwwww
やめろよ

29: 名無しのサッカーファン
いやいやさすがにサッカーで忙しいやろw

30: 名無しのサッカーファン
それなwww
そもそも冷様がゴリラなのは周知の事実だろw

31: 名無しのサッカーファン
ガチ勢たちも認めざるを得ないしなw

(BLTVから日常の一コマ抜粋)
「別に…おれはゴリラじゃない。そうでしょ蜂楽」
「う〜〜〜〜ん、そ、そうだね。ねえ潔〜?」
「あ、え、ああ、うん、冷ハゴリラジャナイヨナ…。な、玲王!」
「当たり前だろ、冷はちょっと人より力が強くて力持ちで人間離れしてるだけでゴリラなわけないだろ」
「レオ、それフォローになってない」


32: 名無しのサッカーファン
ちょっと男子ぃ〜、冷様泣いちゃったじゃん

33: 名無しのサッカーファン
気にしてる冷様可愛いかよ
おまいら反省しろw

34: 名無しのサッカーファン
ゴリラでも愛してるから問題なし

35: 名無しのサッカーファン
それな
むしろ完璧さが無くなって愛しさに拍車がかかった

36: 名無しのサッカーファン
愛故なんです!
だからどうか命だけは…!

37: 名無しのサッカーファン
必死かよwwww

38: 名無しのサッカーファン
ここで麗しの冷様を振り返ろう

39: 名無しのサッカーファン
(教室の1番後ろの窓際の席で本を読む冷)

(カフェでスイーツを見てわずかに綻んだ表情を見せる冷)

(綺麗に書かれたノートを使って潔に勉強を教える冷)

(壊れたブルーロックマンを見て悲しそうに目を伏せる冷)

40: 名無しのサッカーファン
最後wwwwwwwwwwwww

41: 名無しのサッカーファン
やめてさしあげろw

42: 名無しのサッカーファン
主人公席じゃん、とか書こうとしたら最後草

43: 名無しのサッカーファン
字綺麗とか全部吹っ飛ぶ最後wwwwwww

44: 名無しのサッカーファン
こんな悲しそうな顔されたら怒れないやろw

45: 名無しのサッカーファン
クッソwwwwww
こんなん卑怯やろwwwww

46: 名無しのサッカーファン
冷様の名誉挽回のためにワイ最推し場面見せてやるで

(BLTVから日常の一コマ抜粋)
「冷、それ美味い?」
「ん。あー」
口元に差し出されたスプーンを覚悟を決めて口に入れる世一。そして後ろから聞こえた蜂楽の「ちょっと冷ちゃん〜!それ関節キスじゃん!」と言う声に耳まで赤くした。
「潔、美味し?」
「美味い(味分からなかった…)」
普段クールであまり表情が変わらない冷が、少し幸せそうに笑うのがこの食事の時間だった。
「俺もあー」
「ん」
凪がんあと口を開けると、当然のようにスプーンを差し出す。(凪は潔と関節キスしないように、冷が一口食べたのを確認してから強請っていた。これに気付いたファンはめんどくさ太郎もそういうの気にするんだと驚いたという)

「それにしても冷はほんとに食べるの好きだよな」
「ん」
「やっぱ結婚するなら料理の上手い人がいい感じ?」
「俺!料理とかあんましたことないけど冷のために頑張るから!」
「俺一人暮らしだから料理得意だよ」
「してねえじゃん!」
玲王の何気ない一言に蜂楽が便乗して、潔と凪が加わる。
冷は我関せずと言った感じで食事を続けていた。

「な、冷。料理は上手い方がいいよな?」
「…別にいい」
「えー冷ちゃんが作れるから?」
「…お前らがおれの為に作ってくれるなら別に何でも」

47: 名無しのサッカーファン
かっっっっわよ

48: 名無しのサッカーファン
オムライス幸せそうに食べるところ完全にょぅι゙ょじゃん

49: 名無しのサッカーファン
元から冷様はょぅι゙ょやろw

50: 名無しのサッカーファン
ゴリラ系ょぅι゙ょ

51: 名無しのサッカーファン
最後皆息してるー?w

52: 名無しのサッカーファン
関節キスよりも高い殺傷力を持つ一言

53: 名無しのサッカーファン
潔選手試合時とは別人やんwww

54: 名無しのサッカーファン
よく冷様に蔑んだ目で見られながら踏まれたいってファンおるけど、こういう動画見ると人を蔑むとかしなさそう

55: 名無しのサッカーファン
>>54
だからいいんやで

56: 名無しのサッカーファン
解釈違いですやめてください

57: 名無しのサッカーファン
でもこう見ると冷様マジで誰とでも相性良さそう

58: 名無しのサッカーファン
面倒見るのも見られるのも慣れてるから、白宝コンビとは息が合いそうやな

59: 名無しのサッカーファン
凪を膝枕しながら頭撫でてる時にバブみを感じたわ

60: 名無しのサッカーファン
ワイは凛の暴君さを「はいはい」って感じで聞き入れてる姿にママみを感じてオギャるかと思ったわ

61: 名無しのサッカーファン
???「それはオギャだな」

62: 名無しのサッカーファン
>>61
やwwwめwwwろwwwwww

63: 名無しのサッカーファン
脳内再生余裕すぎて草

64: 名無しのサッカーファン
ワイは千切とのコンビが好き
「なんだおねむか?よしポンポンしてやる」
「ん」
ってやつ

65: 名無しのサッカーファン
美少女面のイケメンは言うことが違うな

66: 名無しのサッカーファン
お眠の冷様もやはり麗しい

67: 名無しのサッカーファン
おまいらwwwwこれを見ろwwwwwwww

(首から反省札を掛けた冷のスクショ)
「おれはブルーロックマンの腕をシュートで折りました」

68: 名無しのサッカーファン
冷様何体目よwwwwwww

69: 名無しのサッカーファン
(   ._.)って顔が可哀想で可愛いw

70: 名無しのサッカーファン
壊した時の映像も上がってるから見てみw
速度えぐいわ

71: 名無しのサッカーファン
やっぱりゴリr…




御子柴 冷
誕生日 1月11日
年齢 17歳(高校2年生)
星座 山羊座
出身地 宮城県
家族構成 父・母・自分
身長 170cm
足のサイズ 27cm
血液型 O型
利き足 右利左き
好きな選手 なし
サッカーを始めた歳 4歳
座右の銘 「虚仮の一念岩をも通す」
自分が思う自分の長所 …力持ち
自分が思う自分の短所 ガサツかも
好きな食べ物 美味しいもの
嫌いな食べ物 特にない
BESTご飯のお供 梅干し
趣味 料理
好きな季節 冬
好きな音楽 flumpool「Answer」
好きな映画 「ジュマンジ」
好きな漫画 ハイキュー
キャラカラー ネイビー
好きな動物 カラス
得意科目 文系科目
苦手科目 特になし
よく読む雑誌 アウトドア雑誌
好きなタイプ 美味しそうにご飯を食べる人
昨年のバレンタインチョコ数 37個
睡眠時間 7.5時間
お風呂で最初にどこから洗うか 顔
よく使うスマホアプリ 音楽再生アプリ
きのこ派orたけのこ派 どっちも好き
最近泣いたこと 記憶にない
サンタからのプレゼントは何歳まで? 中3
サンタからのプレゼントで要求したのは 英英辞典
地球最後の日に何をする? 家族と過ごす
1億円もらったら何をするか 貯金
休日の過ごし方 好きな物作って食べる





04/03
在りし日のプリント(鋸男)
日向ユキノ
公安所属のデビルハンター
アキより年下。デンジより年上。
家庭的で面倒見が良い。
何故かマキマの支配下におかれない。契約した悪魔の影響か?




「デンジくん、勉強とか興味無い?」
そんな声とともに渡された数枚のプリントにデンジは顔を顰めた。
「んー興味ねぇっす」
そのままプリントを適当に置き、その後ユキノから勉強について言われることは無かった。


「なんだこれ」
帰宅後、リビングに散らばった紙を広いアキが首を傾げた。そして中身を見て納得したように頷いた。
だが真っ白な状態のそれを見てデンジを呼び付ける。

─ペシッ
アキはそれをデンジの額に叩き付けた。
「おい、これやれよ」
「はあ?ユキノさんやんなくていいって言ってたし」
「アイツがお前のために作ったんだ。読め」
眼前に突き付けられたそれをデンジは受け取ると、仕方なさそうに目を落とした。


『□にてはまる漢字かんじきなさい

(1)デンジくんとポチタくんがいっしょにあそぶ。

(2)パワーちゃんがデンジくんといものにく。

(3)アキさんのつくったごはんをみんなでべる。

(4)デンジくんがたのしい□□まいにちをすごす。

(5)アキさんのいえわらいあう。

(6)パワーちゃんとデンジくんが□□さいごのおかしをかけてあらそう。

・・・




「へへ」
自分のためだけに作られた問題集にデンジはだらしなく頬が緩むのを抑えきれなかった。ユキノがどんな思いでこれを作ったのか分からないが、ただただ自分を想ってくれることが嬉しかった。

「ユキノさんって俺のこと好きなんかな」
別に誰に聞かせる訳でもないデンジの独り言を拾ったのはアキだった。
「勘違いするなよ。ユキノは誰にでも優しいだけだ」
「なんだよ、嫉妬か?」
ぶーぶーと野次を飛ばすデンジにアキは手が出そうになるのを必死に抑えた。アキもなんだかんだ、沸点が低いのだ。大人気ないとも言う。
そこにタイミング良くインターホンが鳴る音が聞こえた。
続く鍵の開くガチャリという音にデンジは急いで玄関へと向かう。

「ただいま帰りました」
「ユキノさん!とパワー、おかえりー!」
「ワシはオマケか!ユキノ〜疲れたのじゃ〜」
「ごめんね、いつもありがとう」

買い物に行っていたユキノとパワーをデンジは出迎えた。
パワーは疲れた何だと言いながらも、ユキノに懐いているようで、買い物などの用事には毎回付き添っている。
恐らくパワーはユキノのことを母のように思っているのではないかと、デンジは予想していた。
アキやデンジに怒られるとパワーはすぐにユキノの元へと甘えに行く。ユキノはいつもパワーの話を聞き共感しながらも、諭すように窘めるのだ。
デンジはそれが羨ましいと思いつつ、ユキノを母のようには思えなかった。母ではなく、言うなればもっとそう…。

そこまで考えてデンジは我に返った。ユキノに対し、情欲を抱いたことはないし、これからもないはずだ。

「デンジくん?どうかした?」
ブルンブルンと頭を振るデンジにユキノがそっと問い掛ける。アキやパワーがいれば「ほっとけ、いつものことだ(じゃ)」などと言われるのだろうが、既にここにはいない。








初めてその腕に抱いた男はあまりにも華奢だった。
細く柔らかい身体はデンジが力を込めれば、簡単にポキリと折れてしまいそうで怖くなった。
ユキノから香る甘く優しい匂いは心の底から、それこそ本能から安心できた。

デンジの胸にドロリとした感情が流れ込む。
これは、この人は、俺のものだ。
言語化できないその感情ははたして独占欲だったのかもしれない。愛を超えた感情、羨望、渇望。デンジは全身で日向ユキノという男を欲しいと感じた。否、誰にも譲らない・・・・・・・と決めた。


バディを亡くし、はらはらと泣くユキノの姿に抱いたのは果たして──。


「ユキノさん、俺が死んだらそうやって泣いてくれる?」
「ばか、縁起でもないこと言わないで」
目を赤くして怒るユキノにデンジはゴクリと唾を飲み込む。ユキノが泣く理由も笑う理由も全部自分だったらいいのに、デンジはそんな強欲なことを考えずにはいられなかった。





プリントの最後の問題は
『(100)ユキノはデンジくんが□□だいすきです。』
だった。
デンジの胸がきゅうとなり、思わず笑みがこぼれた。

「なあ早パイ、あい・・ってどう書くんだ?」
「は?あぁ」
アキは怪訝そうにデンジを見たが、その手元のプリントに気付き合点がいった。

それは数日前まで遡る。

薄明かりの中、ああでもないこうでもないと首を捻るユキノに耐えかね、アキが声をかける。
「何やってんだ、早く寝ろ」
「うーん。デンジくん勉強とか興味無いかなって思ったので…」
「市販の教材とかでいいだろ」
「でも小学生用とかって書かれてたら、いい気はしないでしょう?それにきっと身近な分かりやすい文章の方が覚えたくなりますから」

そう言ってまたうんうんと唸るユキノにアキはホットミルクを差し入れた。
別に、デンジの為だけにユキノの時間が使われることにムカついて、早く寝かせるためにホットミルクにした訳では無い。誰よりも働き者のユキノに休んで欲しかっただけだ。誰に言う訳でも無くアキは心の中で独りごちた。







以下、最後のページ

『(100)ユキノはデンジくんが大好だいすきです。』
その文の左に少し歪だが、丁寧に書いたことが分かる字で、『おれは愛してます!』と書かれていた。


03/26
被害者続々…!(青檻)
「お前もToLOVEるの主人公にしてやろうか!」



母に無理やり連れてこられた場所、ブルーロックは文字通り正に監獄だった──

泉野 京いずみの みやこは幼い時からある体質に悩まされていた。そしてそれは年を追うごとに悪化していき、17歳の今では姉から歩く公害と揶揄されるようになっていた。
その体質というのがラッキースケベ・・・・・・・である。それもされる側。
京は昔から極度のラッキースケベされ体質であった。今まで押し倒された回数は数知れず。お店の嬢よりも他人の股間を握っている自信すらある。もちろん逆も然り。(無い)胸を揉みしだかれることもざらにあった。相手が転んだ拍子に京のズボンに手がかかるなんて日常茶飯事だし、それを回避しても転んだ先に京の股座に頭からダイブするなんてこともある。ファーストキス?そんなものとっくの昔に事故で亡くなったと京は言う。そして幸か不幸か、相手は全て同性だった。

ToLOVEるラッキースケベというものは不思議なもので、何故か相手に好意を抱いてしまうらしい。そのせいで京は何度ストーカーに遭ったことか。近所のおじさん、電車で乗り合わせた人、親戚のお兄さん、先生、後輩・先輩、同級生、京の体質によって多くの男性たちの性癖を歪ませてきた。

そんな超体質である京がブルーロックに収監された。
周りを見ても男、男、男の監獄に、である。そうなると結果は分かりきっている。『ドキッ!男だらけのハーレム物語。─ボロンもあるよ─』の完成である。



「え、絵心さん…!?!?何で!アレルギーとかまで調べてるなら僕の体質だって知ってたでしょ!?」
「申し送り事項にラッキースケベ体質と書かれていて本気にする奴がいる訳ないだろ」
からの冒頭の台詞である。
「蝋人形かよ」と絵心は突っ込んだが、残念なことに京にそのネタは通じなかった。



これは京とブルーロックスの愛蔵渦巻く愉快・・な物語である。
03/26
例のあの人からの呼ばれ方は「我が妻」(HP)
生命いのちの民。祖を精霊とし、今では伝説と謳われる超神秘的民族である。彼らは魔法力を他者へと分け与えることができるとされていた。マグルやスクイブを魔法使いにする、そんな希少な特性を持つ。

そしてそれらはとうの昔に滅びたというのが通説である。魔法力を持たないマグルやスクイブだけでなく、さらに強大な力を得ることが出来ることから、魔法使いにもその存在を狙われていた。そして狩り尽くされて滅びの一途を辿ったというのが現代に伝わっている生命の民の話だ。

そんな生命の民の先祖返りである、カレン・ベネットは11歳でホグワーツに入学するまでその事実を知らなかった。
両親は既に亡く、育ての親から日常的に虐待を受けていたカレンに自分のルーツを知る術はなかった。

そこから始まる愛され人生。(親世代)
純血で、スリザリン。セブルスと同い年。≠純血主義。
「あのね、僕は純血にこだわりなんて無いし、スリザリンがどうとかグリフィンドールがどうとか区別する気もない。だけど君たちがスリザリンを気に入らないなら、僕だけに言えばいい。君たちが嫌いな純血のスリザリンである僕にね。だからセブに構うな」
カレンがセブルスに構うことが気に入らないシリウスと、リリーがセブルスに構うことが気に入らないジェームズ。
バチバチの学生生活を送って欲しい。
何気に初恋泥棒だともっといい。

「ピーター、珍しいね。君が僕を誘うなんて」
「相談があるんだ。ほ、ほらあの2人はきっと揶揄ってくるし、リーマスは隠し事に向いてないから」
「それもそうだね。でもわざわざノクターン横丁に来るなんて、そこまで秘密にしたいことなのかい?」
「そ、そうだよ。ここはホグワーツ生も来ないから内緒話にぴったりだと思ったんだ」

そして現るヴォルデモート。
ピーター・ペティグリューによって、カレンは売られたのだ。カレンが17歳の時の話である。
ピーターはこの時は闇の帝王の元に付いた訳では無い。ただ捕まって開心術でカレンのことを知られ、命惜しさに友人を差し出しただけである。


ヴォルデモートによってカレンは陵辱される。
使わない・・・・時は眠らされ時の止まった氷の棺に閉じ込められる。ヴォルデモートより先に死なれないように、その棺の中でカレンは老いることも死ぬこともない。
そしてハリーによってヴォルデモートの脅威が退けられ、誰からも見つかることなく、眠ったまま10数年の月日が流れる。

ハリーたちが分霊箱の一つである日記を破壊したことで棺が開き、原作軸へ。
01/11
転生もの(供養)
パァンと乾いた音とともに胸に銃弾が貫通した。
意識が落ちる瞬間、俺はまた失敗したことを悟った。





俺は何故か強制リスタートの輪廻に巻き込まれていた。死んだらリセットやり直し。また一からスタートだ。
初めの人生は27歳まで生きることができた。そのあと電車に轢かれてやり直しさせられたが。俺と一緒に轢かれた奴もいたなぁと薄ら覚えている。

で、またおぎゃあと生まれて同じように生きた。ただ大人であった記憶がある為、視野が広くなったのか様々なことに気がつくことが出来た。この辺はとある不良の溜まり場だとか、ここは暴走族の通り道だとか。とにかく治安が悪いってことだ。
2回目は確か15歳で死んだ気がする。告白を断ったら刺されたのだ。でも普通年少上がりの同性に告られてすぐさまOK出せないって。

3回目は享年18歳だったか。この人生ではガキの頃火事のあった家に飛び込んで人を助けたから、顔に火傷の跡が残ったまま成長した。この時の死因は何だったっけ。付き合いの長い友人に殺された気がする。王の命令だとかで泣きながら首を絞めてきたな。

4回目は早かった。火傷は変わらないけど、というかもうあそこで火事が起こるの分かってたから助けないという選択肢はないよな。ま、それはさておき、そうだ、そうだった。俺は12で死んだんだ。8代目黒龍のヤツらに嬲り殺された。ヤクにレイプに散々だった。青ざめた顔の青宗くんには悪い事をしたな。いや俺なんも悪くねえけど。


それからもずっと俺は死に続けた。幼馴染を庇って刺されたり、アイツの妹と歩いてる時に中に頭を殴られたり、DV野郎に撲殺されたり、嫌いなアイツを庇って撃たれたり、我ながら可哀想だな。



で、今回は上手くいったと思ったのだが駄目だったみたいだ。最初を除いて記録更新、24歳で死んだ。
最後に見たのは俺を撃った男、半間修二でその目に涙が浮かんでいた。アイツとも付き合い長かったからな。



■■…■RESET□


またやり直しだ。せっかく上手くいったと思ったのに。

でも何かがおかしい。周りの俺を見る目がいつもよりも甘ったるい気がする。どこか過保護で真綿で首を絞められているようなそんな閉塞感。

どこに行っても幼馴染であるマイキーと場地が着いてきたし、というか一人でどこかに行かせてくれなかった。真一郎くんは泣き笑いみたいな顔で俺を見てそっと側頭部を撫でてくる。まるで怪我をいたわるような手付きだ。
それにエマだけでなく、イザナまで佐野家の仲間入りをしていた。
イザナにされたことがことだから嫌いだけど、あのイザナと今回のイザナを同じとして扱うのは違うから我慢するしかない。でもその我慢もすぐに必要なくなった。
今回のイザナは俺に優しいし、甘いし、嫌いじゃなくなった。たまに俺の胸に耳を当てて何かを確かめるような素振りを見せるけど。

イザナは人を殺さなかったから勿論少年院にも行ってない。でも蘭や竜胆たちや鶴蝶とは出会ってるみたいだし、その辺のバタフライエフェクトに困惑する。
そういえば東卍も結成年こそ変わらないけど、それぞれの出会いが早かった気がする。小3くらいで創設メンバー全員集合していた。
乾家で火事は起きなかったし、様子を見に行ったら赤音さんと青宗くんに暖かく歓迎された。今回は初めましてのはずなのに名前を呼ばれたけど、どうしてだろうか。


イザナはやっぱり黒龍を継いだけど、あの頃の横暴さはなかった。真一郎くんの時代と同じようにかっこよくて皆の憧れのようなチームだった。それをマイキーに言うと東京卍會もカッコイイだろと威張ってくるけど、どっちもかっこいいと思う。




夢を見ているようだった。前までは一つ釦を掛け違えただけで、転がり落ちるように地獄へ一直線だったのに今では皆がそれを阻止しようと動いているように見えた。
性格が変わった、生まれが変わったとか、そんなことは無いはずなのに何かが違う。
ずっと喉に刺さった小骨のような違和感はあるけど、それを取り出せるほど器用じゃないし現状に不満はなかった。

ターニングポイントの一つである、15歳のとき。タケミチが東卍に加入した。やっぱり初めましてのはずなのにタケミチは俺を見て号泣した。困惑しているのは俺だけで、周りは仕方ないみたいな顔をしてタケミチを慰めていた。
理解できないけど、ついていけてないのは俺だけらしいから概ね問題ない。




知らない不良に殴られた。速攻殴り返して勝ったけど、頬が赤く腫れているのがダサすぎる。
その不良曰く「東京卍會幹部と対等にツルんでいて」「黒龍を支配下にしていて」「天竺を言いなりにしている」らしい。それが本当なら俺は最強だと思う。東卍云々はまあタメだし、幼馴染だし、おかしくないけど、それ以外は出鱈目すぎる。今の黒龍はかつてのDV野郎の大寿くんが総長だが、あの頃の暴力性は何故か無い。不器用で素直じゃなくて、でも妹弟思いの優しい兄貴分だ。で、天竺というのが2回目の時、俺を刺し殺した蘭やその他強者が所属しているイザナのチームだ。三チームとも同盟があるのか揉め事は未だ聞かない。

それはともかく、殴られてダサい俺を真っ先に見付けたのがかつて泣きながら俺の首を絞めた春千夜だった。
そういえば今回の春千夜は猫被りをしていない。変わらず伍番隊の副隊長を務めながらムーチョに終始ガルガルしていた。何故だろうか。
そんな春千夜に見つかった
「誰にやられたんだ!?」とか「マイキーは知ってるのか!?」とか煩いけど、小さく「いっそ閉じ込めればいいのか」と呟いているのも聞こえてるから。

春千夜が言いふらしたせいでとんでもない事になった。たかが学校の送迎に東卍幹部または黒龍幹部、時には天竺幹部を寄越そうとするのだ。ちなみに黒龍幹部の中には初代も入るとだけ伝えておく。
あの不良の話が本当になってしまうところだった。嘘から出た実にするには恐ろしすぎる。
何とか言いくるめてそれを阻止したが、それにしても俺への過保護に拍車がかかっている。
バグか?
01/11
オメガバース(供養)
─────

私たちには男性、女性という性別の他に第二の性とも称されるバース性というものが存在しています。
支配者とされるα性、過半数を占めるβ性、そして支配される立場にあるΩ性です。
Ω性の人口は減少傾向にありますが、政府の発表によりますと今年のΩ性発症率は過去最低を記録しました。

そこで本日はバース性に詳しい山田先生にお越しいただきました。
山田先生、Ω性の減少にはどんな背景があるとお考えでしょうか───プツン


「あーもう!見てたのに」
テレビを消した張本人である真一郎くんに抗議すれば適当に頭を撫でられ誤魔化された。
「お前はこんなん見なくていいの」
「もー」

世間一般的にはΩは歓迎されていない。さっきのだって解説の人がΩに対して肯定的な意見を述べるとは思えなかった。だから多分真一郎くんはΩである僕に気を使って消したんだと思う。もう僕はそんなのとっくに慣れてるのに。

「綴は周りのこととか気にしなくていいから。大人しくオレらに囲われとけって」
αの万次郎に言われると妙に説得力がある。けど素直に納得する僕じゃないのだ。
「今は万次郎たちが守ってくれるけど、先のことは分かんないでしょ?僕だって自衛できることもあると思うし…」
「は?これから先も離す訳ねぇじゃん」
「分かんないじゃん。運命もあるし」
先のことは分からない。たまたま身近に僕しかΩがいないけれど、きっと万次郎には素敵な出会いがあるはずだ。万次郎だけじゃない。普段から僕を守ってくれる東卍の皆だって運命の相手が見つかるかもしれない。



Ωだと分かった日、僕の日常は一変した。
シングルマザーの母は落胆し酷く罵った。僕を大手企業に入れ安定した生活を夢見ていた母からしたら、期待外れもいい所だったのだと思う。Ωは就職でも差別されるから、大手企業なんて夢のまた夢だ。それから何故か母と一緒に住むことは出来なくなった。捨てられたのだと思う。
友人関係も大分変わった。皆良くも悪くも過保護になった。過保護筆頭の真一郎くんは僕をお姫様か何かのように大事にするし、万次郎たちだってなるべく危険なことから遠ざけようとする。もう一人で外出なんてさせて貰えない。何かあったら危ないからだそうだ。
それからはずっと劣等感と罪悪感で押し潰されそうだった。αとβの皆は自由で楽しそうで、Ωな僕だけ大事に大事に守られて退屈とまでは言わないけれど、ただ窮屈だった。



だから少しの反抗心のつもりだった。
皆に守られなくても僕は生きていけるんだって証明したかった。
大人しく家にいるように言われたがその言いつけを破って飛び出した。万次郎の誕生日プレゼント買うのに本人がいたらつまらない。それくらいできると思っていた。


✼✼✼✼✼

─────

先日、東京都新宿区の路地裏でΩの男子中学生が暴行された状態で発見されました。強制的にヒートを起こされた跡が残っており、警察は強姦事件とみて捜査を続けています。犯人は未だわかっていません。
男子中学生の項に噛まれた形跡はありませんでした。

この事件についてバース犯罪に詳しい───プツン



綴が襲われた。テレビでは連日綴のニュースばかりを取り上げている。コメンテーターの中にはΩは無意識に人を誘惑するから仕方ないとか言う奴もいた。未だ目を覚まさない綴を前にしたら、そんな言葉吐けもしないくせに!

見舞いに行っても面会謝絶の文字だけしか見られなかった。綴が病院に運ばれてからずっとそうだ。オレはあの日から綴に会えていない。
あの日、綴は何を思って家を抜け出したんだろう。
オレや場地たちに言えばどこにだって付き合うのに。シンイチローだって1日くらいなら店を閉めて付き合うだろうし。
綴はシンイチローと一緒にシンイチローの店で暮らしている。普段は暇なくせに、その日は珍しく朝から忙しかったらしい。シンイチローは綴が抜け出したことに気付かなかった。シンイチローは悪くないとわかっているけど、ちゃんと見ていればこんなことにはならなかったのにと思わずにはいられなかった。




犯人が捕まっても未だ綴は目を覚まさない。
面会謝絶の札は無くなったけど、行ったところで会えるのは青い顔で眠っている綴だけだ。オレは綴と話したいのに。
綴が眠っている間にオレの誕生日が過ぎた。祝ってもらう気にはなれなくて、アイツらも綴抜きで祝う気にはなれなかったらしく、綴が起きるまで誕生日は延期になった。もしかしたら綴が襲われたときに持っていたラッピングされた袋はオレ宛だったのかもしれない。オレの誕生日を祝おうとして、だからオレに声を掛けてくれなかったのだ。
01/11
ホンモノのヤッさんとかどうですか
「ガキの喧嘩に刃物たァ、随分物騒じゃねェか」

芭流覇羅と東京卍會の抗争で場地があわや刺されるという中、その男は現れた。
柔らかそうな金髪を後ろに撫でつけ、深緑のシャツに黒いネクタイを緩く締め黒いストライプスーツという、いかにもな風貌の男は場地の後ろにいた一虎をサッと組み敷いた。

「テメェらが勝手すんのはいいがよォ、ここは俺のシマだぜ?殺人沙汰つぅのは違うんじゃねェの?」

一虎を下敷きにしながら刃物で遊ぶ男が言う。
そして皆、男の言葉に顔色を悪くした。
“俺のシマ”男は確かにそう言った。さらに裏社会を思わせる格好から男の正体は容易に想像がつく。

『六道組 紫藤亮介』
ここいらを取り仕切る六道組の若頭、その人だ。

「で、誰か状況説明しろよ」
かったるそうに亮介がそれぞれの顔を見渡す。そしてその中に見知った顔を見つけると、苦々しげに顔を歪めた。

「おいおい万次郎、テメェ兄貴に顔向け出来ねェことしてねェよなァ?」
「…亮クンには関係ねェ」

ぶっきらぼうに吐き捨てたマイキーに亮介が舌打ちを零す。
「お前なァ…。まァいいや」
そして呆れたように見遣ると、一虎の上から退いて叫んだ。
「テメェらよく分かった。いや分かんねェけど。白いのが刃物持ち出した時点で黒いのの勝ちだ!いいな?」
「ふざけんな!」と芭流覇羅から声が上がるが、それを睨みつけることで黙らせた。

「ヤクザもんにもよォ、通すべき筋ってのがあンだがよ。テメェらはそれがなってねェ」
そしてニヤリと笑って続ける。
「オニーサンが直々に教えてやってもいいんだぜ?」

そして後に血のハロウィンと呼ばれる芭流覇羅対東京卍會の抗争は死者、逮捕者を出さずに幕を閉じた。



「ンで、万次郎。説明しろ」
組み敷いた相手が以前真一郎の店に押し入った奴だと分かり、亮介はマイキーと場地と一虎を呼び付けた。不安なメンツ故にドラケンと千冬、タケミチもその場に残ることになった。

場地の裏切り、稀咲の思惑、一虎の逆恨み等々子供が背負うにはあまりにも重すぎるそれに、一周回って笑いすら込み上げてくる。

「一虎クンよォ、オイタしたとき締め上げたよな?」
一虎と場地が真一郎の店に押し入った際、たまたま亮介が助けに入り、襲われた真一郎は致命傷を免れた。そして亮介による過剰防衛が行われ、一虎は暫く入院する羽目になった。しかしそれでも自責の念から逃れるために、一虎はマイキーを逆恨みしていたのだ。
「ッあの時の!」
「覚えててくれたンなら何よりだわ。ンで俺言ったよなァ。テメェがパクられンのは勝手だけどよォ、俺のシマで調子こいてっと殺すぞってな」
ヤクザというのは時に必要悪にもなり得る。六道組が睨みを利かせているために凶悪な犯罪が起きにくくなるのだ。その利点があるため、警察からある程度のお目こぼしが許されている。
しかし一虎のような勝手がまかり通ると、ヤクザもやりにくくなってしまう。だから筋を通せと亮介は脅すのだ。

「逆恨みつぅのもだせェし、つぅか真一郎の店に出資してる俺の身にもなれよ。バックに六道組が着いてる店がガキに襲われたんじゃ世話ねぇぜ」
最後に無防備な真一郎に対する愚痴を零すと、一虎の目を正面から見た。

「お前は何がしてェんだ?」
「オレは…」
「真一郎はテメェのこととっくに許してンだよ。その上で後は万次郎と一虎が解決しなきゃなんねェことだって放任してンだ」
「オレは…真一郎くんに謝りたい。マイキーにも」
「だってよ」

「はァ、シンイチローが許してんならオレが許さねぇわけにはいかないじゃん」
「ごめん、ごめんマイキー」

「あぁ、オマエを許す。これからも一虎は東卍の一員だ」

円満解決に黙って見ていたタケミチはホッと胸を撫で下ろす。千冬も場地との蟠りが解け、顔が綻んでいた。


「お前らさァ、ンなことばっかしてっと俺の組に入るしか道がなくなンぞ」
「亮クンとこならいいよ、入っても」
肩の荷が降りたマイキーが笑いながら亮介に倒れ込んだ。それを抱きとめながら、マイキーの顔に笑顔が戻ったことに安心する亮介だった。
「マイキーが入んなら、東卍の奴らも全員引き取って貰わねぇと」
「血の気が多い奴ばっか要らねェって」
ドラケンの言葉にゲェと顔を顰める亮介。その姿は六道組の若頭というよりは本来の20歳の青年の姿をしていた。



後日談として、芭流覇羅は敗北を以て東京卍會に下ることになった。
舎弟からその報告を受けた亮介は苦虫を噛み潰したような顔をした後、真一郎に愚痴ることに決めた。
先日の一件で東京卍會を勝手に監視下に置くことに決めたのだが、こうも血気盛んな連中が集まるとそれも無駄に思えたからだ。

ちなみにあれから東京卍會の幹部連中には「亮クン」「亮クン」と懐かれてしまった。それを見て部下たちが「若様に何を!」と顔を青くしているのだが、それはまた別の話だ。
07/13
ヤンデレメンヘラ依存系
夏油傑と共依存の話とか。
〜小6まで幼馴染。唯一同じ世界(呪霊)を見られる相手にどんどん依存していく二人。しかし中学を機に男主が遠くへ行ってしまう(関西の方)。三年間離れ離れになる。
やがて京都校の男主と東京校の夏油は姉妹交流会で再会。夏油の依存が悪化。しかし男主は同じ世界を見ているのが自分と夏油だけではないことに気付き、普通の距離感に戻ろうとする。より悪化。



夏油の離反を知った男主。
夏油の手を振り払った責任を感じ、夏油を殺すことを決意。夏油を殺し一緒に逝くことが贖罪だと考えた。
しかし腐っても特級で結局殺すことは叶わなかった。



五条袈裟を着た男が人目を憚りながら、そろりと地下への扉を開く。光の差さないその階段は薄気味悪く、ひんやりとした冷気が漂っていた。階段の先には何重にも鍵のかかった部屋があった。男は薄く微笑みながら一つずつ丁寧に錠を外していく。
漸く全ての錠を外し、ゆっくりと扉を開くと中から光が漏れ出てきた。男はそれに目を細めつつ、口角をさらに引き上げる。
「ただいま、いい子にしてたかい?」
中に入るとそう朗らかに声を掛ける。しかしその手は再び厳重に鍵をかけていた。
男は部屋の奥から返事が聞こえないことに苛立ち、眉間に皺を寄せて溜め息を吐く。そのままやや乱暴に足音を立てながら奥へと向かった。
「駄目じゃないか。私のことを出迎えてくれないと」

部屋の奥には男がいた。
暫く日に当たっていないような肌の白い男だ。男は物憂げに五条袈裟の男を見たが、やがてそっと目を逸らした。それは何もかもを諦めたような表情だった。
「ねえ」
五条袈裟の男が白い肌の男の名を呼ぶ。しかし男は聞きたくないというかのように両腕で頭を抱えた。その動作に男は再び溜め息を吐くと、白い肌の男の腕を掴んだ。ジャラリと鎖の鳴る音が響いた。男の腕は長い長い鎖で繋がれていた。両足も同様だった。
「ずっと一緒にいるって言ったのは君だろう?」
その言葉に白い肌の男は顔を上げ何かを告げようと口を開いたが、やがてまた俯いた。そして蚊の鳴くような声で「…ごめん」と呟いた。
「謝らなくてもいいのに。これからはずっと一緒なんだから。それこそ気が遠くなるくらいね」
06/04
禪院直毘人の最愛と、その息子
禪院家当主、禪院直毘人には妻がいる。
血を残す為に誂えられた女だ。
直哉という直毘人と同じ術式を継いだ息子も生まれた。
順風満帆だった。


しかし直毘人には忘れられない女がいた。
かつて愛した女だ。
禪院の系譜に辛うじて連なっているだけの呪術師としては三流、いや四流以下の家の出の女だった。
その女は快活に笑う女だった。直毘人が柄にもなく本気で守りたいと思った女だった。
だから妻として迎えることは無かった。この家で大した術式を持たない女がどう扱われるのか、直毘人は誰よりも知っていた。

女との逢瀬を続けていくうちに女に子供が出来た。
愛した女との子供だ。愛おしくないはずもない。
やがて子供が生まれた。女にそっくりの目鼻立ちのはっきりとした赤ん坊だった。可愛い可愛い男の子だった。

赤子は呪霊が見えた。見えてしまった。
そうして直毘人は女とその息子を家に迎え入れることを決めた。息子を呪霊から守るためにもそれが正しいと思う他なかった。
しかし女は反対した。禪院という家を知っているのだ。
女自身のことより息子が虐待紛いの扱いを受けることが許せなかった。
女は告げた。
「貴方とはここでサヨナラです。私とこの子を連れて行く気ならこの子を殺して私も死にます」
女の目は本気だった。直毘人は愛した女を諦めた。息子を手放した。女を愛するが故の判断だった。


月日は流れ、あの時の赤子はもう中学通う年頃になった。母に似た美しい顔立ちのまま、少年期と青年期の堺の妖しげな色香を漂わせている。
この頃過労が祟った母は寝たきりになってしまった。少年が母の面倒を見ながら生活するには余りに苦しかった。
そして女は美しいままこの世を去った。
母に生き写しの美しい息子を残して。



そんな少年に骨抜きにされる禪院家どうですか。
06/04
Fateと呪術のクロスオーバー
書きたいところ
・兄貴の槍で無下限無効化
・新シンの変装で理子ちゃん生存
・ノッブ(神性特攻持ち)で灰原生存
・夏油離反の村に姐さん(子供好き)連れてって離反阻止
→絶対夏油よりブチ切れる姐さんいるじゃん

・獄門彊はルルブレで解除
→これがやりたかった

05/27
この戦いが終わったら結婚するんだ。
俺結婚するんだ。ふふ、びっくりした?
俺も驚いてる。だって俺が結婚だよ。一番縁遠いと思ってたからね。

相手はね、呪術師だよ。君は知らない人じゃないかな。
俺もお見合いで紹介されるまで知らなかったし。
狭い世界で生きてるはずなのに知らない人と出会ってそのまま結婚なんてね。不思議だよね。あの頃じゃ考えもしなかった。

俺に幸せな家庭が作れると思う?
俺は思わないんだよね。想像もつかない。温かい家庭って意外と難しい気がする。今なら君が家族ごっこをしたがった意味が分かるよ。いや家族ごっこは失礼だったか。ごめん。


こんなことわざわざ君に話すなんてどうかしてるなあ。

俺結婚するんだよ。ねえ。ねえ。
嫉妬とかしないの?相手は君じゃないんだよ。
何であの時一緒に連れて行ってくれなかったんだよ。そしたら君と一緒にいれたのに。好きでもない相手と結婚なんかしなくていいのに。

俺は君以上に愛した人はいないよ。きっとこれからも。
俺と一緒に生きてなんて言わないからせめて一緒に死んで欲しかった。先に逝くなんて。ほんと馬鹿だよね。

何で。俺は幸せになりたかった訳じゃないんだ。
君と幸せになりたかったんだよ。例え不幸な人生だろうと君がいたら乗り越えられたのに。

ねえ傑。君のことが好きでした。一生好きです。
だから君以外の人と幸せになる俺をどうか許さないで。
05/20
伏黒幼児化ネタ
伏黒幼児化ネタ

「まま?」
「えと…何があった?」

大変、呪霊の攻撃で伏黒くんが3歳児に!
何故か男主くんを母親だと勘違いして…

そんな伏黒くんに対して自分が父だと主張する不審な28歳児も現れてもう大変!
本当の父親もやってきて現場は騒然!

伏黒くんは元に戻るのか!
男主くんは誰の嫁になるのか!

みたいな。
05/14
ご都合主義
「うわっ」
足がもつれて身体が前のめりになる。慌てて腕を前に突き出し何とか怪我だけは避けようとするが伸ばした手にムニとした感触があった。
そして転んだ拍子に手元を見ると僕は五条くんの胸を鷲掴みしていた。

「ごめっ!違くて!その、わざとじゃなくて」
女の子じゃなくて良かったと思う前に、顔を真っ赤にして涙目で僕を睨む五条くんの顔を見たら謝罪の言葉が飛び出るのも自然の摂理だと思う。まあ男女関係なく謝れって話だけど。

「ッ死ね!」
無理やり僕を押し退けると五条くんは真っ赤な顔のまま、暴言を吐き捨て走り去って行った。

こういうのを世間ではラッキースケベって言うみたいだけど(家入さんが教えてくれた)、全然ラッキーじゃない。今みたいなのが一日に何回も起きるんだ。被害者はいつも五条くん。わざとじゃないのに、きっと五条くんはわざと僕が意地悪してると思ってることだろう。


五条くんとは高専で出会ったんだけど、一年の頃はこんなことは無かった。夏油くんほど仲良くはなれなかったけど、それでも友達として上手くやっていたはずだった。けれどある日突然、あんな風になっちゃって。
最初の頃は怒りながらも何だかんだ許してくれたけど、それが続くと五条くんは僕に近付かなくなった。仕方の無いことだ。僕だってあんなこと毎日されたら嫌だと思う。自分の意思じゃどうにもならないのがもどかしくて辛いのだ。

(中略)

ラッキースケベになるのが五条くんだけでなく、夏油くんも対象になってしまった。どうしてだろう。
五条くんに謝りたいけど近付けないって相談をしてて、気付いたらそうなっていた。
夏油くんも初めは困ったような顔で許してくれたけど、今はギラギラした目で僕を見る。きっと怒ってるんだ。

このままじゃ家入さんしか友達がいなくなってしまう。
可愛い後輩たちに相談したいけれど、セクハラする先輩だと思われたら嫌だなあ。

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05/05
空の上から(ネタバレ注意)
「いつ見ても悟が先生してるのって笑えるね」
「だからといって邪魔してやんなよ」
「いくら夏油さんでも、流石に親友の教え子の彼女に手を出すのは…」

「圧倒的夏油フリークの雄でもドン引きって、お前やばいよ」
「そうかな?いやそれよりも私フリークって何だい?」
「夏油さんの事なら何でも推せるファンみたいなものです!」

「早速推せてないけどな」
「灰原、君がそんなに私を思ってくれていたなんて…!」
「でも!あの一件から夏油さんから先輩に推し変しましたから」

「先輩ってまさか俺?」
「まあ悟を推されるよりいいか」
「先輩なら尊敬したままでいられますからね!」

「確かに俺ら死んでるしな」
「なら私はあれをやらなければ推されてたのか」
「そうですね!ただそしたらここにいないでしょうけど」




「そうだ、俺お前に言いたいことあったんだ」
「君から借りたCDは悟が壊したんだからね」
「咎められる前に責任逃れするタイプなんですね…」

「違うそうじゃねえ」
「君のせいで灰原からの信頼がどんどん損なわれていくよ」
「あ、いや、そ、そんなことはないです!」

「それは自業自得では?」

「あちゃー健人お前来るの早いよ」
「ようこそ、とでも言うべきかな?」
「おかえりでいいと思いますよ、七海だし。七海、おかえり」
「不本意ですが…。ただいま」

「あの健人がこっち来たってことは中々修羅場ってる?」
「ちょっと誰か様子見てきてよ」
「僕炬燵から出られないです」
「…この時期になんで炬燵何ですか」

「ははは。あの世に季節なんてないからね」
「あ、みかん食べる?」
「はいはいはーい!食べます」
「貴方たち寛ぎすぎじゃないですか。私も頂きます」

「君私に言いたいことあったんじゃないの?」
「健人のせいで忘れた」
「人のせいにしないで下さい」
「まあまあ。思い出した時に言えばいいじゃないですか」

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05/05
前置き
「おれ皆の前じゃないとヒヨって言えなくなりそうだから、今言うな。だから悪いけど傑と硝子付き合ってくんね?」
「別に構わないよ」
「私も別に」
二人に確認を取り、恋人に向き直る。

「じゃあ本題の前にあのな、悟。浮気するのは別にいいんだ。そもそも俺なんかお前に釣り合う訳ねえし、それで帳尻が合うなら安いモンだと諦めるよ」
「浮気!?」「悟…」と慌てたような諦めたような声が聞こえるが、まあ気にしない。悟は顔面蒼白にして絶句していた。その顔ウケる。

「ただ俺の家に連れ込むのは止めてくれ」
「え…」「うわぁ」ドン引きした声も気にしないが、それより悟やけに顔が青いけど大丈夫か?

「百歩いやこの際三歩でいいや。三歩譲って同居してるなら分かる。え、なんで俺の部屋でヤんの」
「夏油何これ新手のホラー?」「映画化したら全米も恐怖で泣くだろうね」お二人さん現実逃避はやめてくれ。悟も顔を赤くしたり青くしたりして忙しないな。

「ホテル代浮かせてるとかは悟に限ってないだろうし。けどまあそれも百歩譲って許すとして」
「許す此奴もやばい」「だから悟も付け上がるんだよ」俺で妥協して貰ってるから仕方ないだろ。悟もホッとしてるしな。

「お前が先に用事ある時、女蹴り出すの止めてやれよ。薄着で玄関前に蹲ってて可哀想だろ」
「最低だな」「親友やめたくなった」こればっかりは俺も擁護できねえからな。悟も縮こまるな。

「俺任務帰りで疲れてんのに女もてなさなきゃいけねえんだけど。温かい紅茶入れたり、風呂沸かしたり」
「別れなよ」「もっといい人いるよ、こことか」俺もそう思うよ、まじで。

「おまっ、お前が!モテるからだろ!」
今まで黙っていた悟がキレたように話し出した。
「お前に色目使う奴を落として捨てんだよ。そしたらお前のこと見なくなんだろ!」
「いやでも場所俺の部屋…」
「お前の匂いじゃねえと駄目なんだよ!!!!」
顔を真っ赤にさせた悟が叫んだ。
「ねえもうやんない。浮気しない。別れるなんて言うなよ。傑のとこ行くなよ、なあ。なあ!」
終いには俺の膝に縋り着いて泣き始めた。悟は泣き落としとか出来るのか。器用だな。

「俺の部屋使わねえなら、ま、いっか」
「一番イカれてんの此奴じゃない?」「かもしれない」お二人さん聞こえてるからな。
「許してくれんのか!」
「別にいいよ許す許す」
パァと喜色満面の笑みを浮かべて俺の膝に頭を擦りつける悟。鼻水は付けんなよ。

「で、本題なんだけど」
「「今のが前座!?」」
04/25
世間知らずの悟くん
「なあ傑」
二人でぐだぐたとだべっていると、不意に真剣な顔をした悟に名前を呼ばれた。
「俺の許嫁の話したよな」
「ああ、悟がベタ惚れの可愛い子ね」
悟には許嫁がいるらしく、事あるごとに自慢話をされるのだ。ただし写真の1枚も見せず、曰くもったいないのだとか。

「今度許嫁記念日何だけどさ」
「ちょっと待って、何その記念日。初めて聞いたよ」
「はあ?彼奴と婚約出来た日普通祝うだろ」
「…もういいよ。で、続けて」
さも当然というように許嫁記念日と言った悟に面食らったが、ここに食いついていては一向に話の展開が分からなくなってしまう。気になる気持ちに蓋をして悟に話を続けるように促した。

「欲しい物聞いたら左手の薬指って返ってきて」
まあ婚約期間が長ければ、早く結婚したくなるのかもしれない。
「だから切り落とせばいい?って聞いたら殴られたんだけど意味わかんねえ」
「私でも殴るかな、それは」
デリカシーも無ければ常識もないのか。
「なんでだよ!」
左手の薬指の意味を私の口から話していいのか迷ったが、流石にこのままだと許嫁の人が可哀想だと思い教えてあげることにした。

「結婚指輪をはめる指は一般的に左手の薬指とされていて、恐らく君と早く結婚したいと伝えたかったんだろうね」
「は、何それ、知らねえし!」
ぽぽぽぽっと顔を赤くした悟が吠えた。小さく結婚と呟いていることから頭の中は許嫁のことでいっぱいなのだろう。
「そもそも何故左手の薬指かというと」
「そういうのいいから!傑!結婚指輪って何だよ」
話を遮られむっとするも許嫁のことしか考えていない悟に何を言っても無駄と判断した。
「説明が難しいけれど結婚した証明みたいなものじゃないかな。一般的に給料3ヶ月分の指輪を贈るとされているけど」
悟の場合はやりすぎだろうね、と続けた言葉は悟の耳には入っていないだろう。大急ぎで談話室を飛び出したのだから。

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04/21
ラブラバの個性って可愛いよね
俺の家系は代々呪術師を輩出している。
俺には相伝の術式は備わっていなかったが、それなりに希少な術式を持って生まれた。

前線で戦うことは難しいがサポートとしてかなり重宝されている。俺の術式を使えば生存率がおよそ4割上昇するらしい。その情報が無ければ俺はあまり術式を使わなかったかもしれない。



だから俺も今日も嫌々術式を使うのだ。

「傑くん!今日も大好き!かっこいいよー!愛してる!超好き!!らぶ!」

はあ、恥ずかしい。



俺の術式。
それは正しく『愛』。
愛を告げるとその対象を強化できる。気持ちの重さが強化量に比重する。だからといって、出会って2ヶ月の夏油にそんな激重感情生じるはずもなく。

夏油も五条も俺の術式を大したことないと言うけれど、なら俺に愛されるように動けよ。
もっと俺に愛されろよ!

ちなみに同級生で一番愛してるのは家入だ。我が術式ながら語弊しか生まないな。
家入が俺に一番優しい。だから好き。これ以外に理由はない。というか他の二人がぶっちぎりで嫌いだ。理由をあげればキリがない。
さっきも言ったが人の術式を馬鹿にしてくるし、無駄にモテるし、なのにいざというときに俺を庇おうとするところも嫌いだ。
俺は呪具で戦う以外に攻撃手段は持たない、強くもない。だから弱者として庇護の対象になるのだろう。それも無意識だというのだからタチが悪い。




俺の術式をより効果的に使用するためにある縛りを設けた。これにより強化量は1.5倍程増加する。
しかし縛りだけあって、中々しんどいものがある。
特に父親に使った時が一番最悪だった。

そう、縛りというのは「名前で呼ぶこと」

反抗期バリバリの中学2年の時、「のぶあき(父の名前)〜!愛してるよ!」と声を上げる俺の顔は無だっただろう。真顔ではなく、無だ。
ちなみに父はしょっぱい顔をしていた。地獄かよ。



「悟ぅ〜!好き好きチュッチュ!今日も愛してるよー最高!かっこいいよ!大好き」
最早棒読みに近い。だが大事なのは気持ちであり、言い方では無いので問題は無い。気持ちも無い。

五条も慣れたように後ろ手で手を振っていた。
初めの頃は術式を知っていても「は、はぁ?愛してるとか言われても嬉しくねぇし!」といった新鮮な反応をしていたのに。当時後ろからでも耳が赤いのは見えていたが、言わなかった俺偉い。



知り合って半年も経つと段々彼奴らに愛着も湧いてくるもので。
「なあ、今日何か違ったんだけど。なんつーか身体が軽い感じ?」
任務終わりに五条に呼び止められ、伸ばした人差し指で頬をつつかれながら尋問を受けた。
俺の術式の悪いところがまた出てしまった。
困ったことに相手への好意が伝わってしまうのだ。
まあ気持ちの強さによって強化量が変わるから仕方ないのだが。
「気の所為じゃん?」
「は?なわけねぇだろ答えろよ」
顎を掴まれ親指と人差し指で頬をえぐるようにつついてくる。
やめろやめろ。

「五条察してやれよ、ポンちゃんお前のこと好きなんだよ」
「さすがの家入でも殺すぞ」
適当なことを言う家入にムッとする。
「照れんなって」
「死ね」
五条まで調子に乗り出すと厄介だ。夏油が任務中でよかった。

ちなみにポンちゃんというのは俺のあだ名だ。ポンちゃんまでがあだ名であり、“ちゃん”は別に敬称では無いらしい。由来は知らない。五条が勝手に呼び始めて浸透した。まあ浸透も何も俺含めて同級生4人だが。





「ポンちゃん、今日映画でも見ないかい?」
毎度の事ながら夏油の口からポンちゃんと発せられると違和感しかない。
「いいけど、五条は?」
「悟と映画を観るのはやめたほうがいい。第一声でネタバレするよ」
夏油があまりにも切実そうに言うので笑ってしまった。経験者は語るってか。
「んで、何観んの?」
「悪魔のいけ○え」
「俺らホラーよりもホラーな日常なんだけど?」
「それは確かに」

所謂“お約束”な展開の映画だが悪くない。
ただ呪術師としての弊害か、ホラー映画が怖くなくなってしまった。けれど友人とスナック菓子を片手に観る映画は格別だった。
…五条の乱入が無ければ。
「此奴死ぬよ」はまだ許せる。死亡フラグ建ってたし。ただ「最後この女生き残るから」は許せない。
夏油のでかい溜息が開戦の合図だった。



「行け!!」
「ざけんなっ!」
俺の飛ばした赤い甲羅が五条を襲う。
ざまあみやがれ。あ。
「悪いね、ポンちゃん」
「てめっ!スターは卑怯だろ!!」

やってやられて、やり返して。

気が付けば朝の6時だった。



後日。
「悟!傑!!超好き!まじらぶ!!愛してるよー!」

「ポンちゃん!なんかすげえ身体軽いし、呪力消費が少ねぇんだけど」
「悟も?やっぱり以前よりポンちゃんの能力上がってないかい?」
映画見たりゲームしたり楽しかったので。
まあお前らの事は嫌いじゃねえからな。



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04/13
人って立ち直りかけた時が一番危ないって話
──どうしてあの時一緒に殺してくれなかったのですか!


その慟哭は彼の心からの叫びだった
彼の恋人である夏油傑は死んだ

この男、五条悟の手によって

彼は恋人の最期を看取ることはできなかった
既に捕えられていたから

そもそも彼に人を殺す度胸は無い
夏油がいたから彼は呪詛師に堕ちた
高専を襲撃した際も彼は生徒に手を出すことを躊躇い、そして捕まった
夏油もそれは覚悟していたのだろう
五条からその報告を受けた際も差程驚いた様子は見せなかった

ただ一言、“彼は人を殺めたことはおろか傷付けたことすらないよ”と五条に伝えた

それはまるで彼の無罪放免を願うかのようだった
夏油は自身の言葉が意味を成さぬことも知っていた
呪術師とはそういうものであると夏油は誰よりも理解していた
それでも全てを擲って自分を選んでくれた恋人をむざむざ処刑させる訳にはいかなかったのだ
そして最期の望みとして五条に託した
親友なら、と期待して

彼は夏油の罪の半分を被ると言った
共に過ごしてきてそれでも止めなかったのは自分だから、と
彼は五条の手で処刑されたかった
夏油と共に生きたくて逝きたかった

けれど五条がそれを許さなかった
彼のことは親友から託されている

だから夏油を悪人に仕立て上げた
恋人である彼を無理やり攫って呪詛師として活動させた戦犯にした
夏油がそれを望んだのだ

彼は怒った
持ちうる語彙の全てを使って五条を罵った
次に彼は泣いて縋った
身体中の水分が枯れ果てる程の涙を零した

そして次に彼は諦めた
生を、死を、全てを諦めた

やがて五条の主張が認められ彼は自由になった
しかし彼の空虚な瞳は何も映さず、ただ無感情のまま過ごしていた
日がな一日ぼんやりと過ごし、時折夏油の写真を眺めて涙を流す
夏油の隣で笑っていた、あの頃の彼はもういない

親友に託された彼は酷く窶れて、食事もまともに取ろうとしなかった
しかし五条が彼の為に食事を作ると、彼はそれを無碍にすることはなかった
少しずつ時間をかけて口に運ぶ様子に安堵のため息を零す

昔から彼は人の好意を踏みにじることはなかった
その癖が今の抜け殻状態の彼にも残っていることに、五条は心のどこかで安心していた
まだ彼は大丈夫だと、そう思っていた

五条の読み通り五条が心を砕けば砕くほど彼の目は光を取り戻していった
そして次第に笑うようになり、やがて彼は夏油の死から立ち直った






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04/08
友達の話
「友達の話なんだけど…」
顔を赤らめもじもじした様子で話し出す教え子に五条はすぐに恋バナだと閃いた。
さらに“友達の話”という前振りは自分の話であると相場が決まっている。
「友達がだよ?友達が五条先生のこと一目見て好きになったって言ってて」
「ええ、ほんと?困っちゃうな」
五条は友達を強調して話す彼に内心ニヤニヤが止まらなかった。
「その子男の子何だけど、やっぱり迷惑だよね?」
心做しかしょんぼりした顔でそう告げる彼を可愛く思いながら五条は考える。
──彼からの告白、有りかもしれないと。

「そういうのはほら、事前に聞くのって良くないと思わない?僕としては直接言って欲しいけどなあ」
「ほんとに?あ、でもこれ友達の話だからね!勘違いしないでよね!」
五条の言葉に嬉しそうに顔を上げた彼の顔には喜びと安堵の表情が浮かんでいた。そして彼の口から飛び出したツンデレを思わせるような台詞すらも五条への想いを隠すためなのだと思うと愛おしく思えた。
「じゃあその友達に待ってるって伝えといて」
「うん!」
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