「モナはっけ〜ん!」
「げっ」
「おやおや、その反応は酷いですね」

僕の天敵はリーチ兄弟だ
お兄ちゃんのオーバーブロット事件から何かと絡んでくる

僕は車椅子が無いと移動できない
フロイドさんはそれを知ってるはずなのに、車椅子から僕を抱き上げて気まぐれに移動する
まあそれぐらいならいいけど、飽きたら僕をその辺に放置するのだ

ジェイドさんもジェイドさんだ
放置された僕を回収してくれるときもあれば、「おやおや」って笑いながらスルーするときもある
大体そんな時はお兄ちゃんが来てくれるけど、自分の兄弟がしたことには責任をもって欲しい


でも僕は今日いいことを知った
二人にも弱点があったのだ

授業中ふと外を見るとリーチ兄弟のクラスが合同で飛行術をしていたらしく、箒に跨っているのが見えた
しかし一向に飛び上がらない
フロイドさんは辛うじて飛べてはいるものの、箒に絡まっている状態だ
ジェイドさんに至ってはただのジャンプだ

これは使えると思った
僕は人魚だけど、車椅子も魔法で動かしている
だから飛行術は得意なのだ



「おやモナさん、今日はおひとりなんですね」
「丁度いいじゃん、この飴不味いからモナにあげんね」

ここで会ったが百年目
リーチ兄弟を成敗してやる

「ジェイドさんにフロイドさんじゃないですか、今日見ましたよ!お二人とも箒でまともに飛べないんですね、ぷぷぷ」

にったり笑って言うのがポイントだ

「ふ〜ん、モナのくせに生意気じゃん」
そう言ってフロイドさんが僕に手を伸ばしてきた

殴られる、そう思ってギュッと目をつぶる

するとほっぺたをむぎゅうと摘まれたのがわかり、思わず目を開ける

「随分間抜けな顔ですね、モナさん」
「てかアズールにも同じこと言えんの〜?」

二人で僕のほっぺたをつねっている
普通に痛い

「いはいれす、はなひてくらはい」

「ええ〜なんて言ってんのかわかんない」

ここで負けたら駄目だと思って思わず言い返す

「ふろいろはんのばーは(フロイドさんのばーか)」
「聞こえてるから」

そう言ってさらにギュッとつねってくる

「ごへんなはいごへんなはい」

慌てて謝ると二人はようやく手を離してくれた

「随分と真っ赤になってしまいましたね」
ジェイドさんが笑いながら僕のほっぺたをさする

やっぱりこの二人は嫌いである



✼✼✼✼✼✼✼


モナ・アーシェングロット(15)
お兄ちゃん大好き!でも僕はお兄ちゃんの弟として相応しくないから、もっと頑張らなきゃ...
リーチ兄弟には常にぐるるると威嚇状態
二人からしたらアリクイの威嚇にしか見えていない


監督生
モナくんは可愛い
けどモナくんのセコム(兄)の目が怖い
だがやはりモナくんは可愛い


エース&デュース&グリム
後日、監督生のためにオンボロ寮の掃除をしたらしい
モナは良い奴だし、まあどうしてもっていうなら守ってやるけど...
出来ればお前の兄とは関わりたくない


ジャック
兄弟でもここまで性格が違うのか
モナのことはそれなりに気にかけている


アズール・アーシェングロット
ああ可愛い僕の弟が記憶喪失だなんて
え、違う?
ならこれからは毎日一緒にいられますね

モナ頬が赤くなってますよ、え?
双子にやられた?ちょっと待ってて下さいね、モナ
今日はウツボの煮付けにでもしましょうか


フロイド・リーチ、ジェイド・リーチ
アズールの弟、オレらにだけ生意気でウケる
モナさんがそんな態度をとるなんて、僕とても悲しいです(⌒-⌒))
モナのことはそれなりに可愛いと思っている
弟扱いしてるつもりの二人