:r18 雄英に通っていない女子と上鳴のX'mas 長文乱文
12月25日。茶の間でのクリスマスディナーが終わり自室でボーッとしていたら、全身真っ赤のモコモコした服をきた電気がフクロウの鳴き声みたいにホウホウ言いながら窓から現れたので、わたしの人生において恐らく最初で最後になるであろうツッコミを入れよう。
「いやカズレーザーか〜い!」
「いやそこは普通、サンタか〜い だろが〜い!」
「金髪に全身真っ赤の服とかもうカズレーザーにしか見えない」
「なんでだよ!白のファーがどこかしこに付いてんだろ!電気サンタだぞ〜」
「カズレーザーだよ」
「やめろ」
「カミレーザー」
「微妙なネームセンスだな」
サンタコスだったようだ。ていうかいきなり侵入してきて何なのって感じ。サプライズのつもり?しかも窓て。正規ルートから来んかい。「鍵開けてんなよ不審者が入ってきたらどうすんだよ〜」なんて一丁前に言ってるけど、アンタが不審者だよ。胡座をかいてベッドの上に座った我が物顔の彼氏を前に、色々と苦情を入れたい欲求を抑え込みクールに対応する。
「どういう気持ちでそれ着てんの?」
「お前が喜ぶと思って」
「そうだったんだ」
「おう」
「なんかごめん リアクション間違えて」
「いやいい 気い使われた方がメンタルくるし」
「そう?」
「おう。つうか歓迎されてない感やべーからコレ脱ぐわ…」
「そうして」
「ウゼエ!」
電気はジャニーズばりの早着替えでいつもの私服に変身し、わたしが一から丁寧に淹れ過保護に飲んでいたホットレモンティをグビグビと喉に流し込みフウ〜と息を吐いた。並々ならぬ無神経っぷり。そして不服そうにコキコキと首を回す。
「せっかく彼氏がクリスマスを盛り上げてんのにノリ悪い。クソつまんねえなお前」
「だってクリスマス嫌いだし」
「まじか」
「そもそもクリスマスってキリストの誕生日を祝う日なんでしょ?関係ないじゃん。なんなの、このはしゃぎようは」
「まじか なんか拗らせてね?お前」
「浮き足立ってるカップル見たらまずイラつくよね」
「おいおい」
「そして頭ン中でブッ殺してる」
「やべえって!爆豪みたいな物騒なこと言うなよ犯罪者予備軍かよ!ソッコーで別れてえんだけど!」
関係ないのに爆豪って奴がディスられてんのには同情……うん、しない。そうだよ 今拗らせてるんだもん。電気のせいなんだからね。どしたん、と眉をひそめる電気に面と向かい口を開いた。
白状するよ。今日はクリスマス。前々から電気とデート出来るもんだと思っていた。あなたからの誘いをずっと待ってたの。なのに電気はクラスメイト達とのクリスマスパーティーに参加すると意気揚々としていた。それがショックだった。今更ウチに来て恋人同士クリスマスをエンジョイしようだなんて思わないで欲しい。さっきまでブギウギ楽しんでたくせに。サンタの衣装だって、パーティーからの流れで着てるんだろうなって思ったからムカついたの。ほんとはクリスマス大好き。鈴の入った可愛い音楽も、キラキラしたイルミネーションも大好き。
シーンと静まり返った部屋に若干の気まずさが漂う。わたしは目のやり場に困り、空になった紅茶のカップをただ眺めた。
「お前さー……まじ可愛すぎねえ?」
チャラついたセリフなのに真剣さを含んだような電気の声が静寂を切り裂いた。自分の部屋なのに居場所がないような気分になって身を強ばらせてしまう。すると彼が着けてるシルバーネックレスが目の前でチャラついた。やばい、こっちに来る。
「バイバイ!」
「あ オイなまえ!」
防衛本能が作動し咄嗟にクローゼットの中に逃げ込んだ。隠れられる場所がもうここしか思い付かなかったし、まじで気まずかったし。この際立て籠ってやる!
「なあ〜悪かったってなまえちゃ〜ん」
こちらへの呼び掛けに無視をお見舞い。このキャッチボールを何分間も続けている。一体何なんだこの状況は…心の中で自分の行動にツッコミを入れた。今もなお諦めることのない電気が扉の向こうから説得してくる。
「オレてっきりお前はお前で別のパーティー行くと思ってたんだぜ?わりとマジで」
「……」
「ほら、お前って意外とパーティー好きなとこあんじゃん?」
確かに気の良い仲間と音楽を聞きながらはっちゃけるのは好きだけど…それにしてもクリスマスだよ?予定を空けて彼女とデートでもしようって気にはならなかったの?冷たすぎない?
でも、こうも考える。どうしてわたしは「クリスマスデートしたい」とたった一言が言えなかったのか、と。思えばいつだって電気からの誘いを待っているばかりだ。自分の自主性の無さを悔い改めるべきなのに。彼任せで何も動くことをせず、勝手にいじけて、情けない。せっかく会いに来てくれた彼氏にこんな態度しか取れないなんて。
こうして引きこもってると後悔ばかりが押し寄せてくる。暗闇のクローゼットの中うずくまった。
少し経ち、「入んぞ?いいんだな?」と念を押して電気が扉を開けた。すると宣言通りマジでクローゼットの中に入ってきたので面を食らう。入るとは言っても外に連れ出されると思っていたから。狭いクローゼットの中を満員電車に乗り込むように体を滑らせてきた。状況が飲み込めないままギュ〜ッと抱きつかれ手探りで顔を掴まれキスをされた。
「え ちょっ なに?!」
「ん〜なまえ〜」
「まっ、」
「やっとチューできた」
「んっ…満足?」
「ハッ 全然」
「電気…っ」
「足んねーわ」
猛烈なキスを受け止めていると、体を模索する手が服の裾から入ってくる。足りない足りない と詰められながら押し上げるように胸を揉まれて、息が漏れる。
「電気、やめてよっ」
「ええー」
「そんな気分じゃないんだからっ…ん、」
「気持ちよさそーじゃん」
「電気が、触るからじゃんっ…」
さっきまでの陳腐な小競り合いは何だったのか。完全に流されている。鼻息荒くゼーハーしてる電気の頭の中はえろいことで埋め尽くされているんだろう。速まるお互いの呼吸が混ざりあう。狭い空間、ハンガーにかかる服が邪魔で酸欠になりそうだ。
電気の手が肌を滑らせながらパンツの中に侵入してきた。こうなることは想像できたものの動揺してしまう。指でアソコを撫で上げられれば、どうしてこうも体は正直なんだろうと考えさせられる。
「興奮してたん?」
電気が熱を帯びた声で問いかけてくる。返す言葉が見つからない。信じらんないくらい濡れちゃってるし、そんな状態でクリを指の腹で柔くスライドされたりしたら嫌でも体が跳ねた。
長い時間、必死で声を抑え快感に耐える状況になっている。電気は気が済むまで弄くり回すつもりなのかもしれない。二本の指がわたしの気持ちいい所を刺激して、立つのもままならない。片方の腕で体を支えてくれる。このまま何もかも全部預けちゃおうかなとも思い始めてきた。その時、
「なまえ〜!」
唐突な呼び掛けに二人して身を固まらせた。暗闇なのに目が合った気がする。今おそらく自室の前にママがいる。一呼吸置くまでもなく「コンビニ行くけど何か欲しいものある〜?」と問いかけてくる呑気なママ。背筋が凍り付く。すると電気がこの緊急事態にも関わらず、中に入ったままの指をグイグイ動かしヤバい所を押し上げてきた。
「ちょっ…んっ」
「返事しとけ〜?」
「あっやめ…電気」
「怪しまれんぞ。早くしろよ」
「やだ…っ、無理 だよ…っ!」
「ほら 頑張れ」
耳元で無理難題な悪魔の囁き。私が困った声を出すほど指でイイ所を押し上げて、更に困らせてくる。やめてと半泣きで懇願する。電気は今どんな顔をしてるんだろう。声音から察するにニヤついているに違いない。きっとこの状況を好機に思っているはずだ。
「無いよ!いってらっしゃい!」
精一杯に平然を装い返事をした。そんなわたしの熱演に、スゲーじゃんそんな余裕あんの?オレもまだまだだわーと笑う。イラッときた。「クソ野郎…」そう吐き捨てると、電気はさすがに空気を読んだのか指を引き抜いて抱きしめてきた。落ち着かせるように背中をさすってくる。息絶え絶えに暗やみの中で電気を睨む。
「最っ低…」
「わりー…やりすぎた?」
「うん……バカ」
「可愛くてつい…」
「嘘つかないでよ…」
「嘘じゃねえって!伝わってねーの?」
「方法が他にある気がする」
「例えば?」
「さっきみたいな意地悪なことしない、とか」
「なるほどな」
「普通に、今からイルミネーション見に行こう、とか……」
「…」
「…」
「優しくチンコで可愛がってやる、とか?」
「…は?」
「そっかそっか〜可愛いなまえの為に電気サンタが願いを叶えてやっか〜!」
「んんん?」
クローゼットの扉を開けたと思えば二秒後にはボフッとベッドの上に投げられていた。急な眩しさに目がムスカ状態になる。カチャリ、閉めてなかった部屋のカギが掛かる音が聞こえた。
「まだ話が終わってないんだってば…」
「おう。分かってっけど後にしてくんね?」
「ちょっとっ…」
「つうかオレ結構耐えたんじゃね?ここまで待ったオレをもっと労ってほしいワケよ。…意味伝わってる?」
喋りながらジリジリと迫ってくる。
「後でちゃんと謝るって。なんならそん時殴ってくれても全然いいから。今はえろいことしか考えらんねえわ …なまえもだろ?」
ついに追い詰められ手首を掴まれればシーツに縫い付けられ、ギューッと締め付けるように覆い被さられた。一連の動きが蛇みたいだと思った。
電気は切なげに「やべえ パキりすぎてキツイ」と下品なことを言ってパキったアソコをぐしょ濡れの中に滑らせてくる。
「中 きっちい…」
「どっちにしろ、キツイんじゃんっ…」
「確かに」
「一旦…抜いてっ」
「それ無理、だろっ…」
お構い無しに奥へ押し進められる。頬を赤く染めた電気にジッと見つめられながら。やっぱり、わたしも同じ顔をしているんだろうと思った。
だけど反対のことを言ってしまう。挿れてくれて嬉しいのに…もっと言えば会いに来てくれて嬉しいのに。だって感情の居場所がないんだもん。さっきまで怒ってたはずなのに今は気持ち良くなろうとしてる…そんな自分に負い目を感じるから。どう反応をすればいいの?素直に感じればいい?プライドが邪魔をしてすぐに切り替えられないよ。何度も電気とセックスをしてきたのに、こんな簡単な流れでセックスをエンジョイしちゃう女だと思われたくないと未だに思ってる。
「スッゲー気持ちいい」
「ああぁ、んっ…やだぁ」
「やべえわ」
「んふっ…でんきっ、でんき…っ」
「分かってる 可愛いぜ、なまえ」
「なに、言ってんのっ…ばか、やだっ」
「そういうとこマジ可愛いな」
「ま、まだ、許してないんだからぁっ」
「うん。気持ちい?」
「あしらわないでよっ!んっ…謝ってよ、いっぱい!」
だからわがままを言いたいの。それを受け入れてほしいの。たくさん困ってよ。それがやたら気持ちいいの。わたしはバカだからそれで愛を感じてしまう。電気は困惑しながらも気持ち良さそうに腰を打ち付けてくる。
「お前まだ言ってんのかよ…」
「はやくっ…!」
「それも可愛いけど」
「もうっ…電気っ…!」
「悪かった。な?クリスマスなのに、放置して」
「もっと、言ってっ…」
「ごめんって」
「だめっ…ああっ、ちゃんと、謝って…っ!」
「もう後でいいだろ…っ!」
「やだやだ、後じゃやだぁ、今がいいのっ…あぁっ、今謝ってよっ……んんっ!」
寂しかったんだからたくさん償ってよ。
しつこく言葉で責めると、ついにスイッチを入れてしまったらしくガブッと唇にかぶりつかれた。たくさん角度を変えて、わたしがこねる駄々をすべて飲み込むみたいに吸って、舐めて。とても熱い。食われてる気分。幸福感に脳ミソと体がシビれる。興奮がだだ漏れしてるような大胆なキスを電気は飽きもせず繰り返す。わたしも飽きもせず受け入れる。奥を突かれながら。
このキスがごめんと言ってるみたいだ。だけどまだ足りないよ。もっと聞きたい。もっと欲しい。もっともっと謝って。キスで謝ってよ、一晩中。
街中を全力疾走している。
あの後どうなったかなんて聞かないで。こうして二人並んで走ってるんだから。
「あー…遅かったか、チクショー」
けどイルミネーションは消灯していた。息を整えながらわたし以上に電気が悔しがる。その姿を見てイルミネーションなんてどうでもよくなる。電気がいるから価値のある日なんだ。そう感じて、珍しくわたしから手を繋いだ。
「ここまで連れてきてくれたことが嬉しいよ!」
「……」
「ありがとう」
「……」
「電気?」
「ちょっと手ぇ離すけど、拗ねんなよ?」
電気がいきなり引き締まる。その姿に目を奪われていると、辺りが明るくなっていく。詳しくはよく分からないが、電気が個性やらを使ってなんやかんや電気を弄くったようで、消えたはずのライトがピカッと光り始めたのだ。チラホラいる周囲の人達が、消灯しているはずなのになぜだ!とザワついている。
キラキラと宝石にように辺りが煌めく。その中心は燦々と輝く街一番の大きなクリスマスツリー。いつか彼氏と見れたらと夢見ていた光景が今ここにある。わたしにはもったいなさすぎる。
「どうよ?クリスマスってやつは」
照れたように笑って問いかけてくる。わたしも笑顔を返す。
「大好きだよ」
素直に答える。
「…オレも」とそっぽを向いた彼越しに見るイルミネーション。管理者らしきオッサンが、お〜い電気切れてないぞ〜と遠くの方のまた別のオッサンに向かって叫んでいる。スイッチは切ったぞ〜何で電気付いてんだ〜と、雰囲気もクソも無いオッサン同士のやり取りを聞き流しながら、目に焼き付けた。
「キレイ…ありがとう電気!」
「ウェ〜イウェ〜イ」
「……」
18/12/25 kiss it better
もどる
トップ