お尻フェチの緑谷A


フィットネスバイクっていう自転車みたいなトレーニング器具で自主トレしたと報告。そしたらデクくんが青筋を立てて「そんなの使っちゃダメだよ!お尻に黒ずみ出来たらどうするの?!」と騒ぎ出した。どうでもいいので無視してたら、ムシャクシャしたデクくんが夜のトレーニングルーム、マシーン壊して回ったらしい。新世代の尾崎豊かよ。

裁判沙汰になりそうな事件のはずなのに、デクくんは「トレーニング中の個性の事故」という説得力のある主張で冷静っぷりをアピールし、事を片付けたらしい。え 片付いちゃうの?
ていうかその前に彼の知能犯っぷりがムカつくし、ワンフォーオールをくだらんことに使うなよと冷静に思うよね。わたしの知ってるデクくんなら「なまえのお尻に危険が及ぶのでぶっ壊しました」なんてカマしてただろうし。ていうかわたしだけには正義ヅラしてそう言ってきたし。

そのペナルティ?お仕置き?八つ当たり?表現が難しいんだけども、とにかくわたしは自分のお尻をぞんざいに扱った罰としてデクくんからパンツを奪われてしまった。なんという超展開。今朝身支度をしてハイツの自部屋から出てたところでストーカーの如く待ち伏せしてたデクくんにパンツを剥ぎ取られちゃったの。

「パンツもらうだけだから」
「え?」
「大人しくしないとみんなが見てる前で恥ずかしいことしちゃうよ」
「え?え?」
「夜には返す。心配しないで」
「え?え?…ええっ?!」

素直にパンツ奪われちゃうわたしもわたしだけど、脱がされる時に耳元で「動かないで」とか言われちゃってなんだかまるで銃を突きつけられてるような心地だったの。しかも手際よく脱がされちゃったから成す術なかった。


というわけで今日1日ノーパンで過ごさせられるわけなのですが…。

スカートの中は無法地帯。スースーするし自然と小股になる。まるで着物を着て歩いてるようなぎこちなさ。歩みを進める度にすれ違う生徒全員にバレてるような、そんな被害妄想まで始めちゃう始末。まだ登校中だというのにヤバいよ、こんなんで1日保つのかな。
そんなわたしの後ろにペッタリとくっついてボディガード気分のデクくん。もうさ、荷物の抜き打ちチェックとかあったらいいのにな。彼の鞄にはハンカチのテンションでJKのパンツが入ってる訳だから今度こそ逮捕案件だよね。まじで捕まればいいよこんな人。

「あ〜あ、士傑の夜嵐くんとか現れないかな〜」

わたしとは裏腹に、間延びしたような態度でデクくんがそう呟いた。返事の為に振り返ることすらスカートが舞い上がりそうな気がするので、前を向いたまま返事をする。

「なにそれ」
「夜嵐くんの個性って旋風でしょ?」
「そうだっけ…?」
「今なまえの前で旋風を巻き起こしてほしい。レップウ!的な」
「やだやだ 困るよ!」

一発ギャグのようにレップウ!と繰り返すデクくんに呆れ返る。え、わたしこんなオッサンみたいなヤツと遊んでんの?やだ死にたいんだけど。ただのセフレ相手にここまで許すんだから、ちゃんと気持ちいいエッチしてくれないと採算が合わないんだからね!…あれわたし結局ヤることしか脳みそ機能してないわけ?

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そういえば、ミナちゃんっていきなりブレイクダンス始めちゃう謎の癖があるんだよね。その時制服姿の彼女はスカートがコウモリ状態になるの。それを見てると暴風雨で傘が逆方向にひっくり返ってる人を見たあの瞬間を思い出すんだけど…まあそれはいいとして、捲れ上がったスカートの下にスパッツみたいなの履いてるからオッケーみたいなところがあってさ。あれって見ていいモノなの?あれの下にパンツって履いてるのかな?だってわたしだったらわざわざあのスパッツの下にパンツなんて仕込まないもん。スパッツ兼パンツ的な?だとしたらノーパンってこと?やばい、おそろじゃんズッ友になれるじゃん。結局ノーパンしか勝たんわけ?

そんな事思ってたら1日が過ぎた。
デクくんがわたしをおバカ扱いする所以だよね。たまに左手でお箸持ってる時あるもん。自分でもバカだなあって思う。わたし右利きなのに。

授業が終わりみんながチラホラと教室を出る。その流れに沿ってわたしも立ち上がる。でもデクくんを見ると席についたままだ。腰を上げる素振りもなく頬杖をついてペンを回してる。どういうこと?まだここに居ろと言われてるような気もする。なんか合図してくれたらいいのに、こっちを見ようともしないから分かんない。わたしどうしたらいいの?不安でパニック寸前になっていると、クラスメイトが全員帰ったタイミングでやっとデクくんがこっちを見てくれた。

「おいで」

そう一言言われた時、なぜがゴールテープがデクくんの前に現れた気がした。自分の行動がデクくんにとっての正解だったことが嬉しくて素直にそのゴールテープを切りに駆け寄る。腕を広げるデクくんに抱きついたら「かわいい」とヒマワリみたいな笑顔で抱きしめ返してくれた。謎の感動。謎に「一日お疲れ様」とか言われて謎に「ありがと」とか返事した。ギュ〜ギュ〜しながらわたし達は緊張の糸が切れたように喋る。

「ずっとなまえのスカート見てた」
「うん」
「一日中見てたけど中は見えなかったよ」
「やった〜」
「ちょっと残念」

そうしながらデクくんを椅子に座らせ自ら向かい合って跨がった。対面座位みたい。デクくんの首元に腕を回して少し低くくなった目線を合わせる。見下ろすとややこしくなりそうだし、下手に出て上目を遣う。わたしのえろい部分がデクくんのえろい部分に当たる。ていうか噛み合う。なんか自然と腰が動き出す。

「パンツ穿いてないから直で当たるねなまえ」
「うん…」
「パンツ穿いてなくてよかったね?」
「ん…っ」
「もう一生パンツいらないんじゃない?」
「うん…いやいる!」

デクくんは意地悪言ってクスクス笑う。グヮシ!と制服の上からお尻掴んでモミモミしてくる。それによってついでに腰を逃げられなくされている。逃げる気のないわたしは股押し付けてグリグリする。そしたらフニャチンだったのにどんどん勃ってきて、わたしの股の溝にクッキリ収まる感じになった。仲良しみたいにアソコ同士がピッタリとくっついてて幸せ空間。もちろんわたしはパンツを穿いてないわけだからズボンの布が擦れてクリが刺激される。勝手に動いちゃう、腰が。クリを刺激したいとかじゃなくて、単純にアソコ同士を当ててると謎の安心感があるっていうだけ。

「あ ごめん」
「ん?」
「デクくんのズボンが汚れちゃう」
「いーよ」

デクくんは心底どうでも良さそうに返事をして、スルッと手を忍ばせ今度は直にお尻を撫で回す。自分のズボンが変な汁で汚されてるのに気にしないところがかっこよくて好き。意外と大雑把な性格してて、そこが垣間見える瞬間が訪れると密かに嬉しかったりする。男を感じた気がして、自然とわたしはメスになる。目線を合わせた。かっこいい、デクくん。この緑の目も、実は合うだけで胸が高鳴る。

「どうされたい?」

耳元で囁いてくれた。それだけで命が吹き込まれたみたいに体が目覚める。
でも、違う。今日一日何度もエッチな期待をしてたのに、何だか今は違った気分。デクくんの現時点で一番のお気に入りであるわたしもその立場に文句はないはずで、いつでも誘われたいって思ってるし、そりゃヤってもいいけど、でもなんかそれより…。煮え切らないわたしを見て、デクくんは変に勘ぐる。

「お仕置きしてほしいの?」
「う…、ん…?」

一度頷いて、その流れで首を傾げる。お仕置き、され…たい?されたいと聞かれたらそりゃされたい…のか…?
うーん…
唸っているとデクくんは「なに、どうしたの」なんて笑う。どうしちゃったのか自分でも分からない。この感情は何なんだろう。わたしは頭が悪いから自分で自分の説明が出来ないんだ。
だからあなたに解いて欲しいとか思っちゃう。デクくんは頼もしいから、何だかわたしを解読してくれそうな気さえしてついつい甘えたくなる。

「キス」
「ん〜?」
「キスしたい」

キスしたくて、唇をくっつけた。

「ん、そういや今日一回もしてなかったな」
「うん…っ」

受け入れてくれて、後頭部に手を添えてくれた。体制的にもわたしが攻めてるみたいだし、このキスもそんな感じだった。いつも主導権握りたがるデクくんがただただ受け身で唇を開いてくれているだけ。わたしはここぞとばかりに舌を押し込んだ。味わうようにデクくんの舌をなぞると柔らかくって優しい感触がする。なんで悪魔みたいなヤツなのに口の中は平和なの?ゆっくりと啄んで唇を少し吸って離すと、わたしのペースに合わせてデクくんもチュッと啄んでくれる。なんかわたし主導でキスしてるのが変な感じ。その不思議な感触に魅了されながらも、また唇を付けてゆっくりムチュムチュする。デクくんはわたしの耳やら首やらを撫でてくれる。猫になった気分。そしてまた舌を突っつくと今度は下から掬い上げるようにデクくんから新しいキスをしてきた。あれ…いつもの展開がきてしまった。小さく驚いた口に舌を突っ込まれて、舌を絡めとられる。さっきのキスがあっけなく上書きされていく。でもこれを待っていたような気もする。そうだ、キスだ。ずっと何がしたかったのか明確じゃなかったけど、分かった。キスしたかったんだわたし。…キスしたかった…のか…?ああもう、また分かんなくなっちゃった。
すると下からアソコをズンと突き上げられて、我に返った。キスに集中しすぎてアソコのことを忘れてた。

「ん…」
「ん、なまえ」
「んん」

無我夢中になってる。ちゅぱちゅぱとお互いの息が絡み合い舌がもつれあう。アソコ同士を擦り合わせながら、深く深くキスが繰り返される。開いた窓からふわりと夕日を含んだ風が魔法の絨毯みたいにカーテンを持ち上げた。わたし達はその風に包まれて、持ち上げられて、浮いているみたい。まるで光に包み込まれてるような、温かくて、本当に体が浮かんでいる感覚。心地良い。キスも、視界も、風も、手に入る感覚の何もかも全部が心地良い。終わって欲しくない。このままでずっと居られたらいいのになあ。


「帰って、続きしよっか」

わたしは手を引かれ冷え出した廊下を歩く。そしてあのキスの余韻を無理やりに断ち切った。
夕日に溺れたハチミツ色のとろける空間。
あの時間はもう終わったんだもん。
ああ 夜が来る。
薄暗くなりつつある冷えた廊下を歩く。
まだキスしてたかった、と言える勇気はない。
だって夕日は沈みきっちゃったから。
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