ストーン
病気じゃないのに処方箋をもらった。でも無くした。たぶんヤギの胃の中。代わりにもらったキノコは毒が生えていたようだ。
しょうがないから石の上に寝転んだ。
床に溶けて込んでいくみたいだ。
世界が切り開かれる。手を合わせる。ナマステ。
僕は万華鏡を覗く僕を見ていた。
パタ パタパタ。フィルムが切り替わる。
万華鏡の中で誰かが僕を見ていた。
僕の眼球が割れたのか
僕のフィルムが割れたのか。
画面が斜めに割れた。
刀で一刀両断したみたいに。
必死で粉々になったガラスの破片を拾い集める。
あの子の顔を粉々にしてしまった。
早く直さないと!
これは腕だ。
目はどこだよ。どこだ?
見てくれ。僕を見てくれ。
青山くんと一緒に流れ星を追いかけて着いた北極は寒かった。かじかむ手に息を吹きかけたのを覚えている。そして星を捕まえた。僕は人類で初めて星を捕まえたんだ。その時はじめてヒーローになったと実感した。
手のひらを開くとそこにあったのはおたまじゃくしだった。
おかしいよ、僕の見間違いだ。
パチクリ。
何故だろう、まばたきをしたら砂漠にいた。喉が渇いて声も出せなかった。
思い出した!
あの日僕は言った。
「誰かを救えるとしても、君を傷付けてしまうなら僕は何もできないよ」
そして、ようやく気付く。あれは分岐点だったのだと。
僕は知っている。あの子も、かっちゃんも、そして君も知っている。
ふりだしにもどる。
今日は毒キノコなんて食わないと誓った。寝転んだ石の上で空を仰いだ。
星座の上でパズルが煌めいた。
星空に手を伸ばし、完成しないパズルを作り続ける。
涙がこめかみを伝って流れた。
僕は君の目を探し続けるよ。
流れ星が綺麗だから、君に見せてあげたいんだ。
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