照れ屋の彼女にいきなりキスされたらビビって眼鏡ズレる。それもベロまで入れられた日にゃレンズ割れるわな。あくまでイマジネーションの話。だから本当にこんな事態になりゃ眼鏡は割れない。ズレはするけど。とにかく。一也と呼んで唇をくっつけてくる行為を俺は紛れもないお誘いとして受け取ったわけだ。
「なんのサービスっすかなまえさん」
「…」
「ん〜?シたくなっちゃった?」
「一也にマグロって思われるのやだ」
「え…急にシリアスとか」
「マグロじゃないもん」
「あー…まあな。あんなに感じといてどうやったらそう思えるわけ 自信もっていいんじゃん?」
「そ…そう…?」
「俺が保証する。お前はマグロじゃない!」
「よかった〜!…って そうじゃないの一也!」
「おいおい まじどうした」
「…私いつも動かず受け身だし」
「ほー」
「いつもしてもらってるから…その…」
「うん」
「…」
「で?」
にやつく。こいつの可愛い考えが手に取るようにわかる。まじ最高な。
「なまえちゃーん」
からかうように呼びかけると、羞恥心を隠しきれないのか照れ笑いをこぼしてこっちを見た。
「今日は私が攻める!絶対動かないでね!」
まあ うん、許す。可愛いし好きにさせてやろう。俺も腹くくるわ。
ズレるとか割れるとかめんどくせえから眼鏡は外した。仰向けになって真っ正面から待つ。ほら ノーガードだぜ?やってみろよ。その、攻めるってやつ。覚悟を決めたなまえは恐る恐る乗っかってきた。お前のことだから色々と策を考えてきたんだろ 緊張の面持ちでふわっと唇をくっつけてきた。ああ ちゃんと順序ってモンを大事にしてんのね。なんか、あまりにも、セオリーに忠実で、やべえ、堪えきれねえ
「ブハッ!」
「え?ちょっ…なんか変なことしちゃった?」
「いや まじ、その……クククッ」
「え!笑ってんじゃん!もう 笑わないでよ〜」
「ごめんごめん」
アハハと笑い合いながらベッドの脇にあったコーラを二人で飲んで喉を潤した。眉を下げて笑う姿を見てどうでもよくなる。一丁前にチンコ勃たせといてなんだけど。
気を取り直してなまえを煽ると今度は耳をペロッと舐められた。なぜだろう 全くえろさを感じない。が、その乳くささに興奮する。可愛いなあ。お前が耳気持ちいから俺にも、ってか。浅はかでバカ正直。
やっぱり堪えきれずクスクスと笑いをこぼすと 耳攻めを見限ったのか今度は首筋に挑戦してきた。うんうん、俺の反応見てんな。で、また諦める。で今度は胸だろ?うんうん
「俺の真似?」
「へっ…!?」
「出来てんじゃねえの? 続けてみ」
「ああもう一也…お願いだから」
「あれ〜もう終わり?」
「からかわいでよ〜!」
キャ〜と手で顔を隠して こっち見ないでと言っている。いや見るだろ。ウケるし。もう爆笑。釣られてなまえも笑っちゃって、だめだこれ 俺ら話になんないわ。
「おいでなまえ」
完全降伏したのか不貞腐れつつ腕におさまりにきた。素直じゃん。クッソおもしれーの。
「満足した?」
「どこが!」
「はははっ」
「でもごめんね一也、うまくできなくて」
「ちょうウケたわ〜」
「一也が笑うから私も釣られちゃうんでしょ〜?真剣に相手してほしかったのに」
「いいじゃん 楽しかったぜ」
「それなら…まあ いっか!」
「あ、いいんだ」
「いいの 私じゃ全く歯が立ちませんでした。も〜悔しいな〜」
疲れたのかぐったりするなまえを見て苦笑い。少しの負い目を感じる。まあ顔見るとすぐ弄りたくなってそんな気持ちも吹っ飛ぶんだけども。
お前の求める 素直に感じてくれ、なんて。正直言う。このままそうなってやるのもいいかなってチラッとは思ったわけよ。でもそれもやっぱり一瞬な。チキンの俺じゃ恥ずかしすぎて覚悟決めらんない。到底無理な話。俺 耐えらんねえの、笑っちゃうの。からかうのはカモフラだ。お前が負けたことにしちゃってごめんな。
ただ心配すんな。降伏したのは俺だから。
間違っても 私には敵わない男 なんて思わないでくれよな。
926 照れると笑けるし可愛いともっと笑ける
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